2023年、世界のフードトレンドはどこに向かうのか?
世界の「食」にまつわるトレンドは、コロナ禍を経て大きく変化しました。人々のライフスタイルが変わって、「食」に求めることも変わりました。それに伴い、売れる商品や製品が変化し続けています。「2023年、世界のフードトレンドはどこに向かうのか?」というテーマについて、LAと東京の両拠点で活躍するワイズアンドパートナーズCMO/上級コンサルタントの結城彩子はどのように考えるのか、話を聞きました。
結城:2055年には世界の人口が100億人を超え、深刻な食糧危機を迎えると言われています。そこで生まれたのが、テクノロジーを利用して、世界的な食糧問題を解決するというトレンドです。特にコロナ禍において、フードテックが注目されるようになりました。フードテックへの投資額として一番多いのがアメリカです。
たとえば、最先端技術を使った代替プロテインには、動物性ではないプロテインや昆虫から抽出されたプロテインがあり、大豆ミートやこおろぎハンバーガーなどがあります。また、パンデミックがエンデミックとなった今も、栄養補助食品の人気は衰えることなく、続いています。それには機能性食品や腸内環境を整えるプロバイオテックやプレバイオテック食品が含まれますが、いずれもアレルギーやアルツハイマー、糖尿病、免疫疾患を予防するものとして関心を集めています。さらに日本ではお馴染みの発酵食品。コンブチャやキムチなどアジア系アメリカ人のスタートアップ企業が自身の出身国で作っていた製品をアメリカ人向けにアレンジした製品群が急成長しています。その他にも、フードロスをなくす運動やロボテックス、ECのトレンドが挙げられると思います。
質問:日本の製品は、どのようなトレンドにのれるのでしょうか?
結城:たとえば、日本には古代から受け継がれてきた発酵という技術や食品があります。納豆や酢、味噌のようなものです。英語では腸の健康のことをGut Healthと言いますが、アメリカ人は腸が弱く、4−5人に1人が、何らかの腸の病気にかかっているという統計データがあります。「全身をケアするのは、腸の健康から」という考え方を、アメリカ人も理解し始めました。若い世代の消費者に対しても、Gut Healthに関わるものがトレンドの先端を走っています。それだけでも、日本の発酵食品にとってチャンスが訪れていると言えると思います。
質問:最近はどういう「日本食」にまつわるお仕事がアメリカでは印象的だったでしょうか?
結城:日本食が、アメリカのシェフにインスピレーションを与えています。彼らと私たちのお客様(食品会社など)を繋ぎ、メディアの記事を書いているフードライターをレストランに集め、メディアディナーを行っています。特にミシュランシェフはメディアに注目されているので、よりよい関係を結ぶことでクリエイティブなアウトプットがたくさん生まれます。たとえば、私たちのお客様の商品を使ってアペタイザーからデザートまでレシピをつくってもらったり、そのお店の看板メニューとして扱ってもらったりする活動をしています。
シェフはトレンドにも敏感で、ストレス軽減に繋がるアダプトジェンを含む商品や製品 、また、ハーブなどのムードがよくなるもの、リラックス効果があるもの、セルフケア、そして出汁や昆布や調味料などのうまみにつながるものなどを探しています。また日本産の未知のフレーバーや新しい食感を喜んで使用する傾向があり、すぐにセールスに直結するので、このようなトレンドは見逃せません。
質問:なかなか渡米して現地視察するのは、コロナ禍の日本企業にとってハードルが高いと聞きますが、現地ではどのような状況でしょうか?
結城:日本では大企業をはじめとして海外出張禁止の期間が長くなり、海外展示会からも足が遠のき、世界のトレンドを掴み切れていない可能性があります。日本の海外進出を目指している企業やご担当者様には、ぜひアメリカで私たちのマーケティングツアーにご参加いただければと思います。
もしくは、9月15日に無料ウェビナーを開催しますので、まずはこのフードトレンドの話の続きを聞いて、参考にしていただければ幸いです。世界のフードトレンドのオーバービューを解説し、今後の新製品開発にも活かしていただきたいと思っています。
世界中で巻き起こっているトレンドが、やがて日本にもやってきます。また、私たちが古くから親しんでいる味覚や食感、日本の商品や製品が、海外に向けて進出できるまたとないチャンスが訪れているということもお伝えできればと考えています。
「食」のなかには、生鮮食品や加工食品、健康食品、機能性食品、飲料、調味料、原材料などさまざまな業界がありますが、それに加えてレストランやフードサービスもあります。アメリカだけではなく世界的なトレンドを一緒にウォッチしながら、日本の強みをいかにアピールできるか、一緒に考えていきたいと思っています。
(本セミナーは終了しました)
ウェビナー概要
開催日時
2022年9月15日(木) 14:00〜15:00(日本時間)
参加費
無料
開催場所
zoom ※お申し込み後、参加URLを別途お送りいたします。
定員
200名 ※定員になり次第締め切らせていただきます。
アジェンダ(予定)
1)植物肉や代替食品
2)アップサイクル食品
3)機能性食品
4)日本の伝統的な食品
※内容は一部変更になる可能性がございます。
対象者
このようなご担当者様におすすめです!
・海外展開を検討中
・来期のために海外の「食」のトレンドを知りたい
・トレンドの背景にある人々の考え方に興味がある
※同業者様のご参加はご遠慮ください。
注意事項
- 本ウェビナーは、Zoomを使用するため、参加にあたっては、インターネット接続環境が必要です。ご参加の方は、当日までに視聴環境の整備・確認を行ってください。
- お申し込み条件を満たしている方に、参加用URLをお送りいたします。そのメールを受領しない場合はメールアドレスの登録間違いや迷惑メールに振り分けられている可能性がありますので、再申し込み等をお願いいたします。
- 「会社名」のご入力がない方、個人や個人事業主の方、学生の方の参加はご遠慮いただいております。また、同業企業の参加もご遠慮いただいております。
- フリーアドレス等、会社メールアドレス以外でお申込みされた場合は、セキュリティ上、参加をお断りすることがございますので、予めご了承ください。
お問い合わせ
日本オフィス 尾谷/米国オフィス 斎藤
講師紹介
30年に渡って日米両国でのブランドマーケティングの経験を持つストラテジスト。
グローバルエージェンシーにて、ユニリーバのLUXブランドの立ち上げ、De Beersダイヤモンドの日本市場での成功に寄与。
1999年に渡米、2002年に米国法人 Ys and Partners, Inc.を共同創業。2005年にワイズアンドパートナーズ・ジャパン(株)を立ち上げ、 LAと東京の両拠点から、日本国内はもとより日本から北米に展開するジャパンブランドのマーケティングを支援。
ブランド戦略構築から調査分析、クリエイティブ、ウエブ、ソーシャルメディア、販路開拓コンサルティングまで、統合型マーケティングコミュニケーションの専門家チームを率いる。
日米のオフィスを往復しながら、その傍らで大学、行政機関などの依頼で講演や執筆を続ける。
ICU卒業。ESL教師、アメリカンマーケティング協会/OCPRSA/JASSC会員として活動中。