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米国マーケティングトレンド研究会 2021.01.15

美容トレンド:アメリカの美容市場。ヴィーガン化粧品の最新動向!

近年、アメリカの美容業界では新しいヴィーガンブランドが増えています。新進気鋭のブランドもあれば、老舗のブランドが100%ヴィーガンへ移行する傾向もみられ、活発化しています。

関心が高まる、ヴィーガンライフスタイル

毎年1月に開催されるVeganuary(ヴィーガニュアリー)。これは、ヴィーガンを推奨する活動の一環として、1月の一ヶ月間、ヴィーガン生活を送るチャレンジのことを指します。2014年に英国で開始された当初は、参加者がわずか3,000人でしたが、2021年はグローバルで50万人が参加しています。そのうちの8万人は米国在住者です。1

ヴィーガンになる理由は様々です。1)動物を犠牲にしたくないから、2)健康維持のため、3)肉の製造過程でおきる環境問題を軽減したいから、などが代表的なものとして挙げられます。また、最近ではCOVID-19のように動物由来の感染症の恐れから、ヴィーガンへの関心が高まっているとも言われています。

食生活としてのヴィーガンに限らず、より広い視野のライフスタイルとしてヴィーガンを取り入れている人々もいます。それは日常生活において、「動物を搾取することなく生きる」ことを意味します。毎日使う化粧品もそのライフスタイルの大きな一部です。

ヴィーガン化粧品の定義

そもそもヴィーガン化粧品の定義とはどんなものなのでしょう?ヴィーガン認証を行うアメリカの非営利団体Vegan Action(ヴィーガン・アクション)によると、ヴィーガン化粧品とは主にこのような条件をクリアしているものを指します:

・動物由来成分を使用していない

・製造過程において、動物実験を行なっていない

・動物由来のGMO(遺伝子組換え作物)を使用していない

ちなみに「クリーエルティーフリー」という言葉も同じトピックで語られることがありますが、ヴィーガンと同じではありません。クルーエルティーフリー(動物実験を行なっていない)製品であっても、動物由来の成分で製造されている化粧品は多いのです。

たとえば、オンドリのとさかから抽出される「ヒアルロン酸」や、サメの肝臓から抽出される「スクアレン」などは、美容成分として需要が高く、多くの化粧品に配合されています。製造過程において、動物実験を行なっていなかったとしても、これらの製品はヴィーガンとは呼べません。

米国でヴィーガン美容ブランドが増えている

アメリカの化粧品小売大手のULTA(アルタ)は専門家とタッグを組み、Conscious Beauty(コンシャス・ビューティー)プログラムを立ち上げました。このプログラムでは、クリーンビューティーなどを含む5つの項目に明確な基準を設け、その基準に沿った化粧品を消費者へ推奨しています。この大きな柱のひとつとして「ヴィーガン」も設けられています。現在ULTAで販売されているヴィーガンブランドはおよそ70ブランドに上ります。2

良質な口紅を追い求めてつくられたAxiology(アクシオロジー)や、TikTokでZ世代を中心に絶大な人気を誇るリップグロスブランドのPink Salad(ピンク・サラダ)はどれもここ数年に誕生した若いヴィーガン美容ブランドです。

多くの新ブランドが立ち上がる一方で、古くからある大手ブランドも、近年ヴィーガンを名乗るようになりました。たとえば、老舗の化粧品ブランドAVEDA(アヴェダ)は2021年に入って、100%ヴィーガンブランドに切り替えました。それまでネックとなっていた、ハチミツとビーズワックス(蜜蝋)の使用を廃止し、動物由来ではない代替成分で製造を開始したのです。

ヴィーガン化粧品は今後大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。海外進出において、注目しておきたいトレンドのひとつです。

 


参照元:

1 https://www.theguardian.com/environment/2021/jan/05/veganuary-record-number-people-pledge-eat-vegan-food-january

2 https://www.ulta.com/conscious-beauty/vegan-beauty/

 

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