ホーム ブログトップ 開催間近のオリンピック。開催地である「東京」を正しく認識できたアメリカ人はわずか40%?

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米国マーケティングトレンド研究会 2021.07.07

開催間近のオリンピック。開催地である「東京」を正しく認識できたアメリカ人はわずか40%?

最も人気のあるスポーツイベントであるオリンピック出場をかけて、アメリカでも選考会が進行している今、アメリカ人はオリンピックへの関心を新たにしていますが、調査によると、ここ数回の大会では、オリンピックへの関心は一貫して低下しています。

2020年は、アメリカ人にとって非常に目まぐるしい年でした。新型コロナウィルスの死亡者数が最も多い(当時)ことや、ジョージ・フロイド氏殺害事件後の社会不安、そしてもちろん、トランプ政権の終焉をもたらした大統領選挙のことなどで頭がいっぱいでした。2021年の今も、多くのアメリカ人は、「普通」の生活を再開すること、そして、本当に安全になるまで新型コロナウィルスに対する適切な制限を行うことに気を取られています。

若年層のオリンピック離れが深刻化。

2008年、オリンピックを見ている人の平均年齢は47歳でした。それが2012年には48歳になり、2016年にはさらにその年齢が高くなりました。[1]

オリンピックは、長年にわたって若者の注目を集めるのに苦労してきました。2016年の時点でも、ミレニアル世代は、親世代や年上の友人ほどはオリンピック観戦に興味を持っていませんでした。この問題に対処するため、2020年には野球やスケートボードのような新しいスポーツが追加されました。プロスケーターであり、インターネット上で愛されているトニー・ホーク氏によると、オリンピックには「クール」な要素がないため、若者の視聴率が下がっているとのことです。[2] 前回の2016年大会だけをみても、ミレニアル世代とZ世代の視聴率は30%も低下しました。

しかし、このような人気の下落にもかかわらず、最近の調査では、ほとんどのアメリカ人がオリンピックを観戦するつもりでいることがわかっています。最も見たいと思われているスポーツは、体操、水泳、野球・ソフトボールで、2021年3月に実施された調査では、61%の人が競技の一部を見たいと答えていますが、競技への理解度は低いようです。開催地である「東京」を正しく認識できたのは40%、この夏に開催されることを知っていたのは36%でした。[3]

見たいと思って観戦する人の数は、年齢とともに減少しています。18-34歳の若者のうち、今年のオリンピックを見ようと思っている人は42%。また、同年代の半数以上の人が、新型コロナウィルスの脅威がなくなるまで大会を再延期してほしいと回答しています。

生で見るオリンピックの魅力は失われつつある。

Z世代の2021年のオリンピック観戦意向は、2016年から4%減の32%となりました。ミレニアル世代では、2016年に50%が観戦意向を示したのに対し、2021年には42%しか観戦意向を示していません。[4]

オリンピックに関する調査で最も示唆に富んでいるのは、オリンピックを見る場所についての調査だと思われます。

2021年と、前回の平昌冬季オリンピックが開催された2018年とを比較すると、視聴習慣は明らかに変化しています。2018年には調査対象者の83%がオリンピックをテレビの生放送で見る予定と回答しましたが、2021年には63%に減少しています。2018年と比較して視聴率の増加が見込まれる場所は、ソーシャルメディアへの投稿(27%→31%)、スマホやタブレットなどのパーソナルデバイスでのストリーミング(26%→36%)、違法なオンラインストリーミング(9%→14%)です。

これらの視聴習慣は、オリンピックに限ったことではありません。このような視聴スタイルは、アメリカのスポーツ界全体で普及しつつあり、ユーチューブやフェイスブックなどの動画共有サイトでオンデマンドの動画が見られるようになった今、スポーツの生中継の興奮だけでは人々を惹きつけることはできなくなっています。

アメリカ人のオリンピック視聴についてのまとめ

視聴率は下がっているにもかかわらず、オリンピックを意図的に観戦する予定の人の割合は増えているようです。過去何十年もの間、ほとんどの人はテレビの生放送でオリンピックを見てきましたが、それは受動的なものでした。昔はバーやレストラン、待合室、自宅のテレビでさえもオリンピックの生放送を流していたため、自分もオリンピックをテレビで見る、と言いやすい状況だったのです。

加えて、オリンピックは他のスポーツの流れに乗っているだけと言えます。ライブ放送はかつてのような価値を持っておらず、今では、3時間の生放送をテレビで見るよりも、3分間のハイライトリールを見るために翌日まで待つ方がずっと簡単なのです。

今後、若者の注目を集めるためには、バイラルなパフォーマンスを生み出すことや、観客を何らかの形で巻き込むことに注力する必要がありそうです。そうしないと、生放送の視聴率は下がり続け、若者の注目度も下がってしまうことになるでしょう。



参照元:

[1] https://newrepublic.com/article/136096/olympics-lost-millennials

[2] https://www.businessinsider.com/tony-hawk-olympics-needs-youth-cool-factor-of-skateboarding-2019-8

[3] https://morningconsult.com/2021/03/30/tokyo-olympics-viewership-interest-pandemic/

[4] https://www.ypulse.com/article/2021/06/10/this-is-how-many-gen-z-millennials-say-theyll-watch-the-olympics-this-summer/

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