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ブラックフライデー VS サイバーマンデーとは?
アメリカで11月の第4木曜は、感謝祭(サンクスギビング)と呼ばれ、一年に一度、家族や親戚が集まってお祝いをする、日本でいえばお正月のような気分の日となります。
ブラックフライデーとは、その翌日(金曜日)に仕掛けられた、一大セールのことです。
アメリカの多くのアウトレットや大型ショッピングモールでは、サンクスギビングからブラックフライデーにかけ、24時間オープンしている店も多くみられます。買い物客は「一年で一番お得な買い物ができる日」「クリスマスギフトを購入する日」とあって、朝早くから長蛇の列を作って開店を待っています。
しかし、商魂たくましい人々は、ブラックフライデーに続けとばかり、新しいショッピングの機会をつくりました。それがサイバーマンデーです。ブラックフライデーの後の最初の月曜日には、各小売店やブランドがオンラインにて、一斉に大幅値下げを行います。
今年のサイバーマンデーは、アメリカオンライン売上高で見た過去最大のオンラインショッピングデーとなりました。※お店に人が押し寄せため、入場制限がかけられ、お店に入るために列に並ぶ買い物客
「最悪な金曜日」から「黒字に転じる日」へ?
元々の「ブラックフライデー」名前の由来は、多くの買い物客がセールを目当てにお店に訪れた為、事故や暴力事件が起こったことから、フィラデルフィアの警察が「最悪な金曜日」または「真っ暗な金曜日」と呼んだのが始まりです。この言葉を反映するように、アメリカでは実際にこの10年で、死者が10人、けが人が111人以上出るほどの大騒ぎになっています。
しかし、1980年代前半に、フィラデルフィアの新聞社がこの「ブラック」という意味をポジティブな意味として捉えようと、「小売業者が儲かり黒字になる」「どんなに売れない店舗でも黒字になる」という解釈を発表して、それが人々に受け入れられるとようになりました。
もはやブラックフライデーではない、ブラックノーベンバーにとって代わられる?
これまでブラックフライデーは、一年に1日限りの大セールとして行われてきましたが、今年は昨年までの流れとは異なりました。各小売店はブラックフライデーを前に、早いお店では11/1 からセールを始めるというようなフライングの状況でした。
私も、一週間前に近くのモールに下見に行ってみましたが、既に多くのお店ではセールがスタートしており、ブラックフライデーを待たずとも、大幅な値下げに惹きつけられた多くのショッパーで溢れかえっていました。
数値的に見ても、*11月1日から22日のオンラインセールスのトータルは304億ドル以上(1ドル110円換算: 3.34兆円以上)となり、前年の同日対比の18パーセント上昇した結果となりました。
賢い消費者は、セールが始まっていることを察知し、良いものを買い逃すまいと、11月前半には行動を開始しました。ブラックフライデーはどんどん前倒しになり、もはや1日限りのビックイベントではなく、”Black November” や”Black Friday week”といったシーズンイベントになっていくと予想できます。
ブラックフライデーもモバイル化へ
今年のサンクスギビングとブラックフライデー両日のオンラインの売上高は、昨年より17.9パーセント上昇し、79億ドル(1ドル110円換算: 8,690億円)となりました。さらに、端末別のセールスにおいては、予想されていた通り、モバイルの成長が見られました。48パーセントの買い物客は、商品をモバイルから注文し、ついに、PCからの注文(46パーセント)を上回る結果となりました。
実際、私もブラックフライデーに店舗で買い物をしていたところ、気に入った洋服の在庫がありませんでした。店員に在庫確認をお願いしたところ、オンラインならまだあるかもしれないとのことで、その場で、スマホよりウェブサイトにアクセスし、即座に注文しました。
また、レジを待っている際、友達からスマホに送られてきたお得なセールサイトを通して、買い物をしました。情報が素早く共有され、どこにいても手軽に商品を注文でき、レジを待つ煩わしい時間の解消にもなり、大きな利点を感じました。アメリカでは、オンラインサイトだけではなく、モバイルサイトを強化していくことが、今後の鍵となりそうです。
ブラックフライデーとはいえ、セールしなかった商品も売れた?
このようなブラックフライデーの波に影響されず、セールがなくとも売り上げトップを獲得した商品がありました。それは、我ら日本を代表する製品の一つ「Nintendo Switch」です。
米国の大型百貨店のTargetでは、「Nintendo Switch」をセール対象商品にしなかったものの、サンクスギビングに最も売れた商品の一つだと伝えています。また、サンクスギビングの当日に$55ドル(1ドル110円換算: 6,050円)のディスカウントがあったXbox Oneと並んでトップセールスを獲得しました。
また、オンラインでのショッピンングにおいては、サンクスギビング、ブラックフライデー、サイバーマンデー、全日において、すべてのカテーゴリーの中で、売上トップを獲得しました。
今年の「サイバーマンデー」は、歴史的なオンライショッピングデーとなった
今年のサイバーマンデーの売上高は、1日のオンライン売上高、過去最大の66億ドル(1ドル110円換算: 7,260億円)に達し、アメリカの歴史の中で、過去最大のオンラインショッピングデーとなりました。昨年と比較してみても、17パーセント以上の飛躍的な売上伸長率を記録しています。
やはり、サイバーマンデーについても、モバイルからの購入がセールスを牽引する結果となったとされています。モバイルからのセールは30%に及ぶ19億ドル(1ドル110円換算: 2,180億円)にまで及んだと言われています。
アメリカの大人気ブランドJ. Crew’sでは、正午12時頃、アクセスが集中しすぎたため、サーバーがダウンしてしまい、セールの時間を午後3時まで延長することにしました。ランチブレイクを使って買い物をする人が、殺到したのではないでしょうか。
仕事も学校もある平日、ましてや連休明けの忙しい月曜日に、アメリカでは過去最大のオンラインショッピングが行なわれたのです。いかに、隙間の時間を使って、モバイルでクイックに買い物されたのかがわかりますね。
今後は、ますますモバイルからの売上が伸び、アメリカの商戦期の鍵はモバイル対応になるのではないでしょうか。私たちのクライアントも、このサイバーマンデーの恩恵を受けたとの嬉しい報せをいただきました。
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参考記事
Business Insider: Americans spent a record $6.6 billion on Cyber Monday — here’s what they bought
Business Insider: Cyber Monday is the most anticipated holiday shopping event
Market Insider: The Nintendo Switch was the hottest product on Black Friday and Cyber Monday — and it wasn’t even on sale
Adobe: Adobe Data Shows Cyber Monday Is Largest Online Sales Day in History with $6.59 Billion
The balance: Why Is Black Friday Called Black Friday?
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