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米国マーケティングトレンド研究会 2022.02.22

【TikTokブランディング成功事例】デュオリンゴのマスコットキャラクターが席巻!

Duolingo(デュオリンゴ)は、TikTok(ティックトック)を使用したブランディングで大きな成功を収めた言語学習サイトおよびアプリです。マスコットキャラクターであるDuo(デュオ)は、口コミでの人気拡散とプラットフォームへの新規顧客の流入を促しました。彼らの成功の鍵は、コンテンツのエンターテイメント性を重視したことにあります。

はじめに。

日本には、特有のマスコット文化がありますが、アメリカでは、マスコットは子供っぽい、ばかばかしいというイメージがあります。そのため、大人向けのブランドがマーケティングにマスコットを取り入れる場合、それなりの方法で計画的に行わなければ相手にされることはありませんでした。しかし、TikTokのような新しいプラットフォームが登場した今、大人が子供っぽさを感じず、ストーリーに夢中になれるため、マスコットに対するイメージも変わりつつあります。

この「大人がバカを楽しむ」というトレンドに乗った企業の一つが、語学学習ソフトのデュオリンゴです。

デュオリンゴの概要。

デュオリンゴは世界中で展開されている語学学習サイト、アプリです。学習プロセスをゲーム化し、レッスンを完了すると経験値が加算され、ユーザー同士が競い合うことができます。また、言語学習者が言語に関する質問をし、回答を得ることができる掲示板も用意されています。この記事を書いている時点で、デュオリンゴは世界で最も人気のある言語学習サイトの一つとなっています。

2020年の報告書によれば、ユーザーの利用動機のほとんどが学校関係です。このことから、デュオリンゴのメインユーザーの多くは、かなり若い世代であることが推測できます。

デュオリンゴのTikTok戦略は、マスコットキャラクターであるデュオにフォーカスして進化してきた

デュオリンゴの公式アカウントで公開されている初期のTikTokを見てみると、ごく普通のものに見えます。さまざまな言語のネイティブスピーカーが、学生が授業や宿題で使える便利なフレーズの基本的なレッスンをしているのです。

しかし、2021年5月頃から、大きなトーンシフトが起こります。デュオリンゴのソーシャルメディアチームは初めて、言語コンテンツに焦点を当てるのではなく、TikTokの一般的なトレンドに乗った動画を作ったのです。さらに、ネイティブスピーカーが教えることに焦点を当てるのではなく、会社のマスコットである大きな緑のフクロウ、デュオに焦点を当てたのです。

最初に流行したのは、デュオリンゴのマスコットキャラクターに見守られながら仕事をする女性の15秒足らずのシンプルな映像でした。この動画の音声は、「こんな状況で、どうやって生き、笑い、愛せというのだ」というもので、簡単に言えば、「こんなんじゃ集中できないよ!」ということをコミカルに表現しています。この動画は300万回以上の再生回数を獲得しました。

@duolingo

This is an SOS #DuolingoEmployee #owltok #livelaughlove #helpme #imscared

♬ original sound – k a r l

 

この動画を投稿してから1カ月で、デュオリンゴのTikTokのフォロワーは約7,000人から80万人以上に増加しました。

画像:ソーシャルメディア・トラッキングサイトSocialBlade.comによると、デュオリンゴのフォロワーは2021年10月中に急増。マスコットに焦点を当てた戦略は、9月30日に開始されている。

この記事を書いている時点で、デュオリンゴのTikTokは、おバカな動画や流行のサウンド、そしてマスコットであるデュオが様々な遊びのシチュエーションに参加するものになっており、この新しい戦略に対して、ユーザーがポジティブな反応を示していることは明らかです。

既存のインターネットイメージに寄り添ったデュオリンゴのキャラクター

デュオが愚かで、むちゃくちゃな性格をしているというアイデアは、マーケティングチームが作り出したものではありません。2012年の創業以来、インターネット上では、デュオとデュオリンゴというアプリについて、多くのジョークが飛び交ってきました。

ユーザーが毎日言語を練習することが目的であるため、デュオリンゴアプリは毎日何度も通知を送信します。そのためこの通知は、時々、デュオがユーザーを監視し、練習しないことに罪悪感を抱かせているのではないかというジョークが存在します。ネットユーザーが、フクロウのデュオは、ユーザーが継続して練習していることを確認するために、そのうち暴力に訴えるだろう、と冗談を言うこともありました。

このように、デュオリンゴのユーザーは、自分たちのオンラインコミュニティにデュオの個性を作り上げました。彼らのデュオは、少し攻撃的で、お茶目で、時にはルールを破ることも厭いません。しかし、2021年にデュオリンゴのTikTok戦略が転換されるまで、この個性は完全にファンメイドのコンセプトでした。

デュオリンゴのマーケティングチームは、それまでに伝えてきた、ブランド目線のひとりよがりなメッセージを止め、デュオリンゴファンがまさに求めているもの、つまりおかしな状況に陥り、インターネットのミームとしての地位を確立しているデュオというマスコットに焦点を当てました。

教訓:TikTokでは、メッセージよりもエンターテイメント性が重要である。

TikTokでのブランディングの成功は、これまでのどのソーシャルメディアプラットフォームでのブランディングとも異なります。アプリ上のTikTokユーザーにとっての価値は、自分を楽しませてくれるものだからです。これは、TikTokのユーザーを対象とした複数の調査でも証明されており、ユーザーはこのアプリで「幸せ」を感じ、主に笑ったり、気分が良くなったりするようなビデオを見るために、このプラットフォームを利用していると回答しています。

デュオリンゴは、ブランドをエンターテインメントとして感じてもらう手法に変え、フォロワーとユーザーを急増させました。デュオリンゴのマーケティングチームは、言語上達の目標はユーザーにとって二の次であることに気づきました。ユーザーがデュオリンゴを利用したいと思った一番の理由は、楽しむことだったのです。

デュオのくだらないハチャメチャさに焦点を当てることで、デュオリンゴはかつてないほど多くの登録者を獲得しました。現在、TikTokには300万人以上のフォロワーがおり、彼らがアップロードするビデオはほとんどバズっています。

もしTikTokに参入して成功を収めようとするなら、そのブランドのマーケティングチームは、ブランドメッセージは二の次にして、エンターテイメント性をアカウントの中心に据える必要があるでしょう。

米国マーケティングトレンド研究会2021.09.06

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