ホーム ブログトップ アメリカ内で50店舗拡大予定のコンビニ「Foxtrot Market」。ほかのコンビニとは全く違う、その魅力とは?

ブログ

米国マーケティングトレンド研究会 2021.07.30

アメリカ内で50店舗拡大予定のコンビニ「Foxtrot Market」。ほかのコンビニとは全く違う、その魅力とは?

日本ではお馴染みのコンビニエンスストア。アメリカにもコンビニエンスストアはありますが、日本とは販売する商品やターゲット層も全く異なります。そんな中、アメリカの大都市、シカゴ発祥の新しいタイプのコンビニエンスストアが注目されています。一体どのようなコンビニエンスストアなのでしょうか。

アメリカと日本のコンビニエンスストア、どう違うのか?

種類豊富なお弁当や飲料、お菓子、そして日常用品も全て必要なものは揃っている日本のコンビニ。都市部では徒歩圏内にあるという便利さも日本のコンビニならではでしょう。それでは、車社会であるアメリカのコンビニはどうでしょうか。

アメリカのコンビニはガソリンスタンドと隣接していることが多く、ガソリン料金を払うついでや、遠出する際にお手洗いを使用する目的で立ち寄ることがほとんどです。商品もガムやチップスなどのお菓子と炭酸、コーヒーなどの飲料が多く、日常生活で好んでコンビニに立ち寄るアメリカ人消費者は少ないでしょう。

しかし、特に良い印象を持たれていなかったアメリカのコンビニに、今までのイメージを覆す新しいタイプのコンビニが展開されはじめ、近年注目されています。

アメリカで注目を集めている新タイプのコンビニ:「Foxtrot Market」

アメリカでニューヨーク、ロスアンゼルスに次ぐ、人口第三位の大都市シカゴ。食の流通の中心とも言われているこの都市から発展し、人気を集めているのが、「Foxtrot Market(フォックストロット・マーケット)」というコンビニエンスストアです。「Foxtrot Market」の最大の特徴は、コンビニ(実店舗)とデリバリーサービスを両立していることです。

「Foxtrot Market」は、もともと2013年にシカゴ大学の生徒であった設立者が、同じ大学の生徒たちをターゲットに、ビールやワインなどの「アルコール飲料専門デリバリーアプリ」を開発したことから始まりました。それ以来、2015年に最初の実店舗をオープンしてからも、デリバリーサービスは「Foxtrot Market」の軸であり、ウェブサイトから注文すると1時間以内で商品がデリバリーされるため人気があります。

「Foxtrot Market」の設立者でもありCEOでもあるマイク氏によれば、現在、Eコマースと実店舗からの売買の比率はほぼ5:5。ほとんどの顧客がEコマースと実店舗を両方利用しており、「オンライン顧客とリテール顧客というような区別は全くない」と話しています[1]

(Foxtrot MarketのEコマースサイトから:「日常用品、1時間以内にお届けします」とのメッセージが書かれている)

ほかにもある「Foxtrot Market」が人気を集めている理由

「Foxtrot Market」の特徴は、コンビニとデリバリーサービスを融合していることだけではありません。ミレ二アル世代とZ世代をターゲットにしたお洒落な店内にはカフェも備わり、選りすぐりの良質な商品のみを取り扱っていることでも人気を博しています。

従来のアメリカのコンビニは、一般家庭ブランドの商品が並べられていて、買い物が済んだらすぐに出るところだと認識されています。しかし、「Foxtrot Market」は、顧客データをもとに、顧客の好みやライフスタイルにあった品質の良い、ローカルな商品のみを並べており、棚の商品も随時更新されています。また、コンビニという小さいスペースを活かし、「品種類が少ないがローカルのお気に入りのみを取り扱っている」ということをアピールすることで、ほかの大手スーパーと差別化も図っているのです。

それだけでなく、店内はお洒落でシンプルなインテリアを基調にカフェスペースも作られているため、購入したサンドウィッチやコーヒーなど飲食をしながら勉強や仕事をしたり、友達と会話を楽しんだりすることもできます。こういった点がほかのコンビニやスーパーとの違いでり、人気の理由でしょう。

最新ニュース:「Foxtrot Market」が規模を拡大すると発表

現在、シカゴ、ワシントンD.C.とダラスの3都市に15店舗展開されている「Foxtrot Market」ですが、今月、二年にかけて新たに50店舗をオープンするとの発表がありました。ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、オースティン、マイアミ、ヒューストンと、都市部を中心に拡大していくとのことです。

顧客のために選出された品揃えに、デリバリーサービスや店舗内にカフェがあるなど、新しいタイプのコンビニを生み出した「Foxtrot Market」。これから進出する予定の都市には、すでに流行の最先端の小売店やカフェがたくさん集まっています。そんな中で「Foxtrot Market」がどのようにしてほかの店舗と差別化を図っていくのかも注目したいですね。

 


参照元:

[1] https://www.forbes.com/sites/shaynaharris/2021/07/20/foxtrot-announces-new-geographies-and-larger-stores-expands-private-label-line/?sh=16e0b0a463d6

プロジェクトのご相談やご依頼につきましては、以下のフォームに必須項目をご入力ください。
24時間以内に回答いたします。

お問い合わせ
前の記事
日本のヘッドスパで頭皮ケア

前の記事 米国マーケティングトレンド 日本のヘッドスパで頭皮ケア

次の記事

次の記事 米国マーケティングトレンド ソーシャルメディア・マーケティングでピンタレストを活用する。アイディアピンで買い物をしやすくするピンタレストの最新機能

ソーシャルメディア・マーケティングでピンタレストを活用する。アイディアピンで買い物をしやすくするピンタレストの最新機能

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

“米国マーケティングトレンド研究会”
最新の記事

New
見どころ満載!ファンにはうれしいアニメイベント「アニメエキスポ チビ 2024」開催!2024
詳細を見る
まだ間に合う!ホリデーシーズンに向けてキャンペーンの準備はできてる?
詳細を見る
アメリカの麺類: すっかり人気のラーメンに続く進化系麺料理は?
詳細を見る

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

トップに
戻る