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新型コロナウィルスの大流行は、アメリカ人をより身近な食品ブランドの購入に駆り立てました。特に、このパンデミック下では、短時間で調理できるものや、保存がきく食品の販売が人気となりました。そのため、スナック食品の売上は大幅に伸びており、PepsiCo(ペプシコ)が所有するFrito-Lay(フリトレー)社は、最初のロックダウンから30日後に2つのEコマースサイトを立ち上げることで、新型コロナウィルスによる環境の変化を素早く活用することができました。
パンデミックが始まって以来、アメリカではスナック菓子の売上が増加しています。これまで米国では、消費者の健康志向が高まるにつれ、人々はフリトレーのような従来のスナック食品ブランドから、より健康的で、間食習慣を維持しながら健康的な気分を味わえるような新しいスナック食品へと移行しつつありました。しかし、新型コロナウィルスとその後のロックダウンが、全国の家庭に大規模な購買パニックを引き起こし、多くの消費者が馴染みのあるブランドや、ポテトチップスやクッキーなどのスナック菓子などの食べ慣れた食品を購入するようになりました。
しかし、パンデミック下のスナックの購買には問題がありました。コロナ以前は、多くの人がスナック菓子を「衝動買い」として購入していました。食料品リストを持っている人が、通路を歩いている間に追加のスナックやおいしい飲み物を衝動買いしてしまう、という具合です。しかし、パンデミックの影響で、人々はお金の使い方に慎重になり、節約するために自分のリストに以前よりも忠実に買い物をするため、「衝動買い」への意欲が減退する可能性があります。そのためには、「衝動買い」ではなく「計画的に買う」ことができるような、簡単で手に入りやすい方法でスナック菓子を人々に届ける手法を見つけることが必要になります。1
ペプシコの一部であるフリトレーは、パンデミック以前から社内でDtoCのeコマースプラットフォームの立ち上げについて検討していましたが、新型コロナウィルスのロックダウンが発令された後、2つのeコマースプラットフォームを1ヶ月足らずで立ち上げました。コンビニエンスストアにフリトレー製品を供給するためのB2Bの eコマースサイトはすでに存在していましたが、DtoCのサイトはまだ検討段階でした。パンデミックの影響で、同社はSnacks.comとPantryShop.comという2つの異なるウェブサイトでコンセプトから立ち上げまでを30日以内に行うことになりました。
画像: Frito-Lay 社のDtoCサイト:Snacks.com
Snacks.comはその名の通り、「様々な象徴的なブランドから100種類以上のお気に入りのフリトレー製品を購入することができ2、注文されたスナックが直接顧客の家に届けられるようになっています。掲載商品は、ローンチ後まもなく250種類にまで拡大しました。当初、Snacks.comでは、15ドル以上のスナックを購入した人には送料が無料になるというプロモーションも行っていました。
画像:Pantry.comのいろいろなボックスのカテゴリ
PantryShop.comという別のスナックサービスサイトでは、詰め合わせボックスやミールキットを取り扱っています。前述したSnacks.com では、顧客がスナックを選択して個別に注文することができますが、PantryShop.com は、ボックスセットとして製品を販売しています。顧客に健康的なスナックを提供する他のボックス配信サービスのように、フリトレーの商品の中でもより健康的なスナックをセットにして、ポテトチップス等フリトレーの一般的なスナックの代替品として販売しています。カテゴリーは、「ライズ&シャインキット」(朝食を中心とした食品)、「プロテインキット」、「ワークアウト&リカバリーキット」、そして「パントリーキット」(オートミール、パン、健康的なスナックなどの必需品のセット)などに分けられており、それぞれに特定の意図を持って作られ、名前が付けられています。3消費者に好感を持ってもらうために、PantryShopはまた、新型コロナウィルス下の必要不可欠なサービス関係者に感謝するために、様々な病院の救急室にこういったボックスセットを寄付しています。
これらのサイトはどちらもパンデミックが発生する前から計画されていたこともあり、わずか30 日以内に実現しました。もちろん、フリトレーは、さらに大きなペプシコが所有する巨大企業であるため、eコマースへのこの大きな変化に対応することができたという側面もあります。しかし、中小企業でリソースが少ない企業であっても、成功する方法を見つけています。この話から得られるものは、Eコマースは日々成長しており、新型コロナウィルス下の世界の物理的な制約を生き抜くためには不可欠な方法であるということ、また、食料品店の行列に並んで衝動的に購入することが収益の大部分を占めるビジネスであっても、フリトレーはスナック菓子を購入したいという顧客の欲求をオンライン販売に結びつけ、顧客はそれに快く応じてくれたということです。
ここから得られる教訓は、世界が元に戻らない限り、販売方法を転換することが今まで以上に生き残りの鍵となるということです。eコマースを選択肢の一つとして検討するのに遅すぎるということはなく、パンデミックの間ビジネスが持続可能ではないかもしれないからといって、eコマース進出を取りやめるべきだということではありません。顧客に商品との出会いの機会を与え、製品への愛を思い出してもらい、ビジネスチャンスをつかみましょう。
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