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訪日外国人観光客に向けて情報発信しているが、全く集客の効果が出ていない。こういった状況に陥っている企業様や地方自治体の方が近年多く見られます。配信しているコンテンツが悪いのか、そもそも商品やサービス、観光資源そのものが彼らにとって魅力的ではないのか、いろいろと憶測が飛び交うかもしれません。しかし実際は、訪日する外国人観光客たちのほとんどが、日本企業や自治体が発信する情報やコンテンツを目にすることがなく終わってしまっているだけなのです。つまり多くが外国人観光客が訪日時に閲覧しないメディアチャネルにて、コンテンツを配信してしまっているのです。
彼らのカスタマージャーニーをしっかり理解しなければ、作成して発信している情報はいつまでも届くことがなく、結果集客に全くつながらない、効果的な集客施策には、彼らが「どこで」「なにを」「どんな時に」「どのように」日本の観光についての情報を調べているのかを深く理解していくことが大切になります。
今回はアメリカ人の観光客を例に、どのようなカスタマージャーなのか理解し、各タッチポイントごとに行うべき集客事例をお話しいたします。
アメリカ人観光客のカスタマージャーニーを知る
まずアメリカ人観光客が実際にどのように旅行の情報収集をするか見ていきましょう。
米国大手オンライントラベルエージェンシーのエクスペディアの2016年度のリサーチによると、まずアメリカ人観光客は予約日の平均44日前から旅の情報の収集を開始するといわれています。そしてその44日の間でいくつかリサーチ段階があるといわれており、各段階において情報収集をするリソースが異なってきます。
【リサーチはじめ段階】
まずリサーチの初期段階においては以下のような特徴があげられます。
- アメリカ人観光客全体の訳69%は最初に検索エンジンで旅行の情報収集を始める。
- 66%は友人や家族などからの口コミを参考に旅行の行き先を決めている。
- 11%はフェイスブックなどのSNSを参考にし、旅行の計画を立てている。
この段階では、旅の行先、アイディアなどを得るために多くはまずGoogleなどの検索エンジンから旅に関するキーワードを入力し検索するか、自身の友人からのお土産話やおススメの観光地の話などをうけ、行先候補を設定します。またその中でもSNS上から旅行先のインスパイアを受けることも少なくありません。
有効な集客タッチポイント
- Googleのリスティング広告
- 自社サイトでのコンテンツ配信(動画/写真/記事コンテンツなど)
- 自社サイトSEO強化
- SNS上でのコンテンツ配信(動画/写真/記事コンテンツなど)
- SNS上での広告
- インフルエンサーのコンテンツ配信
※インフルエンサーのコンテンツ事例に関しては「地方創生のヒント!YouTubeコンテンツ からみえる訪日外国人観光客のニーズとは?」をご確認ください。
【行き先候補リサーチ初期段階】
次に行先候補が決まった後には、以下のような傾向があるといわれています。
- 33%はエクスペディアなどのオンライントラベルエージェンシーのサイトで情報収集を開始する。
- 21%はトリップアドバイザーなどの旅行情報サイトから情報収集を行う。
当段階では、行先の国、場所の観光地やホテル等の施設を調べるために、オンライントラベルエージェント(OTA)や旅行情報サイトを多く閲覧しています。また彼らの間では、口コミ情報を最も有力な情報のひとつであり、口コミの良し悪しでその滞在先や、施設の良さを判断する傾向にあります。口コミ収集は自発的に増やせるわけではないので簡単ではありませんが、既存の顧客に対し口コミを執筆させるためのメールを送ったり、キャンペーンを行うのも一つの手です。
有効な集客タッチポイント
- エクスペディアなどのOTAの自社施設、店舗ページの運営、管理
- エクスペディアでの広告掲載
- トリップアドバイザーなどの旅行情報サイトでの自社施設、店舗ページの運営、管理
- トリップアドバイザーでの広告掲載
- OTAサイトや旅行情報サイトでの口コミ収集(既存の顧客に対して口コミを書くようにメールなどで促す)
【行き先候補リサーチ中期段階】
OTAや旅行情報サイトで周辺施設情報を得た後は、各施設のウェブサイトを調べ、施設の詳細情報をみる傾向があります。また行先の情報が当段階で出そろってくるため、フライト情報を航空会社のサイトやOTAサイトを通じ調べ始めるのもこの段階です。
有効な集客タッチポイント
- Googleのリスティング広告
- 自社サイト制作と多言語化対応
- 自社サイトでのコンテンツ配信
- 自社サイトSEO強化
- OTAサイトでのフライトチケットとのパッケージ化
【最終決定段階】
当段階においては、行き先と生きたい観光地、施設の候補がほぼ出そろっている段階になります。アメリカ人観光客は再度エクスペディアなどのOTAサイトやトリップアドバイザーなどの旅行情報サイトに戻り、ブッキングの準備を行います。また当段階においては、AIRBNBなどの民泊サイトも彼らがよく使うチャネルに入ってきます。
有効な集客タッチポイント
- エクスペディアなどのOTAの自社施設、店舗ページの運営、管理
- エクスペディアでの広告掲載
- トリップアドバイザーなどの旅行情報サイトでの自社施設、店舗ページの運営、管理
- トリップアドバイザーでの広告掲載
- OTAサイトや旅行情報サイトでの口コミ収集(既存の顧客に対して口コミを書くようにメールなどで促す)
各段階に応じて、集客施策や配信コンテンツ内容などを臨機応変に変化させていく必要性がある
アメリカ人観光客のカスタマージャーニーを深掘りした結果、各段階において有効な情報ソースは常に変化していきます。正確なタイミングで、正確な内容の情報やコンテンツを、効果的なチャネルで配信していくことは、インバウンド集客施策をより効果的なモノとしてくれます。
米国人のインサイトを深く理解することで、より効率的に施策を打っていくことが重要になってきます。
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