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トラッキングに使用されるcookies(クッキー)について深く考察し、クッキーとはどういったもので、どのように機能し、なぜ必要なのかを理解しましょう。アメリカでは、クッキーとトラッキングの透明性に関するポリシーが州によって異なります。カリフォルニア州は特に厳しいクッキーポリシーを持っており、企業は注意する必要があります。
クッキーの仕組みを理解できているでしょうか。また、なぜクッキーは効果的な広告ターゲティングに重要なのでしょうか。この記事では、クッキーの基本と、クッキーをめぐるアメリカの法律が日本とどのように異なるかについて説明します。また、クッキーに関するGoogle(グーグル)の新しい動きと、これが企業にどのような影響を与えるかについても言及します。
クッキーの仕組み。基本的な解説
クッキーは、インターネットを利用する上で避けては通れない重要な機能です。正式には「HTTP Cookies」と呼ばれていおり、インターネットを閲覧している間にユーザーのコンピュータに保存される小さなテキストファイルです。
クッキーにはさまざまな機能があります。例えば、ユーザーの閲覧状況を追跡したり、ユーザーのログイン情報を記憶したり、ウェブサイトの所有者にユーザーの訪問状況を把握させたりすることができます。[1]
クッキーは、個々のコンピューターを識別したり、ユーザーの閲覧履歴を追跡したりするために使用されます。これらの機能は便利であると同時に、プライバシーの侵害とみなされる場合もあります。
また、クッキーにはさまざまな種類があります。「First-party(ファーストパーティ)」クッキーとは、ウェブサイトの機能が正常に動作することを確認するために、ウェブサイトのサーバーが独自の目的で発行するものです。例えば、ユーザーがオンラインストアを訪れた場合、そのファーストパーティークッキーは、そのウェブサイト内だけでお客様を追跡することができます。これにより、ウェブサイトは、閲覧している商品に類似した商品を提案したり、ログイン状態を維持したり、割引コードを保存したりすることができるので、ユーザーにとって有益なものと言えます。
もうひとつの種類は、「third-party(サードパーティ)」クッキーです。これは、他のサイトのクッキーで、そのサイトに代わってユーザーのデータを収集します。これらを「トラッキング・クッキー」と呼ぶこともあります。例えば、簡単にシェアできる「Facebook(フェイスブック)にシェアする」ボタンが付いたコンテンツを掲載しているウェブサイトでは、そのウェブサイトがFacebookと通信している必要があります。つまり、Facebookは、自社のサードパーティークッキーをサイトに埋め込むことができ、そのデータを使って、後でターゲット広告を出すことができるのです。オンライン広告主は、これらのクッキーの情報を利用して、ユーザーを匿名でグループ化したり、ユーザーを直接特定したりします。[2]
アメリカにおけるクッキーポリシー。カリフォルニア州の厳格なクッキーポリシー
アメリカには、クッキーとデータプライバシーに関する公式な法律はありません。[3]しかし、連邦取引委員会(FTC)の規制や、インターネットのプライバシーに関する各州の法律があり、それらを遵守する必要があります。例えば、カリフォルニア州では、サイトがどのような情報を収集するかをユーザーに通知し、ユーザーが収集を拒否する機会を与えることが義務付けられています。これは、2018年に成立した「California Consumer Privacy Act(CCPA)」という最近の法律によるものです。
カリフォルニア州では、ユーザーがウェブサイトを開いたときに表示される専用の情報バナーの設置を、ウェブサイトに義務付けていません。それに代わり、唯一要求されるのは、ウェブサイトのページの下部のクッキー収集活動へのリンクです。唯一の要件は、ユーザーが自分からどのようなデータが収集されているかを確認できることと、その収集を拒否できることです。
もう一つの重要な注意点は、サイトを運営するために必要なクッキーは開示する必要がないということです。ウェブサイトの機能に不可欠なファーストパーティまたはサードパーティのクッキーは、開示が必要です。 [4]
この法律を遵守するには「クッキーウォール」だけでは不十分です。クッキーウォールとは、「このウェブサイトを継続して使用することで、当社のクッキー使用に同意したことになります」といった内容の単純なポップアップウィンドウやバナーのことです。CCPAは、ウェブサイトが収集しているデータを正確に把握し、ユーザーが不要なクッキーの収集を拒否する機会を提供しなければならないとしています。
クッキー・ポリシー、今後のビジネスへの影響は?
カリフォルニア州の人々は、サイトに対して、自分のデータの削除と販売停止を求める権利があるにもかかわらず、多くのユーザーがこの権利を行使していません。ある調査によると、データに関する権利を行使しているカリフォルニア州民は、わずか1〜5%にすぎません。[5]
しかしこれは、ユーザーがオプトアウトをしたくないというよりも、オプトアウトできることを知らないことが原因である可能性が高そうです。実際、iOSユーザーは、Apple(アップル)社の新しいアップデートにより、アプリのトラッキング機能を無効にすることができるようになり、約62%のユーザーがこれを実行しています。[6]
もうひとつの大手企業であるGoogleは、Appleに続き、Chrome(クローム)ブラウザからサードパーティのクッキーを削除しています。Safari(サファリ)とFirefox(ファイアーフォックス)はすでにサードパーティのトラッキングをブロックしていますが、Googleもそれに追随しています。しかし、サードパーティのトラッキングクッキーの禁止時期を2023年に延期しました。これは、データに大きく依存して収益を上げている企業への懸念を理由としています。[7]
残念ながら、サードパーティのトラッキングクッキーに依存している企業は、ユーザーを追跡することがますます困難になると思われます。最善の方法は、自社サイトでファーストパーティのクッキーを使用し、それを利用して、自社サイトにアクセスすることに同意している顧客のデータを収集することです。
データのプライバシーに関心を持つ人が増えれば増えるほど、第三者によるデータ収集が必要であることや、良いことであるということを、企業がユーザーに納得させることは難しくなるでしょう。
最善の策は、必要かどうかにかかわらず、ユーザーからどのようなデータを収集しているかを正確に伝え続けることです。この段階では、透明性を通じてユーザーとの信頼関係を築くことが、今後の関係を築く上で重要になります。
参照元:
[1] What Are Cookies? And How They Work | Explained for Beginners
[2] ARCHIVED: What are cookies?
[3] Is there a cookie law in the us
[4] How the ccpa affects the cookie CCPA requires businesses to inform
[5] What are website cookies how do they impact internet data
[6] Apple’s ad privacy change impact shows the power it wields over other industries
[7] Google cookies ban delay floc tracking
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