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新しい市場に参入をする際、パッケージデザインはブランドにとって重要なファクターのひとつです。実際に消費者は、デザインの良し悪しで購入を決めることも多いのです。ターゲットが何を期待しているのかを理解することが、ブランド成功の鍵であり、ビジネスを成長させる礎といえます。このブログでは、食品パッケージデザインのトレンドについてお話をしていきたいと思います。
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ブランディングとパッケージデザイン。
そもそもブランディングとは、企業の使命や信念に基づいたブランドストーリーやロゴ、デザインなどの要素を組み合わせ、さまざまなマーケティング・チャネルを通じて、企業やその製品、ブランドに対する強くポジティブなイメージを顧客の心に植え付けることです。ブランディングを効果的に行うことで、企業は競合他社との差別化を図り、ロイヤリティの高い顧客基盤を築くことができます。なかでもパッケージデザインは重要な役割を果たします。人目を惹きつけ認識してもらいやすい容器をデザインすることで、興味を持ってもらうこと、覚えてもらうことができるからです。
また、海外で販売する場合、パッケージトレンドがどのように変化してきているのかを調査することも重要です。果たしてどのようなデザインが、今を生きる顧客層にアピールできるのでしょうか。今回は、アメリカにおけるパッケージトレンドと、アメリカ人がパッケージを選択する際の隠された心理をご紹介します。
パッケージデザインの心理学。
ターゲットの心理を理解することは、パッケージデザインする最初の一歩となります。ましてや、自分とは異なる文化圏のターゲットに向けてパッケージをデザインする場合は、色がもつ意味、フォントからの連想、一般的な形状、リサイクルや廃棄が可能な素材かどうか、などについて深くリサーチすることが重要です。これらの要素は、競合製品と肩を並べ、仲良く棚に並んだ後、消費者の鋭いセンスによって取捨選択されるからです。読者の皆さまも、見慣れない商品を購入する際、パッケージ買いをした経験はありませんか?
ある研究では、魅力的なパッケージは、顧客が衝動買いをする大きな要因であることがわかりました[1]。例えば、色は、観客がその製品に抱く印象に大きな影響を与えます。健康食品を例にとると、白、緑、青といった色がよく使われます。これは清潔感や安定感を感じさせたいからに他なりません。男性に向けた製品には、力強さを強調するために、黒が多用されることもあるでしょう。
もうひとつ重要なのは、フォントです。フォントの違いによって与える印象は異なります。たとえば欧文のセリフ体のフォントには「優雅さ」や「しなやかさ」があり、代表的な例で言えば、Appleがブランドロゴとして使用しています。一方でサンセリフ体のフォントには「親しみやすさ」があり、同じAppleでも、iPhoneやiMac、MacBookに使用されています[2]。
このように、色やフォントが、ターゲット市場の中で人々にどのような印象を与えるのかということをマーケターは理解する必要があり、パッケージデザインを決定する際には、消費者調査にかけるべきだと言えるでしょう。
2023年のパッケージデザイントレンド。
アメリカにおける2023年のパッケージトレンドにはどのような傾向があるのでしょうか。ここ数年、大きな成功を収めている基本的なトレンドとポイントをいくつか紹介します。
1. マキシマリズム
近年ミニマリズムという言葉をよく耳にしますが、マキシマリズムはその逆です。デザインの分野においては、大胆で明るい色使い、大きなフォントなど、より創造性を感じる象徴的な外観を持っています。ミニマリズムのパッケージは通常、より高品質であると考えられてきましたが、2023年はミニマリズムの競合ブランドに差をつけるため、一部のブランドはマキシマリズムのデザインにシフトしています。
マキシマリズムなデザインを用いる際は、大胆なタイポグラフィ、補色をうまく表現した明るい色使い、さらには3D画像といったものを必ず盛り込むようにしましょう[3]。
2. 環境に配慮した素材
環境に配慮された製品を好む傾向は、ますます高まっています。特にZ世代とミレニアル世代は、CO2排出量を積極的に削減している企業のものを選んで購入する割合が非常に高くなっており、環境に優しいものにするためには、より多くのお金を払っても構わないと考えています。実際、Vogue Businessの記事によると、Z世代はサステナブルな製品に対して最大50%多く支払ってもかまわないと回答しています[4]。
たとえばプラスチックの代わりに、ガラスや木、あるいは金属などの持続可能な包装材を使用することも、検討してみてはいかがでしょうか。これらの素材で販売されている製品は、プラスチック容器と比較し、より高級品とみなされるため、商品に価値を与える素晴らしい方法といえるかもしれません。
3. レトロなパッケージ
日本でも“昭和レトロ”がブームとなっていますが、それはアメリカでも同様です。現在、50年代や60年代の古いブランディングデザインを思い起こさせるようなパッケージやリデザインが盛んに行われています。
これらのパッケージデザインのポイントは、よりテキストに重点を置き、特定のフォントを使用することです。特に長い歴史を持つブランドにとって強力な武器となるでしょう。レトロスタイルのパッケージデザインは、消費者に安心感を与え、古き良き時代を思い出させます。ターゲットのノスタルジーを呼び起こす最適な方法なのです[5]。
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食品パッケージにトレンドを取り入れた成功例「Sanaia(サナイア)」。
Sanaiaは、大人向けのアップルソースのブランドです。もともとアメリカでは、アップルソースは幼児や高齢者のためのスナックとしてしか認識されていないため、Sanaiaのターゲット設定は非常に興味深いことです。
普通の大人にとってアップルソースを食べる機会といえば、入院中や病気のときくらいという状況は、Sanaiaのパッケージをデザインしたスマッシュブランドにとって、大きな壁でした。アップルソースは味気ない子供の食べ物という世間のイメージを覆すために、スマッシュブランドはSanaiaのパッケージデザインに「エレガント」「健康」の要素を盛り込みました。
(参照:Smash Brand WEBsiteより)
店頭販売用には1杯1杯の味付けを強調するシンプルな白のパッケージデザインのものを、健康食品として販売するものは職人の手によって採取されたハチミツだということを思わせるガラス瓶のパッケージデザインを施しています。どちらも高級感を強調したエレガントなデザインです。そして何より、このパッケージには、先ほどあげた2023年のトレンド要素がたくさん盛り込まれています。フルーツのイメージの明るく大胆な色使いが、このブランドを魅力的に見せています。フォントはセリフ体で、この製品の信頼性と健康的な側面を伝えています。また、若いZ世代にもアピールするために、サステナブルなパッケージを使用し、環境に配慮したブランドであることをアピールしているのです。
このパッケージデザインによって、Sanaiaはアメリカの人気テレビ番組「シャーク・タンク」から資金を得ることができました。
まとめ:パッケージデザイン成功の鍵とは?
日本で受け入れられているパッケージデザインがアメリカでも成功するとは限りません。その国によってトレンドや好感をもって受け入れられるデザインが異なるからです。
私たちは毎日多くの製品を目にし、意識的にも無意識的にも何かを選択しています。だからこそ、その消費者インサイトを深く分析することが、製品の魅力をより効果的に伝えるパッケージデザインにつながるのだといえるでしょう。もちろん、そのインサイトに響くデザインを妥協することなく作ることができるチームを持つことも、重要なポイントであることは間違いのないことです。
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参照元
- https://www.crowdspring.com/blog/packaging-design-tips-psychology/
- https://design.tutsplus.com/articles/the-psychology-of-fonts--cms-34943
- https://www.glassnow.com/blog/packaging-design-trends-2023/
- https://pioneerphoenix.com/sustainable-packaging-is-the-key-to-younger-generations/
- ttps://www.smashbrand.com/articles/packaging-design-trends/
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