ホーム ブログトップ 【SNSマーケティング】今年のスーパーボウルで感じた、テレビCMを使ったSNSマーケティングについて

ブログ

米国マーケティングトレンド研究会 2021.02.17

【SNSマーケティング】今年のスーパーボウルで感じた、テレビCMを使ったSNSマーケティングについて

毎年、アメリカで盛大に行われるアメリカンフットボール(NFL)の決勝戦、「Super Bowl」(スーパーボウル)が今年も2月7日に開催されました。アメリカ全国にテレビ中継されるスーパーボウルは、試合はもちろん、試合の合間に放送されるテレビCMもその魅力の一端を担っています。­­­­主にブランドの認知向上や売上拡大を目的として取り組んでいるスーパーボウルのテレビCMですが、今年はSNSマーケティング戦略の一部として取り組んだ事例もありました。

企業がスーパーボウルの中継中にテレビCMを出す目的とは?

毎年アメリカで25%もの人たちが視聴していると言われているスーパーボウル[i]。一年に一度、全米最大のスポーツ祭典の中継中に流れるテレビCMは、企業が自社ブランドを紹介するチャンスであり、その費用は僅か30秒の枠で550万ドル以上にもおよびます[ii]

一般的に、アメリカ企業がこれほどの費用を使ってでもスーパーボウルにテレビCMを流す目的は、ブランドの認知向上と売上拡大の2つでした。しかし、SNSマーケティングが主流になったいま、今年は、企業のSNS上でのエンゲージメント向上を目的としたコマーシャルも数多く見られました。その一つの例が、Frito-Lay(フリトレー)社が出したCheetos(チートス)のテレビCMです。

今年も注目を集めたチートスのスーパーボウル用テレビCMとは?

アメリカの大手スナック菓子会社フリトレーの看板商品であるチートスは、毎年ユニークでユーモアのあるスーパーボウル用のテレビCMを出し、注目を集めてきました。そんなチートスが今年制作したテレビCMは、有名レゲエシンガーであるShaggyの2000年のヒット曲「It Wasn’t Me」に合わせ、夫が自分のチートスを盗んだ妻を責めるたびに、妻が「It Wasn’t Me」(私じゃない)と答えるという、チートスらしいコミカルな内容で、豪華出演者の顔ぶれと共に話題性が高いテレビCMとしてメディアにも取り上げられました。

 

Cheetosの公式YouTubeから:CheetosのスーパーボウルCM

このテレビCMが話題になったもう一つの理由として、スナップチャットとティックトックを使ったソーシャルメディアキャンペーンと、このテレビCMがうまく紐づけされていたことが挙げられます。

なんとテレビCM自体に仕掛けが!スナップチャット・ギブアウェイキャンペーン。

スーパーボウルの当日のみ行われたチートスのスナップチャットキャンペーン「Snap to Steal」(盗むためのスナップ)では、スナップチャットにしかない機能を使った新しい試みが行われました。それは、チートスのテレビCMをスナップチャットのカメラで撮影すると、チートスのマスコットキャラクター(CG)が現れ、テレビCMの劇中で出演者が持っているチートスを盗み、その結果、チートス1袋が当たるというものでした。

チートスは、このキャンペーンについての宣伝を、自身の公式TwitterとInstagramに投稿することで、実際に試してみたファンたちだけでなく、残念ながら機会を逃してしまったファンたちからも、コメントなどをもらい、エンゲージメントを高めることができました。

新しいトレンドを生み出す!テレビCMソングを使ったティックトックチャレンジ。

スーパーボウルがゲームを通して勝敗が決まるのに対し、そこで流れるテレビCMは、ゲーム終了後の話題性を競い合っていると言っても過言ではありません。たとえ短期的な売上の向上に繋がらなくとも、友人や家族との会話のなかで、またソーシャルメディアやトラディショナルメディアで、より話題にあがったテレビCMが成功したと言えるのです。

チートスは、スーパーボウルで流したテレビCMの話題性をさらに高めるため、ファンたちにテレビCMで流した曲を使って自分たちのオリジナルCMを制作し、ティックトックで共有するよう呼びかけました。このチャレンジは、放送後に瞬く間にファンたちから広まり、テレビCMソングのタイトルにちなんだ#ItWasntMeのハッシュタグが付けられたティックトックビデオの再生回数は27億回以上を記録しました。

(ティックトックから:チートスの#ItWasntMeチャレンジのページ)

チートスのスーパーボウルCMからみえる、今後のSNSキャンペーンの在り方とは。

チートスのスーパーボウルキャンペーンが、どれだけの売上に結びついたはまだ公式に発表になっていません。しかし、テレビCMとSNSを紐づけたことにより、今まで以上に注目を集め、ファンたちを楽しませることができたのは間違いありません。アメリカでSNSマーケティングが主流になっている今の時代、このチートスのスーパーボウルキャンペーンのように、SNSキャンペーンの一部としてテレビCMを企画し、エンゲージメントの向上を狙った事例が増えていくでしょう。

[i] https://www.hollywoodreporter.com/live-feed/super-bowl-tv-ratings-history-been-huge-1275466

[ii] https://sports.nbcsports.com/2021/02/07/super-bowl-commericals-2021-watch-and-preview/

プロジェクトのご相談やご依頼につきましては、以下のフォームに必須項目をご入力ください。
24時間以内に回答いたします。

お問い合わせ
前の記事
米国のスタートアップ企業に学ぶインスタ集客術

前の記事 米国マーケティングトレンド 米国のスタートアップ企業に学ぶインスタ集客術

次の記事

次の記事 米国マーケティングトレンド J-Beautyブログ:アメリカ人が芸者から学ぶ5つのスキンケアレッスン。

J-Beautyブログ:アメリカ人が芸者から学ぶ5つのスキンケアレッスン。

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

“米国マーケティングトレンド研究会”
最新の記事

New
DemureやFYPの意味は? アメリカのSNSで発信される新語を解説!
詳細を見る
New
アメリカで好調な「日本酒(sake)」。海外での人気の背景と今後の展望
詳細を見る
ロサンゼルスの流行発信地!オーガニックスーパー”Erewhon market”
詳細を見る

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

トップに
戻る