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Spotify Wrapped(日本語タグだと #Spotifyまとめ )は、今年自分がどんなジャンル・どんなアーティストの曲を聞いたのか、Spotifyがユーザーの好みを分析しハイライト形式でまとめてくれるというものです。これは、毎年12月の1ヶ月間に何百万、何千万ものソーシャルメディアへの投稿を生み出してきました。Spotify Wrappedがこれほどまでに強力なエンゲージメントを獲得できているのはなぜでしょうか?この記事では、今後のソーシャルメディアマーケティングやSNSブランディングキャンペーンに応用できる、Spotify Wrappedの重要なポイントについて解説します。
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Spotify Wrappedはもはや12月の風物詩!?
12月になると「Spotify Wrapped(#Spotifyまとめ)」のことがSNSに投稿されているのを目にすることはありませんか? Spotifyが提供するこのサービスの面白いところは、自分のトップソング100曲を集めたプレイリストが自動で生成されること、そしてこのプレイリストは自分で聞くだけではなく、Instagram、Facebook、Twitterなど、ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームで簡単に共有することができるところです。企画が開始されて以来、毎年、何百万人ものSpotifyユーザーがSpotify WrappedをSNSで共有しています。特定のフォーマットがミームになるほど、多くの人々の生活の中に深く入り込んでいるのです。
Spotify Wrappedのインパクトと、そこから見えるソーシャルメディア戦略に取り入れるべき大事な要素とはどんなものがあるのでしょうか。
Spotify Wrappedのはじまりと成功
Spotify Wrapped は、Spotifyによるバイラル マーケティングキャンペーンで、2016 年から毎年 12 月の初旬にリリースされています。Spotifyは、好みに合わせてプレイリストを作成できることを売りにしています。この興味深いキャンペーンの始まりは、2013年まで遡ります。Spotifyのマーケティングチームが、ユーザーとそのリスニング習慣に関する膨大なデータを収集する中で、このデータに興味がある人がいるのではないか、と考えたのです。そしてSpotify Wrappedの最初のバージョンは、実はYear in Reviewと呼ばれ、2015年に実際にリリースされました。ユーザーは過去1年間の自分のリスニング習慣を見ることができ、その結果を友人と共有することができました。この戦略により、Spotifyは100万件以上のソーシャルシェアを獲得しています[1]。
その後、Spotify Wrappedは大成功を収めました。最初のリリース以来、ユーザーは自分のリスニング習慣を見るために年末を待ち望んでおり、人気を集め続けています。2021年のデータでは、新型コロナウィルス感染症のパンデミックをきっかけに、前年比の伸びが爆発的に伸びたことが示されています。またSpotify Wrappedに関するツイートは、2020年から2021年にかけて461%も増加し、それらのTweetへのエンゲージメントも131%増加しました。この傾向は2022年にも続き、Tweetの量、エンゲージメント、インプレッション、ユニークオーサーは15~22%増加しました[2]。
ちなみに、2020年、Spotify Wrappedは9000万人以上のユーザーから6000万件以上のソーシャルシェアを獲得しました。この数字は過去3年間で大きく成長し、その勢いが衰える気配はありません。毎年Spotify Wrappedには、ユーザーのリスニング習慣に関するさまざまなデータが含まれています。どのアーティストを最もよく聴いたか、ということだけではありません。Spotify Wrappedには、ユーザーが最もよく音楽を聴く時間帯、平均的な1日の音楽の好みの変化、アーティストを何分聴いたか、などのデータが含まれています[3]。
この素晴らしいキャンペーンの制作者でさえ、人々がこれほど共有したがるとは想像していなかったでしょう。当初は、ユーザーにSpotifyをもっと頻繁に使ってもらうことを目的としスタートしたこのキャンペーンは、Spotifyにとって最高の認知キャンペーンとなりました。
Spotify Wrappedの特徴から考えるSNS戦略のヒント。
では、なぜSpotify Wrappedはこんなに人気があるのでしょうか?そしてSpotify Wrappedがなぜ単なるロイヤリティ・キャンペーンから、毎年恒例のポップカルチャー・イベントになるほど大きなインパクトを得るキャンペーンとなれたのでしょうか。
大きな理由の一つは“ただ楽しいから”です。一見簡単そうにも感じる、このシンプルな理由にこそ、SNS運用成功のヒントが隠されているのです、SNS戦略を構築するときに大切な3つのポイントを考えてみましょう。
1)パーソナライズされた経験。
Z世代のような若い消費者にとって、パーソナライズされた体験や個別化がいかに重要であるか、近年では様々なデータでも証明されています [4]。Spotify Wrappedは、この点においてとても個性があるキャンペーンです。
どんな音楽ジャンルを好んでいるのか、トップアーティスト、ジャンル、曲、ポッドキャストで聴いた合計時間、音楽の選び方についてはもちろん、朝昼夜のどのシーンでどんな曲を聴いているのかリスニングの習慣まで明らかになります。Spotifyから非常に個人的なことを分析され、“あなたの情報”が送られてくるのです。
これは、自分たちの好みに合わせた広告やコンテンツが配信されるテクノロジー中心の世界で育ってきたZ世代に大きく響きました。
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2)誰かに共有したくなる仕組み。
Spotify Wrappedは簡単にInstagram、TikTok、Facebook、Twitterなど、ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームで共有することができます。だからこそ、自分に関するユニークな情報を、友人と共有したり比較したりしたくなるのです。また、このコンテンツはエンターテインメント性の高いモーショングラフィックス、パターン、目を引く配色、そして優れたテンポを備えています。このように、ユーザーにとって楽しいコンテンツを作ることで、Spotifyは、この情報を共有することを、とても欲しく、簡単にしたのです。
Spotifyの登場により、それまでは一人で聴くものだった音楽が、世界中の誰かと楽しむものに変わりました。それほど、SNS上で友人とシェアできたり、プレイリストを作って公開できたりと、ユーザーが編集・編成できる機能をしっかりプロダクトに組み込んでいたことが大きな影響を及ぼしたのでしょう。
3)年に一度という習慣性。
Spotify Wrappedは、12月というわずかな期間しかアクセスできません。Spotifyユーザーは、毎年同じ時期にSpotify Wrappedの共有を目にするため、“12月といえば”という習慣が刷り込まれています。自分はコンテンツを共有していなくても、他者のコンテンツを見ることを楽しみにし、その結果、新しい音楽にふれSpotifyアプリを積極的に使うきっかけにもなっているのです。
まとめ:SNSでブランディングを構築するヒント。
Spotify Wrappedから得られる最も重要な教訓は、コミュニティの一員になりたい、他の顧客と体験を共有したいというユーザーの欲求を決して過小評価しないということです。同じような考えを持つ他の顧客とつながり、個々の体験を共有するよう促すことは、コミュニティ意識を醸成する優れた方法であり、ブランドとのより深い、持続的なつながりを与えることになるのです。
そして、FacebookやInstagram公式アカウントのようなソーシャルメディアプラットフォームが非常に強力なコミュニケーションツールであるのも、同様の理由からでしょう。ブランドのFacebookページやInstagramアカウントは、ユーザーたちが製品に関する意見を共有し、他の消費者と交流し、ブランドと個人的な関係を築くために、直接ブランドマネージャー(もしくはブランドの担当者)と話すためのミーティングハブとして機能しているのです。
自社ブランドのソーシャルメディアチャネルで起きているユーザーのコメントやアクションを質的にも分析することが、ブランディングの構築には非常に重要だといえるでしょう。
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