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米国マーケティングトレンド研究会 2022.05.18

TikTokの新広告プログラム「Pulse」、その仕組みをいち早く解説。

TikTokが新しい広告プログラムを導入すると発表。その広告プログラムは「Pulse」と呼ばれ、企業広告をTikTokの人気上位4%の動画に隣接した形で表示できるようになるそうです。今回は、この新広告プログラムのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

TikTokには企業が宣伝活動をし、新規顧客を開拓しやすい土壌があることは多くの人が知るところでしょう。2022年現在、TikTokの月間アクティブユーザー数は全世界で10億人を超えています。また、アメリカだけでも1億3800万人のアクティブユーザーがいます。中心となる利用者層は、16~34歳の比較的若い世代となっています[1]。

その宣伝の効果は大きく、TikTok上で話題になることで「売り切れ」になるほどの反響につながる事も少なくありません。CeraVeのスキンケア製品、Kate Spadeの限定ハンドバッグなどが、その良い例です。

そして、今回その宣伝効果をさらに高めるためにTikTokが導入するプログラムが、「Pulse」です。

新広告プログラム「Pulse」とは?

新広告プログラム「Pulse」は、アルゴリズムによって広告を人気の動画の前後にのみ表示させることを確約します。ただ、ここで重要なのは、「人気の動画」の尺度が、数千回~数百万回などの再生回数の多さではないという点。TikTokのアルゴリズムは、エンゲージメントが「高まりつつある」動画の横に広告を表示するように設定されています。つまり、広告が表示される時点では、動画の人気はピークには達していないということですね。TikTokによるとそういった動画が後で話題になる可能性が高い、という統計があり、それをもとに作られた仕組みといえます。

Pulse広告の仕組みとメリットについて。

話題になり、さまざまなユーザーアクションが起きている動画の近くに表示されると、クリック率や売上にはプラスに働きます。その動画の再生数がピークでなくとも、バズり始めている時ほどそれを見た人がコメントし、共有する等、積極的に反応する傾向があるからです。その動画に隣接して広告を出すことによって、エンゲージメントが高い状態にある人々の目に留まり、高い販売率につながる可能性があるということです。

また、Pulse では、どういった種類の動画の前後に広告を掲載したいのか、12種類のカテゴリーから任意で設定する機能があります。例えば、食品であれば、料理やそれに関連した内容の動画の近くに広告を表示することができるということですね。製品により興味がありそうな人に、表示される仕組みになっています。

どんなデメリットがあるのか?

一方で、今すぐにPulseを開始するにはマイナスの要素もあります。Pulseは完全に新規の広告機能なので、従来の広告とどれほど差がでるかを証明する公式データはまだありません。「話題になりそうなコンテンツのそばに表示されるので、従来の広告よりも効果があるだろう」と予想されていますが、あくまでも予想です。実際にPulse広告によってクリック数が増加するかどうかは今後明確になっていくでしょう。

もうひとつ注意しなければならないのは、広告がどんなコンテンツの近くに表示されるかということ。TikTokの経営陣は、「広告が不適切なものの隣に表示されることがないよう、コンテンツを徹底的に調査する」と言っています。しかし中には、この調査をすり抜けてしまうものもあるかもしれません。

注目が集まりつつある動画の隣が保証されるということは、インフルエンサーの隣であなたの製品が紹介されるようなイメージですが、どんなタイプのインフルエンサーかによって、これはプラスにもマイナスにもなりうるわけです。中には、ネガティブな理由で話題になってしまう動画もあり、その付近に出てしまうと広告に対する印象も悪くなるかもしれません。

もう一つ考慮しておくべきこととして、話題の動画の中にはインフルエンサーと「無関係」のものもあるということです。TikTokは戦争やデモのように、社会的にインパクトのある出来事を共有するためにもよく使われます。こうした動画もこのアルゴリズムに拾われ、その付近にPulse広告が表示される可能性があります。

Pulse広告の場合、カテゴリの指定はできますが、広告主でも「動画の中身まではほぼ関知できない」という点も知っておきましょう。

結論

今TikTokの売上はかなり伸びている状況で、2022年はTwitterとSnapchatの合計を上回る勢いがあります[3] 。予算に余裕があれば、その最新広告「Pulse」をいち早く試しておく価値はありそうです。また、TikTokはインターネット上のPRの中枢を担う存在として、これからさらに多くの企業が利用すると予想されます。多くの話題が生まれるであろうソーシャルメディアから取り残されないよう、活用方法はどんな形であれ検討しておく必要があるでしょう。アカウントをまだお持ちでない企業やPR担当者は、これを機にTikTokをブランドのPR戦略のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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参照元

  1. https://wallaroomedia.com/blog/social-media/tiktok-statistics/#:~:text=U.S.%20Audience%20%E2%80%93%20As%20we%20mentioned,between%20the%20ages%2025%2D44.
  2. https://newsroom.tiktok.com/en-us/tiktok-pulse-is-bringing-brands-closer-to-community-and-entertainment
  3. https://www.marketingdive.com/news/tiktok-ad-revenue-twitter-snapchat-social/621995/

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