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2022年にイーロン・マスク氏に買収されて以来、Twitterの評判は落ちています。彼が打ち出したTwitterの新しいルールやTwitter API抗議して、一部のユーザーはTwitterの代替となるソーシャルメディアの選択肢を探す動きがでました。今年に入り、その勢いはやや落ち着きましたが、将来的にTwitterの代わりになるSNSは出てくるのでしょうか。アメリカの最新の情報を紹介します。
Twitter買収による影響
イーロン・マスク氏がTwitterを買収して以来、アメリカのTwitterユーザーの多くが、このSNSに不安を感じるような変化がありました。
例えば、Twitter内でプライバシーやハッキング対策に力を入れていたスタッフの多くを解雇したこと、誤報を流したとして禁止されていたアカウントを復活させたことなどがあげられます。
このイーロン・マスク氏の行動やポリシーに疑問を感じ、Twitterをやめて他のSNSを探し始めたユーザーもいました。
アメリカにおけるTwitter利用状況
Twitterに代わるソーシャルメディアツールになれるとしたら、どのような役割を果たす必要があるのでしょうか。まずはアメリカではTwitterがどう使われているのかをみてみます。
2021年にPew Research Centerが行った調査[1]では、30 歳未満の大人のユーザー5人に1人は、毎日数え切れないほどの回数、Twitterにアクセスしていることが判明しました。主な理由として、以下の順位があげられています。
アメリカではTwitterは、映画やドラマの展開をみんなで話したり、スポーツの実況中継を調べたりと、最新情報を手に入れるためのツールとして重宝されている様子がうかがえます。また、草の根運動や抗議活動、人々とのつながりや意見の表明など、政治的なことにもよく使われているようです。
18~29歳の若いTwitterユーザーの53%が、このプラットフォームを利用する主な理由としてエンターテインメントをあげていましたが、50歳以上のユーザーは、情報収集のためにTwitterを利用する傾向がやや高くなっており、調査対象者の年齢が上がるほど、Twitterをエンターテインメントではなく、真面目な情報収集ツールとして捉えています。
一方ではコミュニケーションツールとしての側面、つまり、自分の情報を共有したり、友人や仲間に素早くアクセスしたりするためにも利用しています。
Twitterの代わりとなりそうなソーシャルメディア
以上を踏まえ、Twitterの乗り換え先としてアメリカで注目された3つのプラットフォームについて、代わりとなり得るかどうかを考えてみます。
1. Hive Social(ハイブ ソーシャル)
Hive Social は特にZ世代から注目される新たなSNSです。
大学生によって2019年に作られ、2022年12月現在、200万以上のアプリダウンロードを記録しています[2]。
このSNSは、Twitter、Instagram、Tumblrが融合したようなプラットフォームです。Twitter投稿は250文字の制限がありますが、Hive Socialは2000文字以上使え、写真やビデオなどのメディアも簡単に共有でき、すべてのアカウントはTIkTokのアカウントに直接リンクすることができます。
また、このSNSの特徴は、フィードがアルゴリズムをあまり重視せず、時系列で表示される点にあります。「けっきょくのところ、友人や家族が今何をしているのか」がシンプルに分かれば良い、という発想が根底にあるからです。
しかし、現段階で、拡散力のあるインフルエンサーは存在しません。また、広告メニューがないため、このプラットフォームを利用して商品を宣伝する企業は、ターゲットとなるユーザーにリーチするために、運とハッシュタグ戦略に頼らざるを得ない状況です。
また、スポーツイベントやニュースの即時情報については十分に情報が得られますが、専門家やジャーナリストの参入がまだまだ少ないため、本格的な情報を得ようと思うと、まだ物足りないかもしれません。
2. Mastodon (マストドン)
Mastodonは、ドイツのオイゲン・ロホコ氏をが立ち上げた、Twitterに似たソーシャルメディアサービスです。昨年の10月末にイーロン・マスク氏の買収が完了したタイミングで、日本のツイッターでも「マストドン」がトレンドワード入りしたことを覚えている人もいることでしょう。
2022年12月15日だけでマストドンへのサインアップが400%増加しました[3]。そして2023年2月2日現在、マストドンには900万を超えるアカウントがあります。
このように多くのニュースメディアで話題になっているマストドンですが、最大のポイントは、誰でも自由にサーバーを開設してサービスを提供でき、各開設者が管理者として独自のルールや利用規約を定めて運営することが出来る「分散型ソーシャルメディア」の形態をしていることです。
このようなオンラインコミュニティは島のように機能し、好きな人の投稿を見つけたり、連絡を取り合ったりすることが簡単にできます。科学やジャーナリズムの分野でも、特定の情報に特化したサーバーを作成し、フィードのすべての投稿をトピックに沿ったものにすることができるので便利です。
つまりユーザーは、特定の企業が提供する1つのサービスではなく、各サーバが連携して成り立っているMastodonを自由に横断して楽しむことが出来るのです。
しかし、このサーバの仕組みが分かりにくいため、Twitterのような安定した利用ができないユーザーも少なくないせいか、まだまだユーザー数はTwitterにはおよびません。
3. Spoutible (スプーティブル)
Spoutibleはクリストファー・ブージー氏によって作られたプラットフォームです。
2023年2月1日の発売前に、Spoutibleは15万以上の事前登録アカウントを獲得しています[4]。
ブージー氏は、虚偽情報、不正な行動、対象を絞った嫌がらせを追跡するTwitter 分析サービスTwitterの拡張機能「Bot Sentinel」を開発した人で、自身のTwitterからスプーティブルのアイデアを生み出した人です。Spoutibleも意図的にTwitterとほとんど同じになるように作られていますが、それに加え、20万人以上のTwitterユーザーを対象に何度も投票を行った結果、Twitterに対する主な不満や懸念に対応するために開発されました。Twitterとは異なり、Spoutibleのユーザーは以下のことが可能です。
-投稿後7分間、投稿の編集が可能
-300文字まで使用可能
-一度に10枚まで画像を投稿できる
-いいね!」「引用」に加え、「エコー」が可能。
-フォローした人の投稿を時系列で閲覧可能
Spoutibleは、サービス開始当初から多くのユーザーに利用されていますが、いくつかの基本的な機能が不足しています。例えば、動画コンテンツにはまだ対応しておらず、モバイルアプリもありません。Twitterユーザーの80%以上がモバイルデバイスからアプリを利用していることを考えても、これはユーザーが伸び悩む原因になるかもしれません[5]。
まとめ:Twitterはまだ強力なSNSツール
イーロン・マスク氏の動向に気になることは多々ありますが、これらのような代替手段を利用しても、Twitterがすぐにユーザーを失うことはないと考えられます。多くのユーザーや企業は、長年の習慣と経験から、Twitterを愛用しているからです。
今のところ、もしあなたがアメリカでソーシャルメディアによる拡散戦略を計画しているなら、Twitterはまだまだターゲットにリーチするための有効な手段のひとつではある、と捉えて良いでしょう。
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参照元
- https://www.pewresearch.org/internet/2021/11/15/1-the-views-and-experiences-of-u-s-adult-twitter-users/
- https://www.cmswire.com/digital-experience/what-is-hive-social-the-latest-twitter-alternative-gaining-steam/
- https://bitcoinhackers.org/@mastodonusercount
- https://myronclifton.medium.com/spoutible-a-new-experience-that-feels-familiar-78099ccde317
- https://growtraffic.com/blog/2022/11/percentage-twitter-uses-mobile-devices#:~:text=Today%2C%20over%2080%25%20of%20all,Still%2C%20that's%20a%20shocking%20number.
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