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第2回目となる、Ys and Partners主催の「J-Beauty米国進出セミナー」を開催しました!テーマは、世界中で注目を集めるJ-Beautyと日本の美容ブランドがいま狙うべきアメリカ市場!
20名限定のセミナーでしたが、多くのリクエストにつき、セミナー直前で増席することになりました。当日の会場は、アメリカ進出に挑む美容業界関係者さまで埋め尽くされるほど大盛況!
セミナー前半は弊社Co-Founder/COOの結城彩子が、米国の美容業界の最新事情、そして米国での販路開拓や各小売店の特徴についてお話ししました。後半では米国の美容専門店ULTA(アルタ)で化粧品ブランド「KITAO MATCHA」を展開する株式会社北尾化粧品部社長の川端様との対談もあり、アメリカ美容業界の最前線で知った生の情報を語っていただきました。
このレポートではセミナーの中で最も印象的だったトピックを取り上げます。
J-Beautyの海外進出。なぜいまアメリカなのか?
通常、日本企業の海外進出となると、真っ先に目がいくのはアジアです。日本と文化的な親和性もあり、日本のブランド力をそのままレバレッジすることができることから、多くの日本企業は海外進出の第一歩をアジアに定めるのでしょう。人種、文化、教育、そのすべてが日本とまったく異なるアメリカは難易度が高いと考える日本企業も多いようです。
そんな中、日本の美容ブランドはなぜいまアメリカ進出を目指すべきなのでしょう?
なぜいまアメリカ?その① 数字で見る、圧倒的な市場規模の差
ひとつ目の理由はアメリカの市場規模にあります。日本の美容市場は約4兆円、中国は約6.7兆円、東南アジアトップのタイは約7,000億円。対する、米国の美容市場は、2018年時点で約9.9兆円にまで上り、年々拡大が続いています。アメリカは一人当たりのGDPも他国に比べ高く、多くのビジネスチャンスが眠っているのです。
なぜいまアメリカ?その② いまアメリカでJ-Beautyが熱い!
もうひとつの理由は米国におけるJ-Beautyへの関心です。いまVOGUEやELLEの美容ライター、米国の大手小売店のバイヤーもJ-Beautyに熱い視線を向けています。その背景にはアメリカ市場の大きなトレンドがあるのです。
現在アメリカの若年層の間で主流となっている考え方の一つに「ミニマリズム」があります。不必要なものを除去し、シンプルなライフスタイルを推進するミニマリズムがアメリカの美容市場にも大きな影響を及ぼしています。
その象徴とも言えるのが「クリーンビューティー」。肌に対して刺激を与えるような人工香料や人工着色料などを取り除き、刺激ゼロのクリーンな化粧品が今アメリカの消費者に求められています。米美容ブランド、KARI GRAN(カリ・グラン)が2016年に実施した「グリーン・ビューティー・バロメーター」調査では、女性の55%とミレニアル世代の62%が、特定の成分を避けるために美容製品の成分ラベルをチェックしていることがわかりました。
アメリカの消費者は自分にとって本当に必要な製品を厳選し、スキンケアもなるべくシンプルなものを求める傾向があります。J-Beautyのシンプルなスキンケアルーティンと日本独特の自然由来成分は、いまアメリカの「ミニマリズム」や「クリーンビューティー」トレンドにマッチしているのです。
つまり、いま日本の美容ブランドにとって、アメリカ市場でビジネスを展開する絶好のチャンスとも言えます。
アメリカのJ-Beautyプレイヤーの現状
では、いまアメリカのJ-Beautyシーンはどうなっているのでしょう?早くから米国進出を果たした、ShiseidoやSK-IIはメジャーブランドとしてアメリカの消費者の間でも浸透してきました。日本をコンセプトとしたアメリカ生まれのブランドTatchaも美容専門店Sephora(セフォラ)で存在感を高めています。
この他のJ-Beautyプレイヤーは一体どこにいるのでしょう?米ULTAで化粧品ブランド「KITAO MATCHA」を展開する北尾化粧品部の川端様との対談では、衝撃的な言葉が出てきました。
「本当の米国市場」で戦っている日本の美容ブランドは、ほぼゼロ?
アメリカには日系・アジア系スーパーと呼ばれるものが存在します。アメリカに住む日本人、アジア人、そしてごくわずかの日本愛好家のアメリカ人が、アジアの食材や日用品を求めて訪れる店舗のことを指します。日本の化粧品はこれらの日系・アジア系スーパーにしか置いてないことがほとんどです。「本当の米国市場」、すなわちアメリカのメインストリーム市場で勝負している日本ブランドは非常に少ないという現実に、セミナー来場者の皆様も驚かれていました。
K-Beautyにあって、J-Beautyに足りない重要なこと
さらに、北米最大級の美容展示会Cosmoprof(コスモプロフ)でもJ-Beautyプレイヤーの少なさが目立ちました。「K-Beautyのおよそ100ブランドに対して、J-Beautyはたったの1ブランドしか出展していない」と川端様は悔しそうに語られていました。アメリカのメディアやバイヤーのJ-Beautyに対する期待とは裏腹に、プレイヤーが圧倒的に少ないのです。K-Beautyが世界中でブームを巻き起こせた背景には、圧倒的なプレイヤー数と束となって攻める団結力があったとも言えるでしょう。J-Beautyの今後の課題である「束で攻める」重要性について対談は続きました。
The JBeauty Collectionとは?
セミナーの最後にはYs and Partners独自のサービスである「The JBeauty Collection」についてご案内させていただきました。日本の優れた化粧品をJ-Beautyの冠のもとアメリカで推進していくこのサービスは、今まさに日本の美容ブランドの課題である「束で攻める」をコンセプトに生まれました。
米国のメインストリーム市場への進出は、アジアとは全く違う考え方が必要です。Sephora、ULTA、Target、Costco、Wholefoodsなどの米国の主力店舗はそれぞれターゲット属性も戦略も異なります。各小売店のバイヤーは調査に基づいたデータと、商品のブランド戦略を基に仕入れの判断を下します。つまり、ブランド戦略なくしてアメリカのメインストリームに入ることはできないのです。
The JBeauty Collectionのサービス内容について、もっと詳しく知りたい方は、下記をご覧ください:
サービス内容を見る
また、Ys and Partnersは海外ビジネスエキスポ2019東京に出展いたします。こちらでもThe JBeauty Collectionのサービス内容についてご案内しておりますので、下記のリンクよりぜひご予約ください:
海外ビジネスエキスポ2019(東京)
日時:2019年11月13日(水)・14日(木)10:00~17:30
会場:東京国際フォーラム ホールB7
相談予約する
Ys and Partnersは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」をミッションに、これまで50社以上の日系企業様の米国進出をご支援してきました。
The JBeauty Collectionは6人のJ-Beauty専門家が「ブランド戦略」「販路開拓」「メディアリレーション」の3つの軸から日本の美容ブランド様をワンストップで支援する新しいサービスです。
参照記事:
https://www.statista.com/statistics/491255/beauty-and-personal-care-united-states-market-value/
https://www.shiseidogroup.jp/report/data/market_data.html
https://cdn.shopify.com/s/files/1/1817/5539/files/Kari_Gran_Green_Beauty_Barometer_Results_2016.pdf
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