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米国マーケティングトレンド研究会 2021.01.21

今、SNSアプリ「クラブハウス」に注目すべき理由。

画像:PCデスクトップのApple App Storeに表示されるクラブハウスのアプリ。[1]

まだベータ版ではありますが、Clubhouse(クラブハウス)は、わずか60万人のユーザーからすでに1億ドル以上の評価を受けているソーシャルメディア・アプリです。一般公開されれば、他のソーシャルサイトのように企業が商品のプロモーションに利用できる可能性は無限大ですが、スマートフォンを持っている人なら誰でも自由に使えるようになるまで、クラブハウスが生き残れるかどうかはまだ予測がつきません。

新型コロナウィルスのパンデミックは、とどまるところを知らず、ほぼ一年の間、多くの人がパーティーやバーで会話を楽しむ機会を奪われています。こうした中、人々が孤立しないよう、パンデミックによる制限をどう回避するか試行錯誤してきました。

Houseparty(ハウスパーティー)のようなアプリは、人々が「一緒に」時間を過ごすことができるようにビデオ共有ルームを提供しおり、バーチャル空間での時間共有のレベルが非常に高いといえます。

しかし、ハウスパーティーはビジネス向けではなく、仮にビジネスで使用できたとしても、すでに「バーチャル空間で家飲みするアプリ」およびカジュアルな集まりの代名詞になっています。

一方で、クラブハウスは自宅にいながらにしてグループ通話で大人数と会話ができる、招待制のアプリです。

2020年に設立されたクラブハウスは現在ベータ版で、TwitterやInstagramなど他のソーシャルプラットフォームでも話題になっています。一度ログインすると、さまざまな議論が行われている異なるチャットルームに入ることができます。誰もが音声のみでコミュニケーションを取れるので、ポッドキャストやラジオ番組のように、ミュートにして会話を聞くことができます。

2020年にスタートしたばかりで、まだ完全に一般公開されていないにもかかわらず、Clubhouseはすでに1億ドルの価値があると言われています。[2]

画像: クラブハウスのアプリ (Apple App Storeページより。チャットルームがどのようなものかの一例)

このアプリを自ら探ってみることは、残念ながらできません。クラブハウスは招待制で、すでにアカウントを持っている人から招待されなければなりません。将来的には一般公開される予定で、現在テスト期間に入っています。2020年12月時点で約60万人の登録ユーザーがおり、[3]この記事を書いている現在、クラブハウスのメンバーは、誰でも好きな人を招待できる招待券を1枚ずつ入手できることになっています。すでにアプリに登録されている人のほとんどは、セレブやシリコンバレーの大物、インフルエンサーなので、このような独占度の高さが、アプリをより魅力的にみせているといえます。

現在、クラブハウスはあらゆる会話に使われています。活動家が、警察の残虐行為のような重要な問題を議論するために使ったり、ベンチャーキャピタリスト同士の議論に使われたり、さらにはファンによるブロードウェイのライオンキングの完全再現まで行われています。

ではなぜ、このような小さなサークルで機能しているアプリに注目すべきなのでしょうか。

今のところ、クラブハウスは明らかにB2Bの取り組みに向いているといえます。しかし、将来的には一般の人も利用できるようにする計画があるといわれています。本格的なローンチとなれば、このスタイルのソーシャルメディアの可能性は無限大です。言語学習チャットルーム、技術サポート、セミナー、ライブパフォーマンス、会議、および他のあらゆる種類の可能性があると考えられます。[4]また、B2C の観点からは、これらのチャットルームは、人々に製品を紹介し、カスタマーサポートを提供するために使用できます。これはすべて、Instagram、Pinterest、Facebook、またはTwitterのような厄介なアルゴリズムの変更を心配することなく行われています。

おそらく、このプラットフォームに関して重要なことが企業側にあるとすれば、それはインフルエンサーマーケティングでどのように活用していくか、ということでしょう。2020年現在、より多くの企業がマーケティング予算の大部分をインフルエンサーマーケティングに割り当てるようになっています。製品を販売し、インフルエンサーに依頼をしてクラブハウスでプロモーションを行うことを想像してみてください。通常のInstagramの投稿やTikTok動画に加え、企業はインフルエンサーに依頼して30分間のクラブハウス・ミーティングを開催し、興味のある人に率直なレビューについて話してもらうことができます。こういった取り組みは、インフルエンサーがファンとライブチャットを行う際にすでに行われています。

こういった取り組みは、インフルエンサーがファンとライブチャットを行う際にすでに行われています。特にYouTuberやゲーマーの間で非常に人気があります。たとえば、Patreon(パトレオン: Youtuber、ミュージシャン、ウェブコミック作者向けのクラウドファンディングプラットフォーム)やKofi(コーヒー:クリエイターのためのクラウドファンディングサービス)では、ファンが購読サービスに登録した後、専用のチャットルームへのアクセスが提供されます。さらに、クラブハウスでは、チャットを録音したり保存したりできる他のプラットフォームとは異なり、発生した会話を保存することはできません。つまり、何が起こったかを聞きたい場合は、その場にいなければならず、会話に参加できないというリスクもあるということです。

クラブハウスの人気が一般公開された瞬間に失われるのかどうかは、まだわかりません。現在このアプリが注目を集めている主な理由の一つは、全体的に利用者が有名人とシリコンバレーのエリートであるという点です。[5]その閉鎖性がなければ、クラブハウスは次の段階に進むことができないかもしれません。もしクラブハウスが失敗したとしても、それは可能性の欠如ではなく、単に関心の欠如のためだと考えられるでしょう。

 

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[1] https://apps.apple.com/us/app/clubhouse-drop-in-audio-chat/id1503133294

[2] https://www.nytimes.com/2020/05/19/technology/clubby-silicon-valley-app-clubhouse.html

[3] https://www.nytimes.com/2020/12/23/style/clubhouse-app-influencers.html

[4] https://www.socialmediaexaminer.com/clubhouse-app-how-to-get-started/

[5] https://www.oprahmag.com/entertainment/a34376747/what-is-clubhouse-social-media-app/

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