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YouTube(ユーチューブ)は、YouTube Shorts(YouTubeショート)を全世界で公開しました。この新機能をユーザーに利用してもらうために、YouTubeは1億ドルのクリエイターファンドを設立し、一部の人にコンテンツの対価を支払っています。人気の音楽を利用した、ショート機能をプロモーションするためのキャンペーンの効果で、ショートはすでに人気のコンテンツとなっています。
はじめに。
ソーシャルメディアにおいて、TikTok(ティックトック)は、コンテンツの作成及び消費の考え方を変えました。2019年から2020年にかけて爆発的な人気を博して以来、Instagram(インスタグラム)のような他のソーシャルプラットフォームは、それに対抗するために独自のショートビデオフォーマットを公開しました。YouTubeも「YouTubeショート」というプラットフォームで今回TikTokに挑みます。2021年7月現在、この機能は世界中で利用できるようになっています。
YouTube ショートとは?
YouTubeのソーシャルメディアとしての特徴の一つに、動画の長さと質の高さがあります。平均的なアメリカ人は、1日に少なくとも24分をYouTubeに使います。これは、それほど多くないように思われるかもしれませんが、Instagramでは平均27分、Facebook(フェイスブック)では平均38分となっており、YouTubeはアメリカのトップソーシャルメディアの一つとなっています。[1]しかし、これらを凌駕するソーシャルメディアアプリがTikTokです。ユーザーがTikTokに費やす時間は1日平均52分で、若いユーザーでは80分にもなります。[2]
Z世代は、TikTokやSnapchat(スナップチャット)、Instagramに見られるような、短い形式の動画を好む傾向にあります。このような視聴者をより多く獲得するために、YouTubeは「YouTubeショート」を開発しました。
YouTubeショートは、TikTokやInstagram REEL(インスタグラムリール)と同様に、ユーザーが作成してYouTubeにアップロードできる短編動画です。一般的なYouTube動画は最長12時間にも及びますが(YouTubeアカウントが認証されている場合)、YouTubeショートは最長でも60秒までとなっています。[3]YouTubeショートのカメラで撮影した動画は、YouTubeアプリ内で編集し、アップロードすることができます。さらに、YouTubeショートは、一般的なYouTube動画の16:9ではなく、9:16(スマートフォンの縦長)のアスペクト比で撮影・表示されます。
なぜYouTubeはYouTubeショートを作ったのか?
多くのYouTubeチャンネルは、長時間の制作やプロの編集を誇りとしていますが、YouTubeショートは、YouTube初心者でもコンテンツ制作が可能になりました。
YouTubeと他のソーシャルメディアチャンネルとの大きな違いは、自発的でカジュアルなコンテンツ制作にあると考えられます。InstagramやFacebook、TikTokなどのプラットフォームでは、動画編集や写真編集の能力に関係なく、どんなユーザーでも簡単に投稿することができます。普通の写真、動画、考えなどを、主に、自分のアカウントをフォローしている友人や家族と共有するために利用されます。一方、YouTube動画は、そういったカジュアルな投稿よりも制作物としての秀逸さが競われる傾向にあります。YouTubeのカジュアルな動画が「バズる」ことあまりありませんが、これは、カジュアルな動画がYouTubeにアーカイブされる前に、まず他のプラットフォームでシェアされる傾向にあるからです。
一般的に、2021年現在、短いYouTube動画への関心は高まっています。YouTubeショートにより、YouTube投稿への敷居が低くなるとみられています。
YouTubeショートのマーケティングキャンペーン。「YouTubeの短尺バージョンのご紹介」
YouTubeは、この新しいフォーマットを普及させるために、YouTubeの「短尺バージョン」を紹介するキャンペーンに資金を投入しています。このキャンペーンでは、現在最も人気のある音楽を利用し、人気のあるクリエイターに「YouTubeショート」を紹介してもらっています。
例えば、カミラ・カベロの「Don’t Go Yet」や、ザ・ウィークエンドの「Take My Breath」などのヒット曲を、人気クリエイターたちの30秒のダンスビデオに組み込んでもらい、普段利用するプラットフォームであるTikTokではなく、YouTubeショートで発信してもらうのです。
また、クリエイターにYouTubeショートを利用してもらうための「YouTubeショートクリエイターファンド」もあります。YouTubeは、YouTubeショートを活用したクリエイターに対して、2021年から2022年にかけて1億ドルを支払うことを約束しました。このファンドは、通常のYouTubeコミュニティガイドラインに沿った内容であれば、どんなクリエイターにも支払われます。[4]動画が一定の視聴者数(未公表)を超えると、基金に支払いを請求するよう、クリエイターに連絡が入ります。基金からの支払いは、YouTubeの判断により100ドルから10000ドルの範囲で行われます。
YouTubeショートは、TikTokの良きライバルとなるか?
今のところ、YouTubeショートはユーザーの興味を引いています。2020年にインドで公開されて以来、YouTubeショートは150億回以上再生されています。[5]
YouTubeショートクリエイターファンドは、YouTubeショートを制作するためのインセンティブを提供しています。少なくとも今後1年間は、このプラットフォームへの関心、コンテンツ数、毎日の再生回数が急増すると思われます。しかし、YouTubeショートがInstagramリールやTikTokと何が違うのか、今のところわかりません。もしYouTubeがショートをこれらの競合とうまく差別化したり、クリエイターがショートだけを使うようなインセンティブを与えることができれば、他の短編動画プラットフォームとの競争に勝つ、確実な方法を手に入れることができるかも知れません。
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参照元:
[1] https://www.digitalmarketing.org/blog/how-much-time-does-the-average-person-spend-on-social-media
[2] https://wallaroomedia.com/blog/social-media/tiktok-statistics/
[3] https://support.google.com/youtube/answer/71673
[4] https://www.searchenginejournal.com/content-creators-youtube-shorts/415618/#close
[5] https://adage.com/article/datacenter/what-marketers-need-know-about-short-video-boom-youtube-datacenter-weekly/2355886
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