ホーム ブログトップ インスタグラムのバーチャル試着機能。ARシステムを使ったこれからのEコマースとソーシャルコマースの未来とは?

ブログ

米国マーケティングトレンド研究会 2021.07.19

インスタグラムのバーチャル試着機能。ARシステムを使ったこれからのEコマースとソーシャルコマースの未来とは?

2020年からはじまったコロナウイルスの世界的流行により、Eコマースやソーシャルコマース(ソーシャルメディアからショッピングをすること)のビジネスが急成長したことは、もう新しいニュースではありません。この成長を追いかけるように、Eコマースとソーシャルコマースのテクノロジーの発展も勢いが止まりません。そんな中、先月Facebook社から、インスタグラムのショッピング機能に、「Virtual Try-Ons(バーチャル試着機能)」を実装する予定とのニュースが発表されました。

オンラインショッピングのスタートは、ソーシャルメディアから。

なかなか思うままに実店舗に行けなかった長いコロナ禍で、アメリカ人消費者はすっかりオンラインショッピングの楽しみ方を身につけました。そんな中、何かを購入する際の情報収集段階で、フェイスブックやインスタグラム、ピンタレスト、TikTokなどのソーシャルメディアを活用する消費者が増えています。

アメリカの大手マーケティングリサーチ会社「NPD Group」によれば、サーベイを受けた51%の消費者がフェイスブックやインスタグラムの投稿を見てから商品の購入に至ったことがあると答えており、「どのオンラインプラットフォームで新しい商品を発掘するか」という質問には、41%がフェイスブック、35%がインスタグラムと回答しています[i]。

これらのデータから、いかにソーシャルメディアが多くの消費者の購入プロセスの最初のタッチポイントとして影響をもたらしているのかが理解できるでしょう。

インスタグラムがバーチャル試着機能を試験中だと発表。

現在、オンラインショッピング人気の波に乗るように、たくさんのソーシャルメディアがショッピング機能に力を入れていますが、その中でも特に注目すべきプラットフォームは、やはりインスタグラムです。

つい最近、フェイスブック社はインスタグラムでインフルエンサーとアフィリエイトマーケティングができる「アフィリエイトコマース」や、メッセージ機能の充実化などを発表しましたが、先月新たに「Virtual Try-on(バーチャル試着機能)」を取り入れる予定だと発表し、ショッピング機能をさらに強化する方針を示しました。

インスタグラムの「Virtual Try-on(バーチャル試着機能)」にできることとは?

オンラインショッピングの一番のハードルといえば、実店舗のように購入する前に消費者が直接洋服を試着してみたり、化粧品を自分の肌で試せなかったりすることでしょう。その問題点を解決するため、現在ではARシステム開発会社と手を組み、ARシステムを使ったバーチャル試着機能を取り入れるEコマースが増えています。

フェイスブック社は、世界大手化粧品会社「L’Oréal(ロレアル)」とパートナーシップを組み、それぞれがタグを組んでいるARシステム開発会社、「ModiFace(モディフェイス)」と「Spark AR(スパークAR)」を使った、バーチャル試着機能をテストしてきました。

現在、「L’Oréal(ロレアル)」の人気化粧品ライン「Maybelline New York(メイベリン・ニューヨーク)」や「Lancôme(ランコム)」などのオフィシャルインスタグラムで、「Shop(ショップ)」ページに行くと、カメラを使ってすべてのリップスティックを自分の唇で試してみたり、その顔を写真に撮ったりすることができるほか、気に入ったらそのままアプリ上で購入することもできるようになっています。

今までロレアルを含めたごくわずかなブランドやカテゴリー(主にリップスティック、眼鏡、靴)のみでテストしてきたこの機能が、今後はショッピング機能を使用しているより幅広い商品カテゴリーで実験されるとのことです。

化粧品ブランドで浸透され始めているバーチャル試着機能。今後はファッションブランドでも活用なるか?

このインスタグラムのバーチャル試着機能は、リップスティックやアイシャドウなどの商品を抱えている化粧品ブランドにとって特に活用しやすい機能となるでしょう。しかし、急激な速度で進歩するARシステムのおかげで、近い将来は、消費者がカメラを使って洋服を試着し、購入する前に全身コーディネートをすることも可能になるでしょう。

Grand View Researchによれば、この「Virtual Fitting Room(バーチャル試着室)」と呼ばれるARシステムの市場は、2021年から2028年までで年間25.2%ずつ成長し、約154億ドルまで拡大していくと言われており、最近ではアメリカ大手スーパーマーケット「Wal-Mart(ウォルマート)」も、バーチャル試着室機能を開発しているスタートアップ会社「Zeekit(ジーキット)」を買収し、自社のEコマースに実装していく予定だというニュースも出ました[ii]。

そのため、インスタグラムでも現在テストをしている「バーチャル試着機能」をさらに発展させ、近いうちには化粧品や眼鏡など顔に試せるものだけでなく、トップスからパンツまで全身試着できるようにしていくことになるでしょう。ますますこれからのEコマースとソーシャルコマースに目が離せませんね。

 


参照元:

[i] https://www.retaildive.com/news/npd-51-of-facebook-and-instagram-users-bought-products-while-scrolling/602272/

[ii] https://www.retaildive.com/news/will-virtual-fitting-rooms-push-walmart-to-the-fashion-forefront/602245/

プロジェクトのご相談やご依頼につきましては、以下のフォームに必須項目をご入力ください。
24時間以内に回答いたします。

お問い合わせ
前の記事
これからのSNSマーケティングのヒント!インスタグラムCEOがプラットフォームの新しい方向性を発表。

前の記事 米国マーケティングトレンド これからのSNSマーケティングのヒント!インスタグラムCEOがプラットフォームの新しい方向性を発表。

次の記事

次の記事 米国マーケティングトレンド モチ肌とガラス肌、何が違う?

モチ肌とガラス肌、何が違う?

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

“米国マーケティングトレンド研究会”
最新の記事

New
見どころ満載!ファンにはうれしいアニメイベント「アニメエキスポ チビ 2024」開催!2024
詳細を見る
まだ間に合う!ホリデーシーズンに向けてキャンペーンの準備はできてる?
詳細を見る
アメリカの麺類: すっかり人気のラーメンに続く進化系麺料理は?
詳細を見る

ランキング

今月の人気記事はこれっ!

トップに
戻る