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“Stories are remembered up to 22 times more than facts alone”
ストーリーは真実を伝えられるよりも22倍記憶に残る。
これはスタンフォード大学ビジネススクールの研究で発表された一文です。[1]
人は感情移入したものほど記憶に残りやすい習性があり、それはビジネスにも応用出来ます。特に今の時代は、動画を使ったストーリーテリングをマーケティングに活用することが多く、この記事を読んでいる方の中にも印象に残っている企業動画やブランドストーリーなどがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、アメリカの企業で使われたストーリーテリングマーケティングの事例を出しながら、どのようにメッセージを伝えていくべきか、掘り下げてお伝えできたらと思います。
ストーリーテリングマーケティング事例1 「Huggies」
Huggiesはアメリカのオムツメーカーで、”No baby unhugged”というタイトルのストーリーテリングマーケティングキャンペーンを行いました。これは、ハグが赤ちゃんの心拍を安定させ、病気を予防し、成長を促し、脳の発達を促進するという研究結果に基づいて作られたもので、キャンペーン動画には、入院中の母親と新生児が登場します。母親が赤ちゃんを抱きしめている様子とともに、ハギーズは母親が赤ちゃんに贈ることができる最高の贈り物であるというメッセージを押し出しました。このマーケティングによって売り上げは30%増加したという結果が出ており、機能面だけではなく、いかに物語にのせて情緒的に訴えかけることが効果的かみてとれます。[2]
ストーリーテリングマーケティング事例2「Airbnb」
バケーションレンタル(民泊)を扱うオンラインマーケットプレイスであるAirbnbもストーリーテリングマーケティングのキャンペーンを行っていました。”Made possible by hosts”というキャンペーン名で、民泊地の家主(ホスト)のリアルな旅人とのストーリーと体験を紹介するハートフルなキャンペーンとなっています。そのストーリーをベースに動画が制作され、Airbnbで旅行に行きたくなるような心温まる動画を見ることができます。興味深いのはAirbnbを使用するお客様にではなく、ホスト側にスポットライトを当てることで、自宅をAirbnbとして貸し出すことで生まれた人と人との繋がりの大切さを感じることができることです。Airbnbにしかできないユニークなキャンペーン事例となっています。[3]
ストーリーテリングマーケティング事例3「Patagonia」
パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードは、70年代から同じメッセージを発してきています。「正直なメッセージと真実を伝える会社を作れば、顧客は何が正しいかを求めてパタゴニアに注目するようになる」このパタゴニアの企業文化は、持続可能で高品質な製品を創造することに重点を置きながら、顧客に環境に良い影響を与えるよう促すことにあります。パタゴニアは誠実で透明性のあるメッセージングに努め、正しいことをすることで顧客のロイヤルティが得られると信じています。また、パタゴニアが伝え続けているメッセージとして有名なものは「パタゴニア製品を買わないでください」です。パタゴニアは自社製品を使えなくなるまで、修理できなくなるまで着るべきだというストーリーを守り続けてきており、基本的に、子供たちがパタゴニアのコートを卒業しても新しいコートを買わず、それを受け継いでいく小さなコミュニティの物語を消費者に伝え続けてきています。
上記は、ほんの一例に過ぎませんが、このようにアメリカでは、その商品やサービスの業種問わず、ストーリーテリングマーケティングが非常に多く使われています。購買を決定する上で、機能面が優れていることも非常に重要ですが、感情に訴えかけてくるメッセージや言語化できないワクワクする気持ちも、もちろん重要です。
ストーリーテリングマーケティングには企業のバリューやミッションが色濃く反映され、消費者に伝わりやすい物語の形で伝わっていきますので、実施する際には何を伝えたいのか、どんな思いがあるのか、を考える必要があります。日本の商品やサービスを、ストーリーテリングマーケティングを通して広め、アメリカ市場でも認知度を高めていきたい、セールスを上げていきたい方は、ワイズアンドパートナーズにご相談ください。
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティング、ブランディングを統合的に支援しています。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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