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近年アメリカでは、食品や飲料、サプリメントの分野で「健康志向」や「ウェルネス」をキーワードにした新しい商品が次々に登場しています。アメリカの食事といえば、ピザやハンバーガーなど「ジャンクフード」のイメージがあるかと思いますが、実はそれだけではなく、昨今では健康意識の高い消費者のライフスタイルや価値観に寄り添った商品展開や、マーケティングが展開されているのをご存知ですか?
今回は、2025年に注目を集めている商品やカテゴリーを取り上げ、それぞれのマーケティング手法を整理しご紹介していきたいと思います!アメリカの最新の人気カテゴリー商品に興味がある方はぜひご一読ください。
1. アメリカの高タンパクスナック菓子とセレブ起用:広がる健康志向トレンド
日本でも、オイコスやサラダチキン、プロテインなど高タンパク質の商品が大人気ですが、アメリカでもプロテインバーや高タンパクチップスなど「たんぱく質強化スナック菓子」が引き続き人気です。[1] 特に話題となっているのは、セレブリティが関与するブランドで、クロエ・カーダシアンがプロデュースしている「khloud」というプロテイン・ポップコーンは、商品の機能性に加えて「憧れのライフスタイル」と結びつけることで消費者の支持を集めています。[2] そもそもアメリカのポップコーンは、日本とは比べものにならないほど種類やフレーバーが豊富で、軽く食べられるうえに罪悪感も少ないスナック菓子。そこに「高たんぱく」という要素が加われば、まさに鬼に金棒ですね!
マーケティング手法
- セレブやインフルエンサーによる認知拡大
- 「高タンパク」「低糖」「グルテンフリー」など、明快な健康訴求
- D2C(Direct to Consumer)での展開やサブスクリプション販売
2. 機能性スナック菓子・飲料:罪悪感ゼロで楽しむ健康系おやつ
「罪悪感なく楽しめる(guilt-free)」をキーワードに、プレバイオティクス入りソーダや低糖キャンディーといった機能性スナック菓子が拡大しています。今トレンドの腸内環境を整える「腸活」ソーダは、以前ブログにも記載しましたが「機能性炭酸飲料」の人気もまだまだ高く、健康に良い成分を加えつつ、“おやつを食べたい気持ち”を満たせる点が強みのカテゴリーです。低糖キャンディーは、おしゃれなパッケージでアメリカのスーパーやドラッグストアでもよく見かけるようになりました。「1g sugar」とパッケージに大きく書いてある星型グミのBehaveや、NBAスターのジェイソン・テイタムが息子のために作成したSmall winsなど、[3]日本のお菓子もこの「機能性」や「ヘルシー」をフックにアメリカでも受け入れられるかもしれません。
マーケティング手法
- パッケージに成分や効果を明確に表示
- SNSで「健康なのにおいしい」というユーザー体験を共有
- インフルエンサーとのコラボで日常利用シーンを発信
3. アメリカの電解質ドリンク:夏の健康を守るヘルシーな水分補給
「LMNT」に代表される”電解質ドリンク”が人気急上昇中です。ちなみに「電解質ドリンク」とは人工甘味料を使わず、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムと言った体液に含まれる電解質(イオン)を補給する飲料のことを指します。[4] 特に今年の夏は世界中で非常に暑い年となりましたので、電解質ドリンクの人気が高まったのではないでしょうか。TikTokでは、自分で電解質ドリンクを作るloaded waterの作り方を紹介した動画が流行っており、若年層の関心を集めています。スイカジュースを入れたり、生のフルーツを入れたり、ココナッツ水を入れたりと、自分が好きな味の電解質ドリンクを作り、暑い夏を乗り過ごそうと言った投稿が見受けられます。
マーケティング手法
- TikTokやInstagramでのASMR風動画による拡散
- 「暑い夏を健康的に乗り切る」「人工甘味料ゼロ」といった明確な健康訴求
- 日常の水分補給に溶け込むシーンを提案
4. サプリメント市場:トレンドは機能特化とパーソナライズ
2025年のアメリカにおけるサプリメントのトレンドは、単に健康をサポートするものから、特定の目的に特化した“カスタマイズ型”に変化しています。ライオンズメイン(キノコ由来)、ベルベリン(血糖コントロール)、NADサプリ(老化防止)、Magtein(脳機能向上)といった“目的別・専門性の高いサプリ”が注目を集めています。サプリメントにも毎年トレンドがあるのですが、今年は、免疫力を高める・ストレスや気分のサポート・腸の健康・女性の健康・関節のサポートのカテゴリーがトレンドになると言われています。「免疫力を高める」は、コロナ禍以降日本でもよく聞かれるようになった言葉ですが、アメリカでも免疫力を高める商品が多く出てきてきています。このように、個人個人で自分のサプリをパーソナライズし、自分の健康を守る時代になってきています。[5]
マーケティング手法
- 専門家コメントやエビデンスを前面に打ち出す
- SNSやポッドキャストで健康・長寿をテーマにした情報発信
- 定期購入モデルで継続摂取を促進
まとめ
2025年のアメリカ市場では、「健康志向」×「ライフスタイル提案」がマーケティングの大きな潮流となっています。どんなに素敵な商品でも、その商品が自分の生活スタイルとマッチしないと思われると購入には至らないため、セレブリティやインフルエンサーを活用し、彼らたちに「生活にどう馴染ませるか」を伝えてもらうことで、商品のアピールをナチュラルに行っていきます。D2Cやサブスクリプションなどの販売モデルが共通して見られる点も特徴的です。
日本企業にとっても、単なる「健康に良い商品」ではなく、消費者の価値観や日常生活にどう溶け込ませるかを考えたマーケティングが重要になってきています。今後は“機能性×体験価値”をどう組み合わせるかが、海外市場進出のカギとなるでしょう。
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から主に食品企業のマーケティングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングや消費者調査からデジタルマーケティングの施策運用まで、気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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