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近年、世界的にEC市場は急速に拡大していますが、特にコロナ禍以降、大きくオンラインへシフトし、EC市場がぐんぐん成長しています。今回は、アメリカと日本のEC市場の特徴と、サービス面での違いに焦点を当ててご紹介していきたいと思います!EC市場に関わる方々、ぜひご一読ください。
アメリカと日本のEC市場の規模と成長率
まずはアメリカ、日本、それぞれのEC市場の規模と成長率をみていきましょう。
アメリカのEC市場
アメリカのEC市場は、中国に次いで既に世界第2位の巨大市場でありながら、今なお安定した成長を続けています。2025年には約1.17兆ドル(約156兆円)に達すると予測されています。年平均成長率(CAGR 2025〜2030年)5.59%の成長が見込まれており、2030年には市場規模が約1.54兆ドル(約205兆円)に達する見込みです。[1]
日本のEC市場
日本のEC市場は、今後も大きく成長する可能性を秘めています。2025年には約1804.3億ドル(約24兆2,100億円)に達すると予測されています。年平均成長率(CAGR 2025〜2030年)9.67%の成長が見込まれており、2030年には市場規模が約2682.8億ドル(約36兆3,200億円)に達する見込みです。[2]
1. アメリカと日本のECサービスの違い
(1) 商品ページの情報量
アメリカのECサイト、特に Amazon US を見てみると、商品ページ下部に動画が組み込まれているケースが非常に多いことに気づきます。使用方法や開封の様子、サイズ感や使用イメージ、さらには利用者の声をまとめたクリップなど、消費者が商品を「疑似体験」できるコンテンツが豊富に掲載されています。
一方で、日本の Amazon では、商品にもよりますが、画像やテキスト・グラフィックでの説明が多く、動画が掲載されているケースはまだ少数派です。
このように世界中で使われている Amazon でも、国によって違いがあるので注意が必要です。
(2) レビュー文化
アメリカではレビューの記載率が高く、かつ動画付きレビューや長文レビューも多く見られます。消費者は購入前にレビューを細かくチェックし、具体的な使用感や比較情報を参考にします。
[3]日本でも、もちろんレビューは重視されていますが、どちらかというとぱっと見の「星の数」が重視される傾向にあるのではないでしょうか。レビュー本文の一次情報(使用文脈や写真・動画)まで読み込む割合には、まだ差がある印象です。
(3) 配送サービス
アメリカでは Amazon Prime を中心に、当日配送や翌日配送といったスピード配送が広く普及しています。また、ウォルマートやターゲットをはじめ多くの小売が導入している BOPIS(Buy Online, Pick up In Store:オンライン購入・店舗受取) も一般的です。消費者にとっては送料がかからないというメリットがあり、メーカー・小売側にとっても返品率の抑制やクロスセルの機会につながります。
[4] 一方日本では、翌日配送サービスは一定程度浸透していますが、当日配送やBOPISはまだ限定的です。
(4) ライブコマースの成長
アメリカのECは「買い物体験」を重視し、動画やライブコマース、インフルエンサーマーケティングが積極的に取り入れられています。視聴しながらすぐに購入できる体験は、特にファッションやビューティーと相性が良く、ライブ視聴からの即時購入が一般化しつつあります。
[5] 日本でも導入は進んでいますが、現状はカテゴリーや企業規模により温度差があり、全体最適ができているとはまだ言えません。エンタメ性を取り入れた購買体験であるライブコマースは、日本とアメリカのEC市場の違いを示す代表例と言えるでしょう。
2. ソーシャルコマースは世界的に主流に!
Instagram や TikTok などから EC に直結する「ソーシャルコマース」は、アメリカ・日本の両国で徐々に一般化してきています。特にショート動画での発見を起点に、比較 → 検討 → 購入までの距離が短くなっており、「出会ってからすぐに買える」ことを重視するケースが増えています。広告やアカウントページをきっかけに商品を購入した経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際、日本ではある調査によると Instagram 利用者の約55%が「Instagramをきっかけに購入したことがある」と回答しています [6]。アメリカでも同様の傾向が見られ、ソーシャル起点の購買体験は70%と、今後ますます主流になっていくと考えられます。[7]
3. 今後の展望
日本におけるEC市場はまだ成長の余地が大きく、特に「動画コンテンツの充実」や「ECと実店舗の融合」が次の成長の鍵になると考えられます。アメリカの事例から学べるのは、単に「商品を販売する」だけでなく、消費者に体験を提供することの重要性です。
また、レビューやUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用、返品対応の柔軟さ、カスタマーサポートの充実なども、ECにおける信頼構築のカギを握ります。配送スピードや価格競争だけでなく、こうした総合的な顧客体験(CX)が、今後のEC競争力を左右すると言えるでしょう。
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から主に食品企業のマーケティング支援を行ってきました。ブランド戦略・ブランディングや消費者調査から、デジタルマーケティングの施策運用(Amazon最適化、動画制作、ソーシャル/ライブ施策)まで、貴社の課題とゴールに合わせて伴走いたします。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参照元
- eCommerce - United States
- eCommerce - Japan
- The Power of Verified Reviews in Shaping Buying Decisions and Building Brand Trust
- How BOPIS Works in Retail: Benefits, Examples & Setup Tips
- U.S. Live Commerce Market Size & Outlook, 2024-2030
- Instagramの投稿を見て商品を購入したことがある人は37.8% | Instagramをきっかけとした購入経験に関する調査(2024年6月)
- 13 Instagram Commerce Statistics You Must Know in 2024
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