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先々週、ホリデーシーズンのセールレポートが、アメリカのリテール業界各社より開示されました。この記事では、パンデミック商戦と言われた2020年のホリデーシーズン、主要3店舗(Nordstrom、GameStop、Target)のパフォーマンスを見ていきます。結果は、e-コマースへ大きくシフトしながらも、対面販売の需要が消えていないことが大変興味深い内容となっています。
ホリデーシーズンが終わり、多くの企業は、ホリデーセールスの目標に対しパンデミックがどのような影響を与えたのか、数字を集計し理解しようとしています。以前、このブログで書いたように、多くの小売業者はホリデーセール期間を長く設定することで、2020年の最後の数ヶ月間での売上増加を計画していました。通常は数週間しか続かないセール期間を長期化させ、開始も11月、場合によっては10月まで前倒しし、週替わりのセールや1ヶ月に及ぶイベント等を行ないました。
多くの小売業者は、2020年のホリデーシーズンの見通しが厳しいことを予測しており、2020年のトレンドである「人との接触をできるだけ避けるためにオンライン化する」という流れに沿い、e-コマースへのシフトが大体的に行われました。しかし、自宅にいながら買い物ができるという手軽さはあっても、経済的な不安感が蔓延し、衝動買いが減ることで、売上が上がらないのではないかと心配する専門家もいました。
結果として、ホリデーシーズンの間に収益の伸びがあったのは嬉しいニュースです。2019年、ホリデーシーズンの収益の伸び率が4%だったのに対し、2020年はコロナ禍にも関わらず3.6%にも及びました。また、オンラインでのホリデーシーズンの収益の伸びは前年比32%だったことから、多くの人々はこのホリデーシーズンにオンラインとオフラインの両方を利用したと考えられます。[1]
では、大手の店舗はどうだったのでしょうか?
1)Nordstrom(ノードストローム):
高級百貨店ノードストロームはホリデーシーズン、大きな打撃を受けました。1月13日、彼らは1月2日以前の9週間(10月の最終週頃から始まるホリデーシーズン)の売上高が22%減少したと報告しました。しかし、その前の年に比べてデジタル販売が23%増加しており、ホリデーシーズンの売上高の50%以上を占めました。[2]
この売上の落ち込みはノードストロームにとって想定内のことで、うまくいけば、3月に報告される第4四半期の売上高は、不振だったホリデーシーズンを相殺するような売上高の増加を示すことになるかもしれないと期待されています。
2)GameStop(ゲームストップ):
ゲームソフトウェアおよびハードウェアの小売業者であるゲームストップのホリデーシーズンは好調だったようです。「どうぶつの森」がパンデミック中に一世を風靡したことを考えると、驚くことではないかもしれません。2020年の最初の6ヶ月間は、任天堂だけで2019年からの同期間と比較して733%の売上急増を記録しています。[3]
ゲームストップは2021年1月11日(月)、2019年の同時期と比較して、特にデジタルゲームの売上高が309%跳ね上がったと報告しています。[4]店頭での売上も増加していますが、4.8%の増加にとどまっています。これらの売上は非常に強力であり、eコマースへの急速な移行を示していることから、同社は顧客の要求に応えるためにeコマースの専門家を雇用しようとしています。
3)Target(ターゲット):
ターゲットは1月13日(水)、2019年の同時期と比較し、ホリデーシーズンの売上高が17.2%増加したと報告しました。興味深いことに、ターゲットはパンデミックの間、他店舗と同様にe-コマースの売上高が増加した一方で、店舗の対面販売での売上も適切に保持することができました。
ターゲットはパンデミック中も顧客を獲得しており、これは、ターゲットがロックダウン中も営業を継続していた数少ない店舗の一つであったためと考えられます。モール型店舗やノードストロームやゲームストップのような必要不可欠でない店舗は、ロックダウンが店舗営業の大きな障害となりました。一方で、多くの人々は、こういった店舗で購入していたもの(ゲーム、衣料品など)をターゲットやウォルマートのような店舗で買うようになっています。
ホリデー商戦のその売り上げと結果は、あまり驚くべきものではありませんでした。人々は2020年の年間を通し、外出の機会を減らしているため、新しく素敵な服を購入する必要がなくなりました。数え切れないほどのインフルエンサー、ブロガー、インターネット上のパーソナリティ、そしてミーム(ネタ動画)は、2020年4月頃からいわゆる「仕事着」を着る必要がないことの喜びについて絶賛してきました。人々が新しい服を必要としないこの期間中に、ノードストロームのような店舗がヒット商品を生むことができるか、注目が集まっています。
同じことはターゲットにも当てはまります。パンデミック初期の数日の間、ターゲットは多くの消費者にとって唯一の選択肢であったため、買い物客はおそらく必需品購入のためにターゲットに行く、という習慣を形成しました、以前はターゲットで買い物をする習慣がなかった人でさえ、今ではターゲットのような店舗での買物が習慣化していると考えられるため、モールのような大型ショッピングセンターの再開が許可されたとき、昔のショッピングパターンに戻るかどうかは興味深いところです。
2020年の最大のチェンジは、ゲームかもしれません。カジュアルな大人のビデオゲーマーはたくさんいましたが、パンデミックの影響でそれまでゲームの世界に手を出していなかった人が退屈さに打ち勝てず、多くの人々が初めてゲームを購入しました。ホリデーシーズンになると、ゲーム機のない家庭では、ホリデーセールを利用して購入する流れができあがりました。
1月20日に新政権が発足した後、ジョー・バイデン大統領とその政府がどのような制限やロックダウンを行うのかは興味深いところですが、2021年のホリデーシーズンは、2020年よりもより例年に近いホリデーシーズンになることを多くの人が期待しています。
参照元:
[1] https://www.practicalecommerce.com/2020-holiday-sales-wrap-up
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