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TikTok(ティックトック)のプラットフォームには、さまざまなサブジャンル動画が存在します。その中でも注目したいのが、比較的安価な中国製の便利家電やガジェットを披露し、ユーザーの購入意欲を刺激するもの。これらの動画は、「広告」と明言されないものの、明らかに製品のデモンストレーションです。これらの広告が優れているのは、通常のTikTokコンテンツに溶け込んでいる点だけでなく、マーケティング担当者が視聴者に購買を説得するのではなく、自ら納得して製品を購入するように働きかけている点です。
はじめに
TikTokのユーザーなら誰でも馴染みがある動画があります。そのジャンルに名前をつけるのは少し難しいのですが、特徴として、どの動画も次のようなストーリーラインで展開します。若い中国人女性が、夜や朝に高級マンションで、掃除など毎日のルーティーンの準備をしています。その際、その女性は自分のタスクを簡単にするために、アパート中にあるたくさんの魅力的な便利家電やガジェットを無言で使っていくのです。便利に洋服が収納できる特別なクローゼット、料理の前に野菜を洗う機械、片付けを助ける便利家電など。動画の細かな説明はなく、冒頭で「仕事から帰ったら」「寝る準備」といった一文が流れるだけ。
これらは一見、普通のTikTokのコンテンツに見えますが、実はコンテンツを装った広告の場合があります!
家電・ガジェット動画はコスパがいい!
これらの中国家電・ガジェット動画は、それぞれ数百万回の再生と「いいね!」を獲得しています。一見すると、撮影の計画やシーンのセッティング、編集に時間や労力がかかるようにも見えますが、意外と簡単に作ることができます。CMやその他の広告動画のように、お金をたくさんかけてマーケティングチームが行う複雑な内容と比較すれば、この動画がいかに費用対効果の高い、時間効率の良いコンテンツであるかがわかるでしょう。
しかも、これだけ人気があるのだからなおさらです。
これらのビデオは、見る人を惹きつけます。10数秒ごとに、新しい道具や小物、機械が登場します。次から次へと主人公がシンプルなガジェットの助けを借りて雑務をこなしていくのです。 それが中には何分も続くものもあるのですが、コンテンツを見るのに夢中になってしまい、ほとんど広告を見ていることに気がつきません。
TikTokのコンテンツ戦略は「オーディエンスに想像させる」こと。
TikTokは当初から、ブランドや広告を出したいと考えている人たちに対して、「広告を作るのではなく、TikTokを作ればいい」と言い続けていました。ブランドは、洗練されたビデオコンテンツを制作したり、新製品の宣伝のために有名人を使ったりする代わりに、TikTokにどうやって溶け込むかを学ぶ必要がありました。
実際、そうやってブランドが作ったTikTokのコンテンツを見分けるのは、うまく作られている場合とても難しいものです。TikTokがブランドのものであることを見分ける方法は、動画の数秒後に表示される「shop now」ボタンだけ、ということもある程です。
さらに、これらの動画の素晴らしい点は、視聴者が自発的に動いてくれることです。視聴者はすでに商品を買いたいと思っているため、「shop now」ボタンでしつこく催促する必要はありません。最小限の音楽と、強調された効果音によるシンプルな音環境により、視聴者はリラックスすることができます。人によっては、ボタンをクリックする音やドアを閉める音など、ASMRタイプの増幅された音で非常に落ち着くことができます。誰かが家事ルーティーンをするのを見ることで、自分なりのルーティーンを想像し、俳優が様々な製品を使うのを見て、自分の生活もその製品でよりよくなるのでは?と考えるのです。
だから、誰も視聴者にたくさん語り掛けたり、この製品で生活がより良くなることを無理にPRしたりはしません。TikTokをリラックスしながら眺め、自然と受け止めるからこそ、売上につながりやすいのです。
TikTokで目指すべき形は、「見せる」ことであり「語らない」こと。
TikTokは、これまでで最も革命的なソーシャルメディアプラットフォームです。これほどまでに成功した理由の一つは、ユーザーが自分の日常生活を「見せる」動画を投稿し、素早く何千人もの人々に共有できるからでしょう。
また、TikTokで最も多くシェアされている動画ジャンルが、新製品の購入動画やデモ動画であることから、ヒット商品の流行拡散のハブにもなっています。視聴者は商品を購入する前にプレビューし、それが機能するかどうか、実際のレビューを見ることができます。これは、知人に好きな商品やおすすめの商品について尋ねるのに似ています。この口コミのようなレビューシステムは、新規の売上を確保するための最も効果的な方法のひとつであることは、以前から知られています。
このクチコミのような共有方法を再現し、「視聴者が見たいものを素直に見せる」ことができている企業は、TikTokで、成功しています。一見して広告とわかってしまうPRよりも、シンプルでガジェットがわかるデモンストレーション。そして進んでみたくなるような。リラックスした動画の雰囲気づくり。
これこそが、TikTokコンテンツのアプローチやマーケティングキャンペーンを成功させるポイントです。視聴者に、なぜその製品が必要なのかを自分自身で判断してもらい、誘導することなく、その製品の可能性に気づいてもらいましょう。
ご自身のブランドやコミュニティでは、どこまで気を配った運用ができていますか? ワイズアンドパートナーズは、日本と米国において、ソーシャルメディア運用や分析をはじめ、ビデオやグラフィック、レシピコンテンツの制作まで、一貫してご支援しております。この機会に、ぜひ、ご相談ください。
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