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ファストフードチェーンのChipotle Mexican Grill(チポトレ・メキシカン・グリル)と化粧品ブランドのE.l.f. Cosmetics(エルフ・コスメティックス)が組み、話題を呼んでいます。なぜこの異業種コラボが実現したのでしょう?両社の積極的なTikTok(ティックトックマーケティング)は、あらゆる企業のアイデア開発のヒントになるでしょう。
米ファストフード店のチポトレが化粧品ブランドと新製品を開発?
Chipotleとは全米に2,700店以上の店舗を構える巨大メキシカンファストフードチェーンです。1そして、E.l.f. Cosmeticsとは、今アメリカで特に若年層に人気のヴィーガンコスメブランド。この2社が、昨年に続き2021年も限定コラボ商品を開発・発売しました。2020年のコラボ商品はわずか4分で完売し、多くの反響を呼んでいます。2
参照元:Forbes
限定コラボ商品として販売された商品は:
・Chipotleの素材が並ぶ注文カウンターを連想させるアイシャドウパレット
・アボガドの形をしたメイクスポンジ
・チリソースを連想させるリップグロス
・チップス袋デザインのメイクポーチ
これらの商品を購入した消費者は、Chipotleでチップスとワカモレ(アボガドを使ったメキシカンサルサ)の無料券がもらえる仕組みになっています。
また、Chipotleの店舗でも期間限定コラボメニューが登場。このメニューは人気ドラッグクイーンTrixie Mattel(トリクシー・マテル)とKim Chi(キム・チィー)がプロデュース。二人がChipotleとのコラボメニューを試食しながら、コラボ商品でメイクをしているYouTube動画も投稿され、絶大なPR効果を得ています。YouTube動画はこちら。
異業種コラボが実現した理由
一見なんの接点もない2つのブランドですが、なぜタッグを組むことになったのでしょう?
両社は共通して、「高品質な成分や素材を、良心的な価格で提供する」というミッションを持っています。E.l.f. Cosmeticsは動物由来の成分は一切使わないヴィーガン化粧品を展開し、成分にこだわりを持つブランドです。Chipotleも素材の新鮮さや品質に力を入れています。
Chipotleは2015年〜2018年にかけて、多数の食中毒事件を起こしたことでブランドイメージに傷を負っていました。そこから、徐々に信頼を回復し、復活を見せているこのタイミングで、さらに「素材の質」に定評のあるブランドと組むことで、ブランドイメージ向上につながったと言えるでしょう。
また、この2ブランドはZ世代をターゲットとしている点でも似ており、積極的なティックトックキャンペーンを展開していることでも有名です。
共通するミッションとターゲットを持つ両社が組めば、より多くのターゲットへ効果的にリーチし、ブランディングを高めることができると考えたのでしょう。
アイデア開発の参考になる、両社のティックトック成功例
E.l.f Cosmeticsは2019年にティックトックで最もUGC(ユーザー発信のコンテンツ)を生み出したと言われている記録的なキャンペーン#eyeslipsfaceを実施しています。完全なるオリジナル曲を制作し、その曲に合わせてユーザーが参加できるハッシュタッグチャレンジを展開。このキャンペーンは67億回の視聴数を獲得し、500万件のUGCにつながりました。3キャンペーンに関するブログ「美容ブランドのTikTokキャンペーンが、世界的なヒット曲に?」はこちら。
Chipotleも同じくティックトックに力を入れてきました。2019年5月5日には、Cinco de Mayo(アメリカでも大々的に祝われるメキシコプエブラ州の祝日)にちなんで#lidflipチャレンジを仕掛けました。Chipotleの人気メニューに付いてくる蓋をくるくるっと宙に回してキャッチする動画を、ティックトックで流行らせたのです。このチャレンジは、Chipotleの厨房スタッフのちょっとしたお遊びから着想を得たアイデアだそうです。ティックトックキャンペーン開始から6日間で11万件のUGC、104万回の視聴数を獲得しヒットしました。4同時に、この日にオンライン注文をすると送料無料キャンペーンが行われ、Chipotleのオンライン売上やアプリダウンロード増加に大きく貢献しました。
同年の7月31日には、National Avocado Day(アボガドの日)にちなんで、#GuacDanceチャレンジ(ワカモレダンス)を展開。当時SNSで流行っていた子供向けの歌「ワカモレの歌」に合わせて、ユーザーが自由に踊るという内容です。6日間で25万件のUGC、430万回の視聴数を獲得し、大成功しました。5同日、オンラインもしくはアプリで購入した方にはワカモレが無料でプレゼントされるキャンペーンを行い、売上に好影響をもたらしています。
マーケティング施策やアイデア開発に重要な観点
この事例から学べることは主に2つあります。一つ目は、親和性の高いブランドと組むことは時に良い化学反応を起こすという点です。Chipotleと
E.l.f. Cosmeticsはミッションの方向性が一致し、リーチしたいターゲットも共通していました。さらに両社ともティックトックで勢いのあるブランドでした。異なるフィールドで影響力を持つブランド同士が交わることで、相乗効果を生みました。
二つ目は、ターゲットの注目が集うプラットフォームを徹底的に学ぶことです。ChipotleとE.l.f. Cosmeticsの場合はZ世代をターゲットとしていたため、この世代に圧倒的な人気を誇るティックトックがマーケティングの主戦場でした。ここでどんなコンテンツが好まれるか分析をし、タイムリーなトピックや、些細なできことをも敏感にキャッチし、マーケテイングに活かしている点が成功の秘訣と言えるでしょう。
ワイズアンドパートナーズでは、SNSをつかった異業種コラボを企画し、積極的に推し進めています。SNSマーケティングでアイデアに行き詰まりを感じている方、最近の事例をご覧になりたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
参照元:
4 https://shortyawards.com/12th/chipotle-mexican-grill-takes-over-tiktok
5 https://www.marketingdive.com/news/chipotle-smashes-tiktok-records-with-guacdance-challenge/560102/
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