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De-Influencing( デ・インフルエンシング)はTikTokやInstagramなどを活用したインフルエンサーマーケティングにおける新しいムーブメントです。今、インフルエンサーマーケティングに何が起きているのか、インフルエンサーマーケティングの基本から、この新しいトレンド「De-Influencing」についてまで、ご紹介します!
方向転換するインフルエンサーたち
TikTokのようなソーシャルメディアプラットフォームが若い消費者の注目を集める中、インフルエンサーマーケティングは多くのマーケティング戦略においてますます重要なものになっており、その勢いは衰える気配がありません。多くのインフルエンサーは何年ものあいだ、商品の良い点を紹介し、何を買うべきかを伝えてきました。しかし、そのコンテンツ内容は少しずつ変化しており、昨今、何を買うべきでないかを語るように方向転換する人が増えています。つまり、最近のインフルエンサーは、「De-Influencing( デ・インフルエンシング)」という新しい方法でブランドを紹介するのがトレンドとなっているのです。
これはコンテンツクリエイターの誠実さがより評価されるようになったこと、経済的な不安から消費者が効果のあるとわかっている製品にしか投資しなくなったことなどが、背景にあると考えられます。
インフルエンサーマーケティングの重要性をおさらい
インフルエンサーマーケティングは、あらゆるソーシャルメディアマーケティング戦略の主要な手法のひとつです。影響力のあるインフルエンサーとつながることは、ターゲットとなるオーディエンスに商品をPRすることに大きく貢献してくれます。
実際、企業がインフルエンサーマーケティングに1ドル費やすごとに、平均して6.50ドルの収益が得られることが判明しています。
アメリカでは、2023年、インフルエンサーマーケティングの価値は211億ドルにまで成長すると予想されています。中でも最も人気のあるインフルエンサーマーケティングチャネルはTikTokで、インフルエンサー マーケティングを使用しているブランドの 56% が利用しています[1]。
実際、アメリカのマーケターの多くは、コストを抑えてプロモーションをするために、マイクロインフルエンサーと連携したプランを活用しています。例えばミレニアル世代の場合、50%がインフルエンサーPR投稿を信頼しているというデータがあるからです。実は、有名になればなるほどこの信頼性は低下傾向にあり、ビックインフルエンサーだと38%となっています[2]。有名なインフルエンサーは炎上を恐れ良いことしか言わないことが多い一方で、マイクロインフルエンサーは、スポンサーシップを多く持っていないから、正直に話したり多少間違ったことを話したりしてもリスクが少なく、率直な意見を自由にいっているからかもしれません。
De-Influencing( デ・インフルエンシング)とは何か?
De-Influencing( デ・インフルエンシング)とは、消費者に何を買うべきかを伝える代わりに、インフルエンサーが消費者に何を買うべきでないかを伝えるトレンドです。インフルエンサーたちはこぞって流行りに乗せられて不要なものを買わないよう人々を説得しようとしています。特にTikTokを中心に大きなムーブメントが起きており、#deinflucencingというハッシュタグのついた動画は2 月 21 日の時点で TikTok で約 2 億 800 万回再生されています[3]。
ここでは自分が購入したり、スポンサーがついたりした高価な製品について率直な意見を述べ、どのアイテムがお金を払う価値があったのか、あるいはどのアイテムは買わない方がいいのかを語っています。
美容インフルエンサーの間ではこのトレンドが顕著で、無料サンプルを送ってくれたり、賞賛を求めたりするブランドについて話すだけでなく、どのブランドや製品が実際に自分の時間を費やす価値があるか、期待通りの結果をもたらすかについて、メリットデメリットを話すことでオーディエンスが判断する手助けをしているのです。
なぜDe-Influencing( デ・インフルエンシング)が流行っているのか?
その理由は一概には言えませんが、私たちは次の2つの要素があると考えています。
1つ目は、先行き透明な経済状況の影響です。多くのアメリカ人が、インフレのストレスを感じています。卵のようなベーシックな食料品ですら、財政政策やサプライチェーンの問題によって驚くほど値上がりしており、贅沢をするために使えるお金が少なくなっています。経済が安定している時とは異なり、余裕を持って色々と試す機会が少ないため、消費する際にはできるだけ良いものを手に入れたいと考えています。
2つ目は、Z世代やミレニアル世代がコンテンツクリエイターに期待する誠実さのレベルがあがっていることにあるでしょう。SNS・デジタルネイティブなこの世代は、自分たちのお気に入りのインフルエンサーが、本当はその製品を気に入っていなくても、スポンサー契約のためにその製品を褒めなければならないことをよく知っています。クリエイターの反応が本物かどうか信用できず、結果、その商品に興味を持ちにくくなっています。
コンテンツクリエイターが自分の体験に正直になることで、Z世代やミレニアル世代は誠実だと好感を持ち、支持するようになるでしょう。
自社の商品やサービスが批判されたらどうするべきか?
特に取り扱っている商品が高級品、あるいは競合他社よりも高価だった場合、インフルエンサーのDe-Influencing(デ・インフルエンシング)リストに載ってしまうかもしれません。しかしこれは、慌てるべき問題ではありません。ほとんどのインフルエンサーは、商品の問題点ではなく、自分に合わなかった理由を個別に話すはずです。
英語では、“there’s no such thing as negative press”ということわざがあります。たとえそれが完璧な良い評価ではなかったとしても、露出することに意味があるというものです。つまり、インフルエンサーの#deinflucencing動画に納得がいかず、紹介された他の商品を試してみたいと思うオーディエンスは必ずいるはずですし、少なくとも、ブランド名が世に出て新たな潜在顧客の目に留まることにつながるでしょう。
気をつけなければいけないのは、インフルエンサーの投稿にコメントしたり、抗議のDMを送ったりすることです。それをどんなに注意深く行ったとしても、その多くはインフルエンサーを攻撃したと受け取られる可能性が高いからです。最悪の場合、良い評価を得るために必死に媚びていると思われてしまうかもしれません。そうすると、ますます消費者は離れていくでしょう。
インフルエンサーが直接攻撃してきたり、ファンにあなたのブランドを攻撃させたりしていない限りは、放っておくのが一番かもしれません。ソーシャルメディアにおける最良の反応は、無反応であることだからです。
まとめ: インフルエンサーマーケティングは慎重に。
インフルエンサーマーケティングは、ソーシャルメディアを見る側の人々がクリエイターに信頼性を求めるようになり、変化の兆しを見せています。De-Influencing( デ・インフルエンシング)というムーブメントは、インフルエンサーが飽和状態となりつつある今だからこそ、一部のクリエイターたちがコンテンツの新鮮さを保ちつつオーディエンスに支持されるために工夫した結果、生まれたものかもしれません。
いずれにせよ、マーケティング担当者は効果的なコンテンツを作りターゲット層にPRするための良い戦略を立てられるように、信じられない速さで進化するトレンドを常に掴むことが重要となってくるでしょう。
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