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社長の「のぶログ」 2021.07.01

コロナ禍のZ世代社員とのコミュニケーション。

アメリカ西海岸はすでにポストコロナの陽気で、流行りのレストランは煩いほどに賑わっている。コロナ禍で、駐車場にまで広がったテント張りのアウトドアシーティングは、そのまま使用が許されている。

外食の機会が増え、それと共にコミュニケーション量が激増していると感じる。おそらく言葉の万歩計みたいなもので計測したら、運動不足ならぬ言葉不足という結果は、間違っても出ないのではないかと思う。

会議という名のコミュニケーション量は飛躍的に増え、夜になると声が枯れるくらい話している日も増えた。ポストコロナに向け、新しいサービスの開発や業務改革を推し進めているということも、話す機会が増えた一因となっている。

しかし、一人ひとりとよく話ができているかと言えば、そうとは言えない。わたしは日頃はアメリカのホームオフィスにいるから、インターネットの回線越しにしか話をすることができない。

ぶらっと誰かの席に立ち寄ったり、キッチンでコーヒーを淹れている間に話をしたり、どこからともなく聞こえてくる電話の声に耳を傾けたり、そんな偶然の産物のような環境はもはやない。話をするのも、歯科医のような完全予約制になってしまった。しかも、時差も手伝って、夜の予約は絶えず埋まっている。

うちの皆ともっと個人的に話す時間を増やさないといけないなぁ。そんなことを考えていると、新卒2年目のLさんが、ディリーレポートにこんなことを書いてくれた。

「自分の思っていることを言葉にするのはむずかしい、と思っていましたが、最近言葉にできないことは自分でも理解できていないこと、はっきりしていないことなのだと気づきました」。

日頃、個人的に話す機会がないから、こういうディリーレポートやウィークリーレポートが、心の声を聞く数少ないコミュニケーションツールとなっている。

彼女は会議では、ほとんど声をあげることはない。こちらから意見を求めてもいつも言葉すくなげだ。これを読む限り、理解できてないから、言葉にできないと気づいたようだが、となると、理解できるまで口を開かなくなる可能性があるが、それではますますコミュニケーションの量が減ってしまうではないか。

「自分がわかっているかどうかは言葉で誰かに説明できるかどうかで判断できると思うので、その考え方で理解度を見ていこうと思います」とLさん。

ひとまず誰かに話してみて、うまく話せたらOK、話せなかったら何かが欠落している、それってどの部分? そうやって自己啓発的PDCAを回していくのかな? となれば、まずは会議じゃなくて、もう少し気軽に話せる相手を見つけたり、場をつくっていくことが大事になる。

彼女にはチューターをつけてはいるが、それ以外にも気軽に話ができる相手や和める場を私たちは提供できているだろうか? 週2日の出社では、圧倒的にそのPDCAを回す機会も不足しているだろうと思いつつ、いやそんな機会は自分でつくるくらいの積極性や社交性がないとね、などとも思う。

現状は、週2日以上が出社ルールになっていて、なかには毎日通ってくる人もいるのだから(それも茨城県から笑)、これから二回の予防接種を終えたら、もっと出社して話しまくるという方法も残されている。

すでにロサンゼルスでは、人々がオフィスに戻ってきている。いつもの慢性的な渋滞も始まっている。東京もそのうち健康になるだろう。ニューノーマルな時代の、Z世代社員とのコミュニケーションがどうなるのかが楽しみである。

 

 

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