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米国マーケティングトレンド研究会 2022.07.12

日本とアメリカのスターバックス、季節限定メニューで日米カルチャー比較をしてみた!

「スターバックス」といえば、季節ごとの限定メニューやグッズが印象的です。発売されるたびにSNSでトレンドワードになるなど、日本のファンに注目されているこの施策は、日本独自のものが数多く登場しており、同じ時期でもアメリカでは異なるメニューが販売されていたりします。今回はそんな両国の、2022年夏季限定メニューと表現の違いを感じつつ、日米比較に踏み込んでみたいと思います。

※2022年夏季限定「Theメロンofメロン フラペチーノ®」弊社スタッフ撮影

日本のスターバックス夏季限定メニュー

日本のスターバックスでは四季折々の期間限定メニューが展開されますが、アメリカでもそれは似ています。しかし、同時期のキャンペーンであっても、メニューが異なります。

たとえば、2022年6月1日~7月12日限定で登場したのが「Theメロンofメロン フラペチーノ®」。青肉と赤肉のメロンが交わり、視覚的にも楽しめます。果肉がたっぷりの飲み心地も好評で、発売期間内ではありますが、すでに完売してしまっている店舗が出ているほどの人気ぶりです。

商品コピーは、ドリンクのシズル感を重視していて、「爽やかな香り」「濃厚でコクのある」「果肉感たっぷり」「リッチでありながら涼やか」など、視覚的なイメージや味の表現に力を入れているように見えます。

スターバックス・ジャパンの商品コピー[1]:

“ジューシーで爽やかな香りの青肉メロン果汁と、濃厚でコクのある赤肉メロン果肉を重ね合わせたフラペチーノ®です。メロン果汁を使ったベースとミルクをブレンドし、角切りにした果肉感たっぷりのメロン果肉ソースを合わせ、メロンソースとメロンホイップクリームをトッピングしました。最後の一口までメロンの味わいが楽しめ、リッチでありながら涼やかさも感じる、夏本番にぴったりな一杯です。”

一方、アメリカのスターバックスの夏メニューは?

アメリカのスターバックスは、「パイナップル&パッションフルーツ・スターバックス・リフレッシャーズ®」と「スターバックス®パラダイスドリンク」を発売。「パイナップル」や「パッションフルーツ」など黄色い果実でそろえたイメージを打ち出しています。日本のように、風味を具体的に説明しているフレーズは見当たりません。

ちなみに、リフレッシャーズTMとは、果汁ジュース、果肉、そしてグリーンコーヒー(コーヒー豆を焙煎せず、生豆のまま成分を抽出したもの)をミックスして作ったもの。現在は日本では販売されていないので、馴染みのないメニューかも知れませんが、米国では定番となっています。コーヒーより控えめのカフェインと、果実の栄養にも着目した、まさにエナジードリンクのような扱いになっています。一部の商品には牛乳の代替品としてココナッツミルクなどが使われていることもあり、「ヴィーガン・ビバレッジ」と言われることもあります。

アメリカのスターバックス公式HPのPRコピーは? (翻訳)[2]

“夏の爽やかで、フレッシュなドリンクをどうぞ!パイナップル・パッションフルーツ・スターバック・スリフレッシャーズ®ドリンクとスターバックス®パラダイス・ドリンクのご紹介。「パイナップル・パッションフルーツ・スターバックス・リフレッシャーズ®」は、パイナップルとパッションフルーツのフレーバー、さいの目に切った本物のパイナップルを加えた爽やかなブレンドです。「ニュースターバックス® パラダイス・ドリンク」は、ココナッツミルクに、パイナップルとパッションフルーツのフレーバーに、さいの目に切った本物のパイナップルを加えています”

日本のコピーとくらべるとシンプルで、ドリンクに使っている材料など最低限の説明に留めています。味の印象を書かないひとつの理由は、さまざまな人種のカスタマーには、さまざまな味覚のセンサーがあることをわかっているからでしょう。

一方で、アメリカ現地のブログでは新作を楽しむことへの言及だけでなく、「健康面」や「ヴィーガンメニューであるか」など、素材への興味を喚起する記事が多くあがっていました。中には専門家が原料を分析するコメントを出している記事もあり、その部分には深いこだわりを感じます。これはもちろん、どちらの国の情報が良い/悪いということでなく利用者が期待するものが異なるからに違いありません。

両国のメニューとコミュニケーションを比較して考える文化の違い

日本の夏の季節限定メニューは、旬を迎えたフルーツを贅沢に楽しめるドリンクである点を強調しており、四季の豊かさと、その時期ごとの食べ物を楽しむ日本人の国民性に寄り添うといった意図を感じます。

一方で、アメリカでは「暑さ」に最適で、「さっぱりできる飲み物」という点にフォーカスしており、むしろ味の説明は控えめにして、ドリンクを飲むことで感じられるベネフィットを表現していると言えます。

このようにメニューや、それを表現するコピーは、そのブランドのターゲットや文化の違いを理解した上でつくりあげてゆく必要があります。今や、ソーシャルメディアでメニューの人気投票やレシピコンテストなども簡単にできる時代です。何が求められ、何が求められないか、をファンに確かめるのも難しいことではなくなりました。

「どうしたらそれができるようになるのか?」については、ぜひ弊社のソーシャルメディアチームまでご相談ください。

↓↓文化の違いは食だけでなく美容にも現れます↓↓

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参照元

  1. https://product.starbucks.co.jp/beverage/frappuccino/4524785494183/
  2. https://www.starbucks.com/

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