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昨今、「Eコマース」はコロナ禍の影響で広く利用されるようになりましたが、Mars Wrigley社が自動ツイートを利用してキャンペーンを成功させたのは、それよりも前のことでした。多くの企業がEコマースを活用するようになった今、競合よりも優れたビジネスを展開するには、どのようにすればよいのでしょうか? 鍵になるのは、どういった顧客層をターゲットにするのかマーケティング戦略の中でしっかりと見極めることです。
Mars Wrigley Confectionary社は、M&Ms、Twix、Snickers、Skittlesなど米国で人気のお菓子ブランドです。2015年には、より健康志向の消費者に向けて、「Goodnessknows」という間食用のシリーズブランドも立ち上げています。
同社が2018年に行ったキャンペーンでは、多くの人々の共感を得て、新たな顧客を開拓することに成功しました。
新規顧客獲得に向けて、特定の「地域」をターゲットにした新商品を投入
Goodnessknowsは、新しいフレーバーを発売することで、新規顧客を開拓していました。当時アメリカには、間食について新たなトレンドが生まれていました。人々は、従来のスーパーで売られているような菓子よりも健康的なものを求めるようになっていたのです。例えば、キャンディーやチップスではなく、グラノーラバーやグルテンフリーの食べ物などです。その傾向は、特にアメリカの大都市圏で顕著にみられました。
Goodnessknowsの発売にあたり、Mars Wrigley社が最初にターゲットにしたのは、ワシントン州シアトルです。シアトルは、健康志向の高い人が多いことで知られ、富裕層も多く住んでいます。そして何より、自分が何を目的にフィットネスをし、どんな成果を出しているのかソーシャルメディア上でオープンに発信する人が多く、彼らは広告のターゲット層として最適でした。Mars Wrigley社は、ソーシャルメディアによく投稿するシアトルのマラソンランナーをターゲットにすることで、一気に知名度をあげたのです。
また、それと同時に「ユーザーのツイート内容」に合わせた広告を配信しました。例えば、スムージーについてつぶやいたユーザーには、スムージーについて(そして、Goodnessknowsの製品をスムージーに入れたらどれだけおいしいかを)伝え、また、その製品を割引価格で購入できるといった内容の広告を出すのです。
キャンペーン期間中、Mars Wrigleyのツイートは147%のエンゲージメント率と18%のクリック率を記録しました[1]。
このターゲット戦略から学べること
これまで、スナック菓子はオンライン・デジタル・マーケティングにはあまり適していないと考えられていました。その理由は、アメリカでは(そして他の多くの国でも)スナック菓子は実際の売り場でも衝動買いが多いからです。他の食料品を買うためのレジ待ちの時や、店内をなんとなく眺めている時、たまたま目に留まったお菓子を購入するというケースが目立ちます。
オンラインショッピングでも衝動買いはあるのですが、こと「食品」はその対象になることはあまりないだろう、というのが多くの広告主の考えでした。ところがMars Wrigley社のこの施策によって、ピンポイントのオーディエンスに向けて適切な製品を紹介した広告を配信することによって、食品もオンラインでの衝動買いを誘発できることがわかったのです。
2022年の今となっては当たり前になりましたが、コロナ禍以前は、このような戦略について、あまり認識されていませんでした。それは、eコマースがまだビジネス上不可欠なツールにはなっていなかったからです。
結論
このキャンペーンが行われたのはコロナ禍以前で、まだeコマースが浸透していない時代でした。今は世の中が大きく変わっていて、食品から化粧品まで、あらゆる商品やサービスを購入するためにインターネットがこれまで以上に活用されています。そのため、オンラインキャンペーンを成功させるのは簡単でもあり、難しくもあります。
選択肢が広がっているという点は、広告主にとってはプラスに働くでしょう。特に、ユーザーのプライバシー保護対策が強化され、広告の制作が難しくなっているため、どのソーシャルメディアサイトも、効果的で優れたターゲット広告を提供しようと競い合っている状況です。
しかし一方で、eコマース・ビジネスが爆発的に普及した今、広告枠をめぐる競争は激化しています。つまり、成功を収めるためには、より多くのマーケティング予算をつぎ込むか、これまでよりもニッチなファンをつかむ必要があります。
このようなニッチなファンを見つけるには、Mars Wrigley社がシアトルでキャンペーンを展開した時のような分析力が不可欠です(シアトルが、ターゲットを絞った広告を出すのに最適な場所であり、その地域の特定の人々の中であれば成功を収めることができると、彼らは分析の上で導き出しています)。このような効果的なPRは、その国の地理、人々、そして消費者がどういったことに関心を持っているかについて熟知していなければ得られないものです。
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