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アニメや漫画などで、実在するブランドに似たブランドが登場する際、実在のブランド名、企業名をそのまま使用せず、その企業に似た名前の架空の企業が出てくることが多くあります。「ワクドナルド」は、言わずもがな「マクドナルド」に似たお店として様々な作品に登場し、アニメファンの間では有名な”架空ファストフード店”でした。
そんな「ワクドナルド」が”現実になる”マーケティングキャンペーンが、なんと本家のマクドナルドで実施され、アニメファンの間で大きな話題となりました。[1] 今回はそんなユーモア溢れたキャンペーンのご紹介をさせていただきます。
「ワクドナルド」マーケティングキャンペーン概要
2024年2月26日からアメリカのマクドナルドで行われたマーケティングキャンペーンなのですが、ハンバーガーやドリンクの包装ももちろんワクドナルドデザイン。限定のナゲットソースの販売のみならず、「NARUTO-ナルト-」や「ブリーチ」などの人気アニメーションを制作しているスタジオぴえろが、ワクドナルド公式MVと、キャンペーン期間中毎週更新されるショートアニメを制作しました。30秒の短尺アニメーションですが、アニメの4大ジャンルであるアクション、ロマンス、メカ、ファンタジーに分かれて展開されており、まるで本物のアニメのティザーのような作りとなっています。
これだけに留まらず、漫画もキャンペーン期間毎週更新をされており、こちらは人気イラストレーターのAcky Brightさんが手掛けています。Acky BrightさんはDCコミックの表紙や、BMWとのコラボレーションなども手掛ける漫画スタイルのイラストレーターで、今回は漫画制作とキャラクターデザインを行っています。[2]
彼の漫画は包装紙に冒頭部分のみ印刷されており、その続きはQRコードを読み込んでウェブサイトから漫画を読むことが出来るようになっていました。キャラクター設定もかなり作り込まれていて、読み応えたっぷりです。
さらに、ロサンゼルスにある店舗では、イマーシブ・ダイニングエクスペリエンスとして、マクドナルドのセットメニューを楽しみながら、360度のプロジェクションマッピングと4つのアニメのエピソードにインスパイアされたテーブルプロジェクションを通して食事を楽しむことができる特別イベントも実施されるなど、非常に大きなマーケティングキャンペーンとして打ち出されていました。
マーケティング担当者からのメッセージ
米国マクドナルドでチーフマーケティング及びカスタマーサービスオフィサーであるTariq Hassan氏は、「アニメは現代カルチャーの大きな部分を占めており、ファンの皆様が何年にもわたって、ワクドナルドとマクドナルドの話題をしてくれたことを非常に嬉しく思っています。ワクドナルドユニバースは、ファンの方々が想像したものを反映したものです。ファンの皆様の創造性を讃えると共に、このようにワクドナルドを実在させることができたことを光栄に思っています」と言っています。[2]
日本のポップカルチャーが、世界のエンタメへ
アニメ、漫画とキャンペーン限定とは思えぬほどの高クオリティの作品を生み出し、空想上のものであった「ワクドナルド」が現実に現す試みが新しく、純粋に面白いと感じたとともに、マクドナルドという全世界で最も有名なファストフード店が日本のポップカルチャーを大々的にマーケティングキャンペーンに活用したことで、改めて現在のアメリカでの日本人気を物語っていると感じました。
3年前に、タコベルがこちらのマーケティングキャンペーンと似たようなアニメ広告を実施しており、その際にもブログに取り上げました。 そこでも日本のアニメ人気を裏付けるマーケティングであることを紹介したのですが、そこから3年が経過しアニメや漫画がさらなる人気となり、今回のマクドナルドでのキャンペーンは、改めて世界でのアニメ人気を語る上での大きなターニングポイントと言えるのではないでしょうか。
今後もアニメや漫画などの日本のポップカルチャーがどのように成長していくのか、注目していきたいと思います!
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティング、ブランディングを統合的に支援しています。アメリカでのトレンドや、日本のポップカルチャーに関する市場調査や分析など、気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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