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米国マーケティングトレンド研究会 2022.03.23

【現地レポート】Natural Products Expo West 2022 で見た最新の食品トレンド!

先週、南カリフォルニアで開催されたNatural Products Expo Westへ参加してきました。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、これはアメリカ最大級の自然食品の展示会で、自然食品、飲料、消費財の最新トレンドを知るには絶好の場です。今後数年間で最も大きく成長すると思われる6つのカテゴリーについて、私たちの考察をお伝えします。

1. 植物性の代替肉

米国ではこの10年で植物由来の食品が大きく伸びています。サステナビリティに対する消費者の関心が高まる中、米国におけるベジタリアン人口は2022年には約7%*に増加し、人口の約39%がより多くの植物由来の製品を食生活に取り入れようと試みています**。このように代替肉が人々の生活に浸透すると共に、より高いクオリティーの製品が求められていることも確かです。今回Natural Products Expo Westで最も注目されていたブランドをいくつかご紹介します。

Omnifoodsは植物性のスパムや餃子、魚の切り身などを提供している先駆者であり、植物性食品の消費者を最も多く占めるZ世代とミレニアル世代***に向けてブランディングを行っています。これまで、Impossible FoodsやBeyond Beefなど、味に定評がある牛に代わる植物性製品はありましたが、これらのブランドに匹敵する豚肉や魚の代替肉ブランドはほとんどありませんでした。そんな中、Omnifoodsの製品は風味がよく、栄養価も高く、そして消費者にとって最も重要な要素である「おいしさ」を実現できたブランドと言えます。

もう一つの新興ブランドは、鶏の代替肉に焦点をあてたDaringです。彼らは、本物のような味わいだけでなく、多くの同業他社が実現できなかった鶏肉の「食感」を再現することに成功したのです。DaringもZ世代とミレニアル世代をターゲットにし、大胆で目を引くブランドメッセージやクリエイティブを展開していました。

韓国の豆腐メーカーNasoya (Pulmuone) が経営するPlantspiredは、今年5月に植物性ステーキを新発売する予定だそうです。ImpossibleやBeyond Beefが挽肉をマスターした一方で、ステーキの代替品としてはセイタン(グルテンミート)以外にあまり例がなく、本物と同等とは言い難い製品しか販売されていないのが現状です。Plantspiredが販売するこの代替ステーキを試食したところ、おどろく程ジューシーで香ばしく、本物に近いおいしさでした。味に関しては申し分がない一方で、OmnifoodsやDaringのような、目を引く大胆な外観に比べ、ブランディングは少し控えめで、伝統的だと感じました。

2. 代替乳製品

今年も引き続き勢いを見せているカテゴリーは「オーツミルク」です。代表的なブランドであるOatlyはコーヒーに合う代替ミルクとして、おしゃれカフェのバリスタを中心にアプローチし、人気に火がつきました。日本のBlue Bottleカフェでも提供されているイギリスのMinor Figuresも注目されているブランドです。

さらに新しい代替ミルクとして、エンドウ豆からつくられた「ピーミルク」からも目が離せません。注目ポイントは、代替乳製品でありながら、ナッツアレルギーを持つ方や大豆不耐性の方も安心して飲める点です。

ピーミルクのブランドSproudの無糖ミルクを試飲したところ、懸念していたエンドウ豆の味は全くせず、あっさりとしていておいしかったです。オーツミルクと豆乳のハイブリッドといったところでしょうか。

エンドウ豆はタンパク質が豊富であるため、他の植物性食品にも多く使用されている材料です****。また、生産過程で水や肥料の使用を比較的少量に抑えることができるため、持続可能なオプションとして米国で人気を集めており、今後数年でメジャーな存在になることが予想されます。

3. アダプトゲン

アダプトゲンとはハーブやキノコなどに含まれ、昔から漢方やアーユルヴェーダなどで利用されてきました。ストレスの抵抗力や免疫力を高める効果が期待できるため、パンデミック発生以来、大きな成長市場となっています。

Natural Products Expo Westでは、アダプトゲンを含むサプリメントが多数展示されていました。最近では、Culture ShroomsAmaz Yerba Mateといったブランドのように、アダプトゲン入りのコーヒーやティーなどのドリンクが登場しています。

キノコのアダプトゲン以外にも、ターメリック、アシュワガンダ、モリンガは、スナックや飲料ブランドの主役として人気を集めています。Sunday Snacksはターメリックポップコーンを、Mori Leaf Teaは抗酸化作用と抗炎症作用を持つモリンガリーフティーのラインアップを展示していました。

4. プロバイオティクス

Kombuchaのようなプロバイオティクス入り飲料も引き続き人気です。特にPoppi、Ollipop、Culture Popなどのブランドは、従来アメリカ人に支持されてきた、砂糖を多く含むソーダに代わる製品としてブランディングしています。これらのブランドは新しいフレーバーを開発すると共に、昔懐かしのコーラ、ルートビア、レモンライム、ジンジャーエール味も揃え、より健康的なソーダオプションとして打ち出しています。

5. 麺の代替品

米国では炭水化物の摂取を減らすために、麺の代替品が大流行しています。レンズ豆やほうれん草のパスタ、ひよこ豆のパスタなど、さまざまな種類があります。

ひよこ豆のパスタで人気のBANZAは、高タンパクであることが特徴で、体質改善や筋肉量を増やすことに重点を置く健康志向の人々から支持されています。栄養面では通常のパスタよりはるかに優れていますが、味や食感は粒々感が残り、改善の余地がありそうです。

Miracle Noodleの白滝麺は、ラーメンやフォーの麺の代わりとして、アメリカの食料品店のアジアンコーナーやヴィーガンコーナーでよく見られるようになりました。

6. サステナブルブランド

Natural Products Expo Westでは、ほとんどのブランドが何らかの形でサステナビリティに取り組んでいましたが、中にはこれをメインセールスポイントとしているブランドもありました。「食べられるスプーン」や、再利用可能なバッグなど、注目すべき新発明を数多く目にすることができました。

再利用可能なジップロックバッグStasherは、急速に有名になったブランドの一つです。同社のシリコンバッグは電子レンジで加熱、煮沸、冷凍、そしてオーブンで焼くこともでき、マルチユース製品として優れています。今後もあらゆる産業でこのようなサステナビリティを軸にしたイノベーションが起こることが予想されます。

そして今回のNatural Products Expo Westでは、多くの日本企業のブースも賑わっていました。伊藤園、ミツカン、マルコメ、カルビー、オタフクソースなど、お茶、調味料、味噌、スナック菓子などの企業が、米国市場に投資している様子が見て取れました。

以上が今年のNatural Products Expo Westで特に注目を集めていた6つのカテゴリーでした。今後の新商品開発や新規事業のご参考にしていただけますと幸いです。ここでご紹介したブランドの動向は引き続き追ってレポートします!

Natural Product Expoは大盛況で、新規ブランドが市場を獲得しようとする勢いが見えました! 植物性の商品、アダプトゲン、プロバイオティクス関連の商品、代替麺、サステイナブルな商品をお持ちのみなさま、是非お話だけでもしてみませんか? お気軽にご連絡ください!

*Gallup Poll:Gallupは、2018年、米国人口の5%がベジタリアン、3%がビーガンと認識したと発表しています。Statistaも、米国人口の5%がベジタリアン、2%がヴィーガンと報告しています。すべての数字は自己申告であるため、各カテゴリーの人々の定義が異なる場合があり、正確な量に多少の相違がある可能性があります。

**2017 Survey by Nielsen

***Survey by Statista

**** University of Virginia School of Medicine: Nutrition Issues in Gastroenterology

Moo-ove Over, Cow’s Milk: The Rise of Plant-Based Dairy Alternatives

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