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日本の当たり前を見直すと、地方創生のヒントがあるかもしれません
地方創生を考える際、「うちの自治体には、なんの観光資源もない」と考える地方自治体の方もいらっしゃるかと思います。そんな自治体にも、インバウンドの活路があるかもしれません。なぜなら、日本人には当たり前のものが、外国人にはとても魅力的に映ることがあるからです。
日本は国土のおおよそ7割を山や森林で囲まれる自然大国です。日頃から日本の自然風景に慣れ親しんでいる我々日本人にとっては当たり前だと思っている風景も、外国人観光客には大きな魅力に感じられるのです。
動物×インバウンドの可能性
たとえば、広島県竹原市の大久野島では、約1000匹のウサギが暮らしています。自生しているウサギと触れ合うことができるとあって、大久野島を訪れる外国人観光客が急増。YouTube内には大久野島でウサギと触れ合う様子の投稿が多く存在します。
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他にも、愛媛県大洲市の青島や宮城県石巻市の田代島は猫島として知られ、大久野島のウサギと同じく多くの猫と触れ合おうと外国人観光客がこぞって訪れています。
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また、世界で唯一温泉に入る長野県の地獄谷野猿公苑のニホンザルも大人気です。英語ではSnow Monkey Mountainと呼ばれており、海外ではテレビで取り上げられ、YouTubeでは動画投稿が多く上がるなど、人気のスポットです。
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Youtubeが火付け役になった例も紹介します。宮城県白石市にある宮城蔵王キツネ村は約250頭のキツネが住むテーマパークとして知られ、Youtubeにも多くの動画が上げられています。下の動画はこの蔵王キツネ村の人気に火をつけたと言われる動画です。
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このように、日本人にとっては身近な動物でも、外国人には新鮮かつ魅力的なのです。いずれも東京や京都、大阪といった日本の主要観光スポットから遠く、さらに交通アクセスが悪くても、動物に触れ合えるチャンスから、多くの外国人観光客が訪れます。
広島県観光課の発表によると、平成20年度の竹原市への観光客数880千人(うち大久野島への観光客数142千人)から、平成27年度には1317千人(うち大久野島への観光客数254千人)に伸び、さらに平成20年度の外国人観光客数1千人から、平成27年度には18千人、つまり7年で約18倍の伸びを記録し、インバウンドに大きな効果を出していることが分かります。
日本人の当たり前×インバウンドの可能性
一方で、「うちには動物がたくさんいる場所なんてないし、田んぼしかないただの田舎だ」と思う自治体関係の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これこそ日本人が当たり前に思っている、日本の魅力の原石なのです。
私たち日本人にとって、日本の田舎といえば、田んぼや畑が広がり、自然が溢れている風景を思い浮かべます。
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この動画は、伊予灘を訪れる外国人観光客の動画ですが、映っているのは日本の普段の風景で、電車の切符を買う様子や車窓から風景を撮影する様子を撮影しています。ここには著名な自然遺産など一切出てきませんが、普段私達が当たり前に受け入れている「田舎」を、新鮮で魅力ある観光スポットとして楽しんでいます。
秋田県×日本人の当たり前×インバウンドの可能性
そんな中、秋田県がある取り組みを行っています。
観光庁によると、都道府県別外国人述べ宿泊者数推移表(対前年同月比推移表)における秋田県の外国人宿泊者数は、平成29年1月で6140人、2月は10,200人でした。これを前年同月と比較すると、1月は+126.57、2月は+168.42と全都道府県で最も大きい増加率を記録しています。これほどの増加率が出たのも、日本らしい風景を求めての結果なのかもしれません。
秋田県では、農山漁村地域の生活を体験する「グリーン・ツーリズム」を行っており、その中でも秋田県仙北市は、地域ぐるみで外国人旅行客の受け入れに取り組んでいる地域です。辺りには一面の畑や山々が広がるいわゆる普通の「田舎」ですが、近所を散歩して秋田県の自然を堪能したり、一緒に買物をするなど、日常の何気ない出来事の一つ一つを、外国人旅行客に貴重な体験として提供しています。
このように、私達の感じている当たり前を見直すと、意外なところに地方創生のヒントがあるかもしれません。魅力のない、何もアピールできるものがないと思い込むのではなく、一度自分たちの地域の魅力を見つめ直すと、地方創生のチャンスが生まれるかもしれません。
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参考記事・統計資料
インバウンドナビ 東北インバウンド市場の拡大に向けて <プロモーション編>
秋田魁新報社 外国人観光客誘致 体験型で需要取り込め
観光庁 宿泊旅行統計調査第2次速報平成29年2月分(第2時速報値)
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