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日本の美容業界で話題となっている「美肌菌」は、アメリカの美容シーンでも盛り上がりをみせています。今回のブログでは、アメリカの美肌菌ブームと、米国で成功しているスキンケアブランド、いわゆる「菌活スキンケア」をいくつか紹介します。このブームは、日本の化粧品企業にとって米国進出のチャンスとなるかもしれません。
「美肌菌」とは?
肌の表面には「皮膚常在菌」と呼ばれる、肌の健康を左右する250種類以上の菌が存在します。これらの菌がそれぞれバランスを保って生息することが、美肌にとって大切だと考えられています。そして、中でも「美肌菌」と呼ばれる菌は、潤い成分を生み出したり、外部の刺激から肌を守るバリア機能を高めたり、健康な肌をつくる上で欠かせないものとして近年、話題を呼んでいます。腸内に棲む菌たちのバランスを保つことで、健康的な身体をつくる活動を「腸活」のことを言いますが、この腸内の菌と同じく肌の表面にも存在する菌のことです。
皮膚常在菌のことをアメリカでは「Skin Microbiome」(スキン・マイクロバイオーム)と呼び、いま多くのメディアや化粧品ブランドがトピックとして取り上げられています。
コロナで「菌活スキンケア」がアメリカで注目を浴びている理由
コロナによって、アメリカではこれまで以上にスキン・マイクロバイオームに対する意識が高まっています。頻繁に消毒をしたり、手を洗う回数が増えたりすることによって、皮膚常在菌のバランスが崩れ、肌トラブルにつながるケースが増えています。マスクの着け外しによって、ニキビができてしまうことを「マスク」と「アクネ」を組み合わせた「maskne」と言う造語ができましたが、これも皮膚常在菌のバランスが崩れたことによって発生しています。アメリカの人々はこのような肌荒れに対して敏感であり、あらゆる解決策を求めているのです。
アメリカで人気を集める菌活スキンケア
そんな状況の中、「菌活スキンケア」に注目が集まっています。菌活スキンケアとは、美肌菌を育てる化粧品や、皮膚常在菌のバランスを整える化粧品のことを指します。ここで、米国の代表的な菌活スキンケアブランドをいくつかご紹介しましょう。
1)TULA
菌活スキンケアで有名なブランドと言えばTULA(トゥーラ)です。米国のミレニアル世代から絶大な支持を集めるトゥーラは、胃腸科専門医の創設者が開発したプロバイオティックス(人間の身体にに良い働きをかける生きた微生物)を活用した美容ブランドです。2014年の立ち上げから、主にSNSやインフルエンサーを使ったマーケティング活動で急成長を遂げた、菌活スキンケアの先駆者とも言えます。このブランドのSNS戦略については過去のブログをご参照ください。
コロナ禍で急成長のTULAに学ぶインフルエンサー戦略
SNSを活用して急成長している美容ブランドTULA(トゥーラ)は、コロナ禍で過去最高の売上を記録しました。その成功の秘訣は、インフルエンサー戦略における一貫したこだわりにありました。そのこだわりに迫ると共に、最新事例から […]
2)Kinship
2019年に誕生した菌活スキンケア、Kinship(キンシップ)は独自の発酵乳酸菌「Kinbiome」を配合した化粧品を開発し、アメリカのティーンや若い世代に向けてマーケティングをしています。ティーン向けの化粧品は、これまで洗浄力が強い刺激的な成分でつくられているものが主流で、このような製品がニキビ対策にも有効だと思われてきました。しかし、これらは肌に必要な菌までも取り除いてしまい、逆にニキビや肌荒れの素となってしまいます。Kinshipはスキンケアを使い始める若い消費者にこそ、肌の正しい知識を身につけて欲しいという想いで商品開発をされたそうです。
サイト内では、「like kombucha 4 ur face」「まるで肌にとってのコンブチャ(発酵ドリンク)」と言うコピーと共に絵文字とミニマルなデザインで菌活の重要性を伝えています。難しい化学的な説明は最小限におさえ、ティーンにもわかりやすいクリエイティブを展開していることがうかがえます。
参照元:Kinship
キンシップは菌活スキンケアとしても有名ですが、サステナブルな化粧品としての評価も高いです。製品パッケージはすべてリサイクルされたプラスチックを使用。その中の一部は「Ocean Waste Plastic」が採用され、海に捨てられたプラスチックが再利用されています。パッケージに印字されているQRコードをスマホで読み込むと、どこからプラスチックが集められたのかがわかるようになっています。米国の美容市場では、パッケージの環境配慮は非常に大事なポイントなのです。
3)Mother Dirt
Mother Dirt(マザーダート)はAOB(アンモニア酸化菌)を活用した化粧品を展開。AOBは100年前に人間の肌に生息していた身体に良い菌でしたが、洗浄力の強すぎる製品を使い続けたことによって、人間の肌から消えてしまいました。2015年に誕生したMother Dirtは、この菌を復活させ、化粧品として人間の肌に取り戻す方法を開発。MIT(マサチューセッツ工科大学)の科学者
であり、創業者のDavid Whitlock(デイビッド・ウィットロック)はこの製品を使って、17年間お風呂に入っていないことで有名です。
参照元:Mother Dirt
アメリカの菌活スキンケアブームとJ-Beautyの親和性
今後、日本の化粧品企業にとってアメリカでの菌活スキンケアトレンドはチャンスとも言えるでしょう。なぜならば、皮膚常在菌のバランスを保つためには、シンプルなスキンケアが欠かせないからです。より肌に優しく、良質な化粧品が消費者から求められます。米国では、日本の美容ことJ-Beautyはミニマルで質が高いスキンケアとして定評があります。海外進出を検討されている日本の美容ブランドにとっては絶好のタイミングかもしれません。
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