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米国マーケティングトレンド研究会 2021.04.01

【SNSマーケティング】 ウォルマートのティックトック・ライブキャンペーン、ショップアロングとは?

ウォルマートは、顧客とつながることを中心に、TikTok(ティックトック)を利用したソーシャルメディア戦略を構築しました。ショッピングをより簡単に、そして楽しくするために「shop alongs(ショップアロング)」と呼ばれるライブショッピングイベントを開催しています。このイベントでは、ウォルマートSNSアカウントのライブストリーム視聴者が、インフルエンサーがお気に入りのウォルマート製品について話している様子を視聴することができます。ストリーム内では、レビューされている商品をショッピングカートに入れ、直接購入することができます。

2020年に10億回以上のダウンロードを達成したティックトックは、ソーシャルメディアにおいて注目すべき唯一のアプリとしての地位を確立しています。Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)は、新しい顧客を獲得したり、最新のトレンドを見つけたりするための機会を提供していますが、それらのトレンドのほとんどは、ティックトックで始まり、他のプラットフォームに移行しています。言い換えれば、何がトレンドなのか、何が流行るのかを知るためには、ティックトックが必要と言えます。

多くのブランドが、この短い形式の動画共有アプリで話題になろうとしています。何年も続いているブランドも、ティックトックの人気者たちが賞賛することで、人気が沸騰したり再燃したりしています。たとえば昨年、スキンケアブランドのCeraVe(セラヴィ)は、@SkincarebyHyramという一人のTikToker(ティックトッカー)のおかげで売上が大きく伸びました。低価格なのに効果抜群のスキンケア製品を紹介する彼の動画が話題になり、その中で注目されたのがセラヴィだったのです。このブランドはすぐに複数の店舗で売り切れとなり、その効果は他のソーシャルメディアプラットフォームにも波及するほど大きなものになりました。ツイッターでは、いつも使っているスキンケア製品が「ティックトックキッズ」に買い占められて在庫がないと、多くの愛用者が不満を漏らしていました1

今ウォルマートは、ティックトックで新しいことを試み、トレンドになるか、少なくとも若者の目を引くことを目指しています。

ウォルマートの華麗なるティックトック戦略、ショップ・アロング。

ウォルマートのCMOであるWilliam White(ウィリアム・ホワイト)氏は、彼らのティックトック戦略を「顧客の条件に合わせて顧客とつながることに重点を置いた戦略」と表現しています。ウォルマートは、顧客の多くがすでにティックトックを利用していることに気づき、彼らを他のSNSに誘うのではなく、彼らが既にいる場所をタッチポイントとする戦略を採りました。ティックトックの視聴者の多くは、小さい子供を持つミレニアル世代とZ世代のティーンエイジャーで、ウォルマートの購買層でもあります。

ショップアロングとは、あるアカウントのライブ動画を見ながら同時に買い物をするイベントです。ウォルマートの場合は、視聴者はライブストリームで美容・スキンケア商品を見て、その商品をショッピングカートに入れることができます。ウォルマートは以前、2020年のホリデーシーズンにこの戦術を採用しました。ライブストリームの視聴者は、1時間かけて商品を見せてもらいながら買い物をすることができました。これは、ウォルマートで購入できる服やファッションに大きく焦点を当てたものでした。

2021年3月11日、ウォルマートは、美容とスキンケア製品に焦点を当てた別のショップアロングを行うことにしました。このイベントは1時間にわたって行なわれ、ティックトックの著名なタレントが商品についてレポートしました。それだけではなく、インフルエンサーたちは商品を使ってチュートリアルを行い、商品の効果をリアルタイムで紹介しました。ストリーミング中、視聴者は商品のピンをタップして、商品を直接ショッピングカートに入れることができました。CMOによると、3月の美容系商品ライブストリームでは、12月のファッション系ショップのライブストリームよりもユニークビジター数が多かったとのことです2

まとめ

3月のイベントの後、ウォルマートはティックトックのオーディエンスを25%増やすことができました3。このイベントは、昨年開催された唯一の購入可能イベントではありませんが、最も人気のあるイベントの一つであることは間違いありません。また、ウォルマートは今後も多くのイベントを開催することを表明しています。ソーシャルコマースは、店舗が買い物客とつながり、購買行動を容易にするための主要な手段であることを証明しており、2027年には、ソーシャルコマースは6,000億ドルを超える産業になると予想されています4

パンデミックが続き、ロックダウン令が出されている今でも、店舗は顧客とつながるためのクリエイティブな方法をどんどん見つけ出しています。ウォルマートが開催しているようなライブショッピングイベントは、より親密なショッピング体験をしたいという要望と、自宅から離れたくないという要望のギャップを埋めるのに最適であると考えられます。

ある意味では、ショップアロングはケーブルテレビのショッピングチャンネルをアップデートしたようなものと言えます。ショッピングチャンネルはアメリカのポップカルチャーで何度も揶揄され、パロディ化されてきましたが、ティックトックアプリの便利なショッピング機能によって、その良さが復活しつつあります。

多くのショップやブランドは、国民がワクチン接種を完了した後、この1年以上にわたって培われてきたオンラインショッピングの習慣が、パンデミック前の古い対面式ショッピングの習慣に取って代わられることを懸念しています。基本的には、これまで低かった売上が低いままになることを恐れているのです。しかし、ウォルマートの例は、対面式のショッピングが「対人」である必要はないことを示しています。もしかしたら、テレビショッピングと同じようなスケジュールで、ライブのショッピングイベントが見られる時代が来るかもしれません。

 

参照元:

[1] https://www.vogue.com/article/tiktok-made-me-buy-it-cerave

[2] https://www.glossy.co/beauty/inside-walmarts-growing-tiktok-strategy/

[3] https://www.usatoday.com/story/tech/2021/03/09/walmart-host-tiktok-shopping-event-featuring-beauty-products/4644309001/

[4] https://www.pymnts.com/news/social-commerce/2021/walmart-announces-second-live-shopping-event-with-tiktok/

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