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Snapchat(スナップチャット)はショッピングとAR技術に重点を置いて拡大を続けています。Z世代の92%が「ARで買い物をしたい」と回答する中、スナップチャットの最新機能「Dress Up(ドレスアップ)」では、ARフィルターを使ってファッションアイテムを試着することができるのです。同社は、この機能にできるだけ簡単に商品を追加できるよう開発を進めています。このARカタログに小売業者が商品を載せられれば、「実店舗のように新しい発見を楽しみながら購入したい」と考えている人のニーズはもちろん、外出は好まないけれども好奇心の強いスナップチャットユーザーの売上も促進できそうです。
はじめに
アメリカ人の多くは、実店舗での買い物を好むことをご存知ですか? 新型コロナウィルスの大流行でオンラインショッピングやEコマースの利便性が当たり前になってきたものの、実店舗での買い物人気は根強くあります。
この傾向の大きな理由のひとつは、「購入前に商品を実際に触ることができる」点にあります。調査によると、24%の回答者が店頭での買い物が好きな理由としてこの点を挙げたそうです。その他の理由では、「カスタマーサービスが充実していること」や「新しい商品をその場で有機的に発見できること」が挙げられています。[1]
有名なソーシャルメディアプラットフォームであるスナップチャットは、AR技術によって対面でのショッピングと自宅でのショッピングの間のギャップを埋めようとしているのです。
ファッションアイテムを試着!スナップチャットの新機能 「ドレスアップ」
スナップチャットは先日「ドレスアップ」という新機能を発表しました。これは、スナップチャットのアプリ内で、ユーザーがARカメラを活用してファッションアイテムを「試着」できる機能です。例えば、靴が自分の足に似合うかを確認したいユーザーは、買い物オプションから靴を選び、カメラを自分の足に向けると、その靴がどう見えるかをデジタル上でリアルタイムで確認することができるのです。
同社は「ARソフトウェア開発キット」を共有することで、小売側がこのカメラ機能をユーザーに提供する支援をしています。この技術を使えば、小売業者も自社のウェブサイトから簡単にカタログをアプリに追加できます。これによりユーザーも、自宅に居ながらにして複数の商品を実際に試着してショッピングできるようになるのです。
スナップチャットがARをEコマースに利用するのは今回が初めてではありません。2022年1月、スナップチャットはナイキと提携し、スナップチャットで有名なレンズカルーセル用のレンズを制作しました。カメラアプリを開くと、ユーザーはさまざまなレンズやフィルターをスクロールして、撮影した映像や画像を加工することができます。ナイキのレンズは、ナイキの靴をユーザー自身がデザインして「試着」し、オンラインで共有できるようにしました。さらに、自分でデザインしたものを気に入れば、「購入」ボタンをクリックすることができました。[2]
ショッピング機能を利用して、ソーシャルエンゲージメントを促進。
スナップチャットはフィルターで有名です。フィルター自体はスナップチャット独自のものであっても、多くのユーザーはそのフィルターを使って動画を撮影し、Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)などの他のプラットフォームで共有します。その好例が、Doja Cat(ドージャ・キャット)の曲に合わせた赤いスナップチャットフィルターを使用した、2020年のシルエット・チャレンジです。このフィルターはTikTok内では適用できなかったにもかかわらず、拡散性の高いチャレンジネタとしてTikTokで広まりました 。[3]
ドレスアップARフィルターと機能を追加することで、スナップチャットは自社(とそのビジネスパートナー)を成功に導いています。ユーザーが新しい服装で自分自身を撮影し、それを世界に共有することは、ブランドからの働きかけを必要としない、素晴らしい無料のマーケティング手法です。人々は、すでにオンライン上で常に服装を共有しています。これは、TikTokの最も大きなタグの一つは「ファッション」であることからも明らかです。[4]さらに、TikTok上のトレンドとして、古着屋やSHEIN(シーイン)などの小売から大量に購入したさまざまな服を着こなすものがあります。特に、シーインは安さが売りなので、「SHEIN haul(シーイン全購入品紹介・シーインで全コーデ等)」はTikTokで人気タグになっています。つまり、お金をかけなくても、たくさんのコンテンツをユーザー側が作ってくれているのです。
上記のようないわゆる「バズり」の結果、ブランドとしてシーインが広まりました。30歳以上にはまだあまり知られていませんが、若い世代は誰でも認知するようなブランドになっています。このような、オンライン上での自然な拡散に成功すれば、ブランドはユビキタス性(=いつでもそのブランドがユーザーにアプローチできる環境)を獲得することができるのです。
まとめ
Z世代の92%が「ARを使ったショッピングに興味がある」と答えている点は、今後さらに意識していくべきでしょう。[5]
ドレスアップAR機能に自社の商品を追加するだけで、このような販売機会を増やすことができます。ユーザーが製品を購入する前に、製品を使ってコンテンツを作成できるようにすることも大きなポイントです。消費を促進するコンテンツがどんどん作られ、拡散されやすくなります。
あらゆるソーシャルメディア戦略のゴールは、「拡散されること」です。これは、視聴者が他の人に見せたり、自分のフィードに共有したりしたくなるような、共感を呼ぶコンテンツを投稿することで実現します。そこで肯定的な反応が多く得られれば、AR体験から実際の製品を購入してくれる可能性も高まります。
また、スナップチャットの新しいARショッピング機能は、ブランドにとって、何が流行り、流行らないかを確認するための有効なテストにもなります。顧客がどんな商品に最も反応し、どんな商品は共有しないのか、そして、どんなスタイルが将来的に注目を集めるのかを知る良い機会にもなるでしょう。
自社で洋服などのブランドを扱っているのであれば、スナップチャットのドレスアップ機能にカタログを追加してみる価値は十分にあると言えますね。
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参照元
- Nearly half of consumers prefer to shop in-person — here’s why
- Snap’s new AR tools turn photos into 3D assets, let retailers use Snap’s AR tech in their own apps
- What Is the Silhouette Challenge? A Breakdown of TikTok's Provocative and Dangerous Viral Trend
- The Best TikTok Hashtags for Growth in 2024
- Snapchat: 92% of Gen Z want to use AR for shopping
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