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みなさん、ニキビができると落ち込みますよね?その感覚はアメリカでも例外ではありません。そんなニキビが呼び起こすネガティブな感情をポジティブに変換するブランドが現れました。Z世代から絶大な支持を得ているこのブランドは、ブランディングの力で急成長しています。
ニキビケアを楽しく!スターフェースってどんなブランド?
Starface(スターフェース)は、2019年にニューヨークで設立されたニキビケアのブランドです。主力製品である「ニキビパッチ」は、貼るだけで簡単にニキビをケアができるもの。このニキビパッチ自体は以前から存在していましたが、肌色や透明な色のものが主流で、顔に貼っても目立たないことが一つの特徴でした。
そんな中、Starfaceは黄色の星マークや、ハローキーティーデザインのニキビパッチを打ち出し、瞬く間に人気。本来はそーっと誰にも気付かれずにニキビを修復させるという目的で開発されたニキビパッチですが、Starfaceはその逆のことをしています。なぜこのようなド派手なデザインが爆発的な人気につながったのでしょう?
参照元:Starface
社会問題からブランド価値を創造。
従来、美容やメディア業界では「欠点一つない、完璧な肌」が称賛されてきました。あらゆる美容ブランドの広告、雑誌、SNSでは、レタッチなどでリアリティーとは程遠い「美しさ」が演出され、今でも問題視されています。「ニキビ=残念なもの」という描かれ方により、ニキビができた本人はネガティブな気持ちになり、精神的な病につながることも少なくありません。
この社会問題から、近年では「acne positivity」(アクネ・ポジティビティ)というムーブメントが行われています。ニキビは自然にできるものであり、決して罪悪感を抱くようなネガティブなものではないと主張する消費者、セレブ、インフルエンサーなどがSNSで自身のニキビ肌を発信するようになりました。
Starfaceのド派手なニキビパッチはこの文脈から生まれた商品です。これまで、隠れるようにニキビと戦っていた若者たちに、ニキビケアをポジティブに楽しむきっかけを与えたのです。
StarfaceのTikTokはこちら:https://www.tiktok.com/@starface?lang=en
StarfaceのInstagramはこちら:https://www.instagram.com/starface/
機能的な価値を上回る、情緒的な価値。
強いブランドを構築する上で、「機能的価値」と「情緒的価値」の両方が揃っていることが重要です。Starfaceの場合、ニキビを修復させるという機能面における価値があります
もちろん、これは大事なベネフィットのひとつです。
ただ、それ以上に、消費者の心の奥底に眠るインサイトを基に見出された情緒的な価値がなければ長期的に続くブランドは見込めません。Starfaceはニキビを治すという機能的価値のさらに先に、「ニキビができた自分の肌も愛せるようになる」という感情に訴えかける情緒的価値を見出したと言えるでしょう。
Starfaceの大きな成功要因は、この両方の価値を含むブランド戦略がしっかり立てられていた点にあります。機能的価値で差別化することが難しくなった今、「なぜこの商品を買う必要があるのか?」を突き詰めることがますます重要になっていきます。
ワイズアンドパートナーズでは、マーケティング、ブランディング、ウェブ制作等、さまざまなプロジェクトの事例を公開しています。ぜひご覧ください。
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