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2020年以降、持続可能な製品の需要は高まるばかりです。Air Company(エア・カンパニー)は、カーボンネガティブ(排出される温室効果ガスよりも、吸収する温室効果ガスが多い状態)のウォッカを製造する技術を開発し、最も環境に配慮した世代であるミレニアル世代やZ世代にアピールしています。この種の製品で、若い世代をターゲットにした商品間の競争に打ち勝つためには、環境に優しい生産方法を見つけなければならない、という企業側の予測に則って開発されています。
気候変動とその深刻さが年々増していく中、若い世代の消費者は、二酸化炭素の排出量削減に真剣に取り組むブランドのサポートについて、ますます真剣に考えるようになっています。2020年初頭に行われたある調査によると、ミレニアル世代の約35%、Z世代の36%が、環境に優しく、持続可能な素材で作られた服を見つけることに力を入れていると答えています。[1] 一般的にミレニアル世代は、これまでのどの世代よりも持続可能な製品に関心を持っていることが証明されています。[2]また、環境への配慮を食品や飲料業界にも広げてほしいとミレニアル世代が考えていることを示唆する調査結果もたくさん存在します。
アルコールの生産はクリーンな作業ではありません。トウモロコシ、小麦、サトウキビ、ブドウなどの作物の栽培から(収穫のために膨大な量の水、肥料、機械を必要とします)、工場の中で行われる蒸留プロセス、輸送によって生まれる排出物、パッケージから出る廃棄物まで、想像以上に環境に影響を与えています。[3]一般的的に、アルコール度数が高い飲み物ほど環境への影響が大きくなります。ビールはワインほど廃棄量が多くなく、ワインは蒸留酒よりも廃棄量が少ないのです。たとえばテキーラは、蒸留されたリュウゼツランから多くの廃棄物を生成し、廃棄物は酸性度が高いため、不注意に捨てると土壌を破壊する可能性があります。[4]
5画像:エア・ウォッカをフィーチャーするエア・カンパニーのランディングページ。
こうした理由から、エア・カンパニーは世界初の空気だけで作られたウォッカを作りました。なにも、ボトルにウォッカの香りがする空気が入っているのではありません。ニューヨーク州ブルックリンに拠点を置くエア・カンパニーは、現在、水と二酸化炭素の2つの成分を蒸留して作られたスピリッツ「Air Vodka(エア・ウォッカ)」を販売しています。同社は、二酸化炭素をエチルアルコールに変える蒸留の技術と方法を考案し、特許を取得しています。しかし、おそらく、ここで最も重要なことは、生成されたアルコールが実際にカーボンネガティブであるということです。つまり、エア・カンパニーがアルコールを製造する際のプロセスでは、地球に排出されるよりも多くの炭素が除去されているのです。6
エア・カンパニーによると、エア・ウォッカは今後の活動の始まりに過ぎません。彼らのウェブサイトには、こう書いてあります。「私たちは革新的な技術を多くの業界に適用し、世界を変えることができる商品を一貫して提供します。」 。7彼らのインスタグラム(2020年8月に最初に投稿されたもの)にはすでに1万人以上のフォロワーがおり、「未来の贅沢品」として同社を宣伝しています。8
生活者が買って飲むお酒は、決して「贅沢品」のカテゴリに属するものばかりではありませんが、環境に配慮した製品を購入することで良い影響を与えられるのであれば、今の若い人たちは追加料金を払うことも厭わないのです。さらに、「クリーン」なアルコールが贅沢品になれば、それをまねて大量生産しようとするブランドや企業が増加するでしょう。
エア・カンパニーのエア・ウォッカが世界を席巻するのか、それとも今のまま流行に敏感なブルックリン地域の定番にとどまるのかは、まだわかりません。いずれにしても、エア・カンパニーは今の状況を前向きに捉えており、今後まもなくお酒デビューするジェネレーションZ世代をターゲットに想定しています。サステナビリティは、アルコールを含むすべての業界において、未来のトレンドとして存在しているのです。
参照元:
[4] https://www.vice.com/en/article/mb4g9v/oh-ffs-this-is-how-bad-alcohol-is-for-the-planet
[5] https://time.com/collection/best-inventions-2020/5911376/air-vodka/
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