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3月13日より4日間に渡り開催されたNatural Products Expo West 2024。3,000社を超える食品メーカーが最新のナチュラル・オーガニック製品を展示する世界最大規模の食品展示会です。今年は、昨年の来場者数6万5,000人を超え、さらなる盛り上がりをみせました。今回は、当地アナハイムコンベンションセンターで感じた最新の食品トレンドを、ワイズアンドパートナーズが現地からレポートします。
Natural Products Expoはオーガニック食品や持続可能な農業、健康志向の食生活をテーマにした大規模なイベントです。年に一度、数日間にわたってアナハイム市(ディズニーランドの隣)の展示会会場で開催されます。
例年、世界中から健康的なライフスタイルやサステナビリティに興味を持つ数万人の来場者が集まり、有名シェフや栄養学者による料理のデモンストレーションや健康セミナー、サステナブルな食品生産に焦点を当てたパネルディスカッション、展示ブースや販売エリア、オーガニックフードの屋台エリアなどが設けられています。
Grand View Researchによると、米国のOrganic Food And Beveragesの市場規模は2022年時点で約945億ドル。2024年〜2031年のCAGR(年平均成長率)は13.5%と長期的な成長が予測されており、市場規模の拡大に伴い、イベントへの盛り上がりも毎年、大きくなっています。
いま米国で人気のプラントベース(植物性)食品
展示会の中でもひときわ目立ち、人が集まるブースがありました。共通点は”Plant Base(植物性食品)”と明記されたブランド。なかでもプラントベースミート(代替肉)の製品が今年も人気でした。
日本ではまだ聞きなじみのない方も多いかもしれませんが、近年のベジタリアンやビーガン人口の増加に伴い、アメリカ市場では“肉ではない肉のような製品”に注目が集まっています。MARKETS AND MARKETSの調査結果によると、2022年から2027年で成長率は右肩上がりの14.7%です。
試食コーナーでは大量の参加者が代替肉製品のブースへ集まっており、料理を実際に味わい、その風味や食感を確かめている様子が見受けられました。提供されていたのは、代替肉のホットドックやハンバーガー。私も試食しましたが、多少肉ではない違和感は感じるものの、食感、香りなど、かなりの企業努力が伝わってきました。
さらに注目すべきは、それらの製品がベジタリアンやビーガンのみならず、健康を意識する一般の肉食消費者にも受け入れられつつあるという点です。多くの人が驚きをもってその類似性を認め、代替肉の可能性についてポジティブなフィードバックを寄せていました。
Natural Products Expoのようなイベントは、新しい食のトレンドやイノベーションを発見し、体験する絶好の機会を提供します。
代替肉のブースが注目を集めたことは、食品業界における持続可能な開発と健康志向の高まりを如実に示すものです。今回のエキスポでの経験は、参加者にとって新しい食文化の可能性を広げるだけでなく、将来的に食生活の選択肢を再考するきっかけともなったといえるでしょう。
プラントベース食品を取り扱う注目の3社
2024年の出展者数は3,300強だと発表されていますが、日本からの出展は約30社ほど。プラントベースの商品を取り扱っている企業の中で特に興味深いと感じた3社をご紹介します。
プラントベースの大豆ペーストの開発:(ソイアイ)
soyAiは、日本の伝統的な技術を用いて、発酵・非発酵大豆から作られたオリジナルの「soyAi paste」を開発しました。このプラントベースの大豆ペーストは、肉や乳製品の代替品としてヴィーガン認定を受けています。出展ブースでは特に「Ninja Soup」という商品が注目を集めていました。キャッチーなパッケージデザインと受け入れられやすい味わいで、今後の成長が見込まれる製品です。
プラントベースのクロレラ入りうどんの提供:Sun Chlorella USA
日本のソウルフードでもあるうどんを、日本らしい伝統的なデザインのパッケージでブランディングし、展示会での出展も注目を浴びていました。
プラントベースのガトーショコラの提供:2foods USA
2foods USAが提供するプラントベースのガトーショコラは、チョコレートと日本の玄米粉のユニークなテクスチャーを巧みにブレンドし、口の中で溶ける絶妙な体験で驚きを与えています。カラフルな配色の製品、ブースのデザインが他のブースと比べても目を惹くことで、アメリカの雰囲気にうまく馴染み、多くの人を集めていました。
多くの日本企業が海外展開で苦しむのは「文化の違い」
今回、約30社の日本食ベースのブースにお邪魔し、直接お話を伺いました。そこで、日本の企業が海外展開で苦戦している点を聞いてみたところ、やはり言語の壁や文化差異が大きな障害となっているようです。
日本産プラントベース製品の米国市場での認知・啓蒙が遅れているのは、日本とは異なる市場や顧客のニーズが理解できていないからと言っても過言ではありません。日本とは異なり、米国にはプラントベース製品関連だけでも、多くのシンジケートデータが出ています。そういった二次データを購入し、読み込むだけでも多くの気づきが得られるでしょう。
もちろん、どのデータを購入すべきか、購入した後の分析をどうすべきか、などの質問には、米国市場を専門にしているマーケッターの力を借りる必要があります。
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