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インバウンド観光客の数が非常に伸びている中、今回はその中でもアメリカ人旅行客に特化し、彼らが日本滞在中に感動している意外なもの「日本のパン」を深掘りして行きたいと思います!アメリカ市場に進出を考えている日本のパン業界・食品業界の企業の方にも参考になるよう、彼らの“パン愛”の実態と、その背景にある文化的・ビジネス的要素を深掘りしていきます!
インバウンド市場の現状と日本のパン文化への海外の反応
日本を訪れる外国人観光客は飛躍的に伸びており、日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の訪日外国人旅行者数は3,678万人と、コロナ禍前を上回り過去最高を記録しました。大阪万博の開催や円安の影響もあり、今後もこの数字はさらに伸びることが見込まれています。実際、都市部では観光中の外国人を頻繁に見かけるようになり、日本文化の魅力が世界に広がっていることを肌で感じる場面も多いのではないでしょうか。
その中でも、アメリカ人旅行者が日本滞在中に感動する意外なものとして「日本のパン」が注目されています。日本のパンに対する反応は、味・見た目・食感・アイデアすべてにおいて“驚き”と“感動”だそうで、高い評価を受けています。
アメリカでは、もはや伝説級。セブンイレブンの「たまごサンドウィッチ」(TAMAGO SANDO!)
まず、アメリカ人が日本に来て最も驚くのが、コンビニのクオリティの高さです。中でも彼らの心をつかんで離さないのが「たまごサンドウィッチ」。アメリカのサンドイッチといえばBLT(ベーコン・レタス・トマト)やハム&チーズなど、ボリューム感と具材の多さが売りですが、日本のたまごサンドは、しっとりとした厚切りの白い食パンに、なめらかで優しい味のたまごサラダをたっぷり挟んだシンプルな逸品です。
アメリカの大手フード系メディア「Foodie」に「なぜ日本のセブンイレブンの卵サンドウィッチが“伝説”になったのか(What makes Japanese 7-Eleven’s Egg Salad Sandwiches Downright Legendary)」という記事が掲載されたり、成田空港のセブンイレブンでは、たまごサンドが棚一列を占拠し、保安検査後の売店では売り切れ続出になったりと、たまごサンドウィッチ旋風が巻き起こっています。[3] SNSやYouTubeなどにもたまごサンドウィッチの食べ比べや、アメリカ人のリアクション動画などが多く投稿されています。
ちなみに、アメリカ国内のセブンイレブンも、日本のセブンイレブンと同様の商品を一部取り扱うようになり、待望のたまごサンドが販売されているのですが、味・見た目・食感の点で日本のクオリティには及ばず、これもまたSNSで注目を集めていました。やはり日本でしか本物は食べられないという“レア感”が、旅行者の特権になるのでしょう。
「ユニークで美味しい日本文化」進化を遂げた「惣菜パン」
カレーパン、焼きそばパン、コロッケパンなど、おかずをパンで包んだり挟んだりした日本独自のいわゆる「惣菜パン」は、アメリカ人旅行者にとって非常にユニークに映るようです。
特に日本のカレーパン(Curry pan)は、日本のパンの中で最もアイコニックなパンと言われており、まるでコロッケのような見た目に、カリカリサクサクのパンが、アメリカ人にとっては新鮮なようです。[4] また、焼きそばパンのような炭水化物×炭水化物の組み合わせは、アメリカでは珍しく、それが「日本らしさ」として高く評価されています。アメリカでも、特に日系人が多いエリアには、日系ベーカリーがオープンすることも多く、長蛇の列が出来るところも少なくありませんが[5] そこでも「カツサンド(Katsu sando)」などの惣菜パンは非常に人気です。
惣菜パンはアレンジとの親和性も高く、プラントベース対応やフュージョン料理としての展開も出来ますし、米粉を使ったグルテンフリーのパンなども可能なため、アメリカ市場での日本ベーカリーブランドの拡大を目指す企業にとって、惣菜パンは大きなポテンシャルを秘めていると言えます!
日本のドーナツ:アメリカ発祥のドーナツが「進化系スイーツ」として大注目
ドーナツといえばアメリカ発祥のスイーツですが、こちらもまた日本で独自に進化を遂げて行きました。進化した日本のドーナツは、アメリカ人からも注目されています。アメリカのドーナツは大きくて甘い印象が強いですが、日本の「甘すぎなくて、ちょうど良いサイズ感」も日本のドーナツの1番の特徴です。
最近では「mochi-donut(モチドーナツ)」という専門店が各地にオープンしているのですが、そのルーツにはミスタードーナツのポン・デ・リングの影響が色濃くあると言えます。ちなみに「MOCHI」という表現は、アメリカでも既に一般的になっており、Mochi-ice cream、Mochi-doughnuts、Mochi- pancakeなど、「もちもちした食感の」という意味で使われています。
さらに、日本発の人気ドーナツブランド「I’m Donut?」が今年ニューヨークに初出店し、連日長蛇の列を記録。この成功は、“質と体験”を重視するアメリカ市場と、日本の丁寧な職人技の親和性を証明する事例といえるでしょう。
インバウンド市場から海外市場に広がる「日本のパン」ビジネスチャンス
パンという身近な食品でありながら、日本のパンには、味・見た目・食感・アイデアすべてにおいて“驚き”と“感動”が詰まっている!それがアメリカ人旅行者のリアクションです。
日本のパンには、まだまだ無限のポテンシャル”が眠っています。アメリカ人のリアクションから見える需要の兆しは、日本のパン企業が世界市場へ進出する際の大きなヒントになるはずです。
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から企業のマーケティングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングや消費者調査、また、インバウンド観光への取り組みなど、まずはお気軽にご相談からでも可能です。気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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