ブログ
日本で「マヨネーズ」といえば、透明のチューブに入った、あの独特な形状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?中身はやや黄色がかっていて、キャップを外すと細い星型のノズルが現れ、ちょっと絞るだけで、料理にトッピングできる、みんな大好きな、あのマヨネーズです。
では、アメリカでも「マヨネーズ」といえば、同じような形状と味を想像するのでしょうか?
…答えはNOです!
アメリカではマヨネーズは瓶詰めで売られていることが多く、味も日本のマヨネーズとは大きく異なります。そのため、観光で日本を訪れた外国人が、現地で初めて日本のマヨネーズを食べて、その美味しさに驚き、自国に帰った後も日本のマヨネーズを通販で購入するようになった、という話も珍しくありません。日本に観光中のアメリカ人の方は、「何にでも日本のマヨネーズをつけるようになって、アメリカのマヨネーズは全く使わなくなった」とインタビューで答えていました。[1]
アメリカ人を虜にする日本のマヨネーズの魅力とは一体?また、日本とアメリカのマヨネーズには、どんな違いがあるのでしょうか?今回は、そんな日本とアメリカのマヨネーズの違いを深掘りしていきます!
味と食感の違い
まず最も大きな違いは「味」と「食感」です。日本のマヨネーズは、黄味がかった色味で、クリーミーでまろやかな口当たり。酸味は控えめで、クセのない味が特徴的です。一方、アメリカのマヨネーズは真っ白に近く、やや重めのテクスチャーで、酸味と塩味が強く主張します。日本人がアメリカのマヨネーズを初めて食べたら「これがマヨネーズ!?」と思うほど(日本のマヨネーズをイメージして食べると)異なる味です。
原材料の違い
この味の差は、使われている原材料の違いに由来しています。日本のマヨネーズは卵黄のみを使っているのに対し、アメリカのマヨネーズは全卵を使用しています。卵黄だけを使うことで、日本のマヨネーズはコクがあり、滑らかでカスタードのような濃厚な口当たりで、卵の風味がしっかりと感じられるのです。
使用されているお酢にも違いがあります。日本のマヨネーズでは、米酢やリンゴ酢といった酸味のまろやかなお酢が使われていることが多く、自然な甘みややさしい酸味を引き立てます。一方、アメリカのマヨネーズには蒸留酢が主に使われており、こちらは酸度が高く、ややツンとした強い酸味があります。
うま味の秘密
さらに、日本のマヨネーズには「グルタミン酸ナトリウム(MSG)」、いわゆる「うま味調味料」が加えられていることが多く、これが独特の後を引く美味しさの決め手となっています。マヨネーズを料理にかけたときに、なんだかもっと食べたくなる感覚を生み出しているのは、実はこのMSGのおかげかもしれません。[2]
使い方にも違いが?
使われ方にも文化の違いが見られます。アメリカではマヨネーズは主にサンドイッチやポテトサラダ、ツナサラダなどに使われることが多く、「料理にかける」というより「混ぜる・塗る」といった使い方が主流です。一方、日本ではたこ焼きやお好み焼き、唐揚げなど料理の上にかけたり、油代わりに使用も可能。この使い方の幅広さも特徴的です。
キューピーマヨネーズ「Kewpie Mayo」の人気、火付け役はSNS
日本のマヨネーズの代表格といえば「キユーピー」ですよね。アメリカでも「Japanese Mayo」として親しまれており、現地スーパーやオンラインショップで高い人気を誇ります。
特に注目を集めたのが、4年前にTikTokでバズった1つの動画。フードブロガーのエミリー・マリコさんが、サーモンとごはん等にキユーピーを加えて「Sushi Bowl」を作る動画を投稿したところ、690万回以上の再生を記録しました。動画公開からわずか5日で「キユーピーマヨネーズ」のGoogle検索数は4倍に跳ね上がり、一部のウォルマートでは品切れも報告されるほど注目を浴びました。
今でも英語で検索すると「Kewpie Mayoの作り方」や「どこで買えるか」といった情報が多数ヒットするほど、世界中で注目を集めています。
海外市場で着実に拡大:Kewpie USA
キユーピーはアメリカ市場において、着実な展開を進めています。「Kewpie USA」は、アメリカ現地での製造によるコスト削減と供給の安定化を実現しています。現在ではWhole Foods MarketやWalmartといった大手流通チャネルでも「Japanese Mayonnaise」として広く取り扱われるようになり、アメリカでの日本食のブームに乗って、キューピーマヨネーズは定着しつつあります。
Kewpie USA公式サイトでは、製品情報やレシピが多数掲載されています。[4]
海外市場で広がる日本のマヨネーズの今後の展望
アメリカでの日本製マヨネーズの広がりは、日本の調味料が海外でどのように受け入れられ、定着していくかを考えるうえで興味深い事例です。単なる話題性にとどまらず、現地の人々の“日常の味”として選ばれる傾向が出てきた点は、日本の食品にとって大きな意味を持ちます。単なる一過性のブームではなく、現地に根づいた「新しい定番」になりつつあるという点が大きなポイントです。
実際、日本政府も、食品の輸出を後押しする取り組みを進めており、、2024年の調味料輸出額は1,302億円と過去最高を記録しています(農林水産省:2024年輸出実績)。その中でも、マヨネーズのように日本独自の味わいを持ち、海外でも評価される製品は、注目に値いします。[5]
まとめ
海外のマヨネーズと日本のマヨネーズ、どちらが美味しいかは最終的には好みの問題ですが、日本のマヨネーズには日本人が長年親しんできた味の工夫とこだわりが詰まっています。まろやかでコクのある味わいは、海外でも高く評価されており、「日本に行ったらマヨネーズを買うべき」という声もあるほど!
私たちが当たり前に思っている家庭の味が、アメリカで「新しいおいしさ」として注目されている――そんな今だからこそ、日本の調味料がアメリカでも人気になる可能性を秘めていると言えます。
ワイズアンドパートナーズでは、2002年から「日本のブランドを世界で有名にする」を使命に、日米双方から主に食品企業のマーケティングを統合的に支援しています。アメリカ市場向けのブランディングや消費者調査からデジタルマーケティングの施策運用まで、気になるサービスがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参照元
プロジェクトのご相談やご依頼につきましては、以下のフォームに必須項目をご入力ください。
24時間以内に回答いたします。
“米国マーケティングトレンド研究会”
最新の記事






U.S.

東京
