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カリフォルニア州ロスアンゼルス市で、7月1日から4日まで開催された、北米最大級のアニメイベント「Anime Expo 2022(アニメ・エキスポ2022)」。コロナウイルスの影響で、一昨年、昨年と2年連続オンラインでの開催でしたが、今年はオンサイト開催が実現し、4日間のチケットが前売りで完売するほどの盛況ぶりでした。
Anime Expoについて
Anime Expoとは、1992年から毎年カリフォルニア州にて開催されている北米最大級のアニメイベントです。開催地のロサンゼルス・コンベンション・センターには、毎年アニメや漫画、ゲームファンが集い、コロナ禍前のAnime Expo 2019には、過去最高の11万5000人以上が集まりました[1]。
Anime Expo 2020、2021はコロナウイルスの影響でオンライン開催だったことから、3年ぶりのオンサイト開催である今年のAnime Expo 2022では、史上初めて開催3日前に4日間分のチケットが完売するほど、アメリカのアニメファンがもつ熱量の高さを証明しました。合計訪問者数はまだ公式発表されていませんが、10万人以上のファンが集まったと言われています[2]。
LACC and Fire Marshall is no longer letting anyone in #AX #AnimeExpo pic.twitter.com/3sLP6z3Jb6
— Anime News Network (@Anime) July 1, 2022
(Anime News Networkの公式Twitterから:Anime Expo 2022初日の会場様子)
Anime Expo 2022のハイライト
Anime Expo 2022に入場するためには、入場者全員のマスク着用やコロナワクチンの証明書確認が義務付けられました。また、イベントに行けなかったファンのために、YouTubeとTwitch上で、Anime Expo公式ライブが配信されるなど、コロナ禍で浸透した「オンラインとオンサイトの共存」が見られました。
イベント会場には、合計350以上の大小さまざまなブースが立ち並び、J-POPカルチャーのなかでは、バンダイナムコ、SEGA、紀伊国屋書店などの大手日本企業のブースが目立ちました。フィギュアや漫画本、Tシャツなどの限定グッズの販売や、発売前・未発表のゲームやアニメを体験・視聴などが行われました。
ブース以外にも、ミュージックコンサートやアニメ、漫画制作、コスプレについてのセミナーや新作アニメの先行上映、制作チームとのインタビューセッションなど、アニメや漫画、J-POPファンにとっては非常に楽しめる内容でした。
私たちマーケターにとってのAnime Expoは、北米市場の最新J-POPカルチャーやトレンドを学べる絶好の機会でもあります。この先は、Anime Expo 2022で見られたトレンドを紹介していきましょう。
(Bandai Namcoのライブ配信から:Bandai Namcoのブースで未発売のゲームを試している人たち)
アニメ×日本食
Anime Expoのライブ配信中によく流れたのが、JAPAN HOUSEがスポンサーをする日本食についてのコマーシャルです。内容は、有名レシピ本の著者であるDe Laurentiisシェフと、東京でミシュランの料亭を構える石田伸二シェフが一緒に日本食を作るというもので、日本食の繊細さや健康に関するベネフィットについて説明がなされていました。アニメイベントのライブ配信で日本食についてのコマーシャルが配信されたということは、現地では日本食とアニメが深く紐づけられていることを意味します。
(Anime Expo 2022のライブ配信中に流れたJAPAN HOUSEのコマーシャル)
ライブ配信の司会者が言っていたように、近年、アメリカでの日本食の認知度向上には、アニメが大きく貢献しているといっても過言ではありません。TikTokやYouTubeでは、アニメに出てくる料理の作り方を教える動画が多く発信されており、500万回の視聴数を超えるYouTube動画が存在しているほど。そして、日本の料理学校を舞台にしたアニメ「食戟のソーマ」は、アメリカの映画・ドラマレビューサイトIMDbで10点中8.2点、9000件以上のレビューがあるほどの人気を誇っています[3]。このように、アニメが「オタク」以外の一般人にも浸透していることと比例し、ラーメンや寿司、カレー以外の日本食もアメリカでさらに広まっているのです。
アニメ×ファッション
日本食コマーシャルと同じく、Anime Expoのライブ配信中に多く流れたのが、ファッションブランド「Hypland」のコマーシャルです。Hyplandは、アニメとファッションのコラボ製品を販売しており、今回のAnime Expoでも大きなブースを設けました。従来、アニメのロゴや画像が載った洋服を着るひとはオタクだと認識され、ファッショナブルなイメージとは残念ながらかけ離れていると考えられていました。しかし、近年ではDolce & GabbanaやGucciなど、ハイブランドとのアニメコラボ製品が多く出ており、センスの良い人たちにも好んで着てもらえるようになりました。
Glossierによると、これはファッションブランドがZ世代にアピールするための戦略だと言われています。2020年のUS市場調査では、アニメファンの平均年齢は24.4歳で、まさに多くのファッションブランドがターゲットとしている年齢層と合致します[4]。また、今回のAnime Expoもアパレルブランドのブースが一番多く占めていたことから、アニメとファッションの融合がトレンドであることが分かります。
次回のブログでは、Anime Expo 2022で見られたソーシャルメディアトレンドについてお話しします。お楽しみに!
来年のAnime Expoにブースを構えてみませんか? 準備は1年がかりで取り組む必要がありますので、ぜひこの機会にご相談ください!
過去のExpoレポートはこちら!
【現地レポート】Natural Products Expo West 2022 で見た最新の食品トレンド!
先週、南カリフォルニアで開催されたNatural Products Expo Westへ参加してきました。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、これはアメリカ最大級の自然食品の展示会で、自然食品、飲料、消費財の最新 […]
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