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今月、YouTubeは、動画に関してZ世代のあいだで見られる傾向についてのレポートを発表しました。一般公開されているこのレポートには、SNS動画やPR動画制作に役立つ情報がたくさん載っています。
はじめに
Z世代といえば、「トレンドセッター」であるとともに、「トレンドに乗っかりやすい世代」だという印象を持つ人が多いのではないでしょうか? しかし、今月YouTubeが出したレポートによると、65%のZ世代(18~24歳)が、「話題になっているコンテンツよりも、自分に関連しているコンテンツのほうが重要だ」と考えていることが分かりました[i]。言い換えると、もし、自分の動画おすすめ欄に、① 視聴回数100万以上の今話題の動画と、② 視聴回数1万だが自分の趣味に関連する動画があったとすると、②を好んで再生するZ世代のほうが多くいることになります。この情報から分かることは、ブランドにとって自分たちのターゲットが求めている動画コンテンツを理解し、それを提供することがトレンドの動画を作るよりも重要だということでしょう。
最新のYouTubeのレポートでは、そんなZ世代が求めている動画コンテンツを大きく3つのカテゴリーに分けて紹介しています。それが1)コミュニティコンテンツ、2)マルチフォーマットコンテンツ、3)レスポンシブコンテンツです。
1)コミュニティコンテンツ
コミュニティコンテンツとは、共通したアイデンティティや興味を持ったオンラインコミュニティーによって作られたコンテンツや、そんなコミュニティーのニーズを訴求したコンテンツになります。まさしく「ファンによって作られたファンのためのコンテンツ」と言えるでしょう。YouTubeレポートによれば、61%のZ世代が、「誰か」や「何か」のファンであると表現しています。
コミュニティーコンテンツの事例としてあげられるのは、K-popコンテンツです。今や世界中にファンが存在するK-popですが、そんなグローバル人気の始まりはコミュニティーコンテンツからと言っても過言ではありません。YouTubeでK-popと検索すると、公式コンテンツだけでなく、ファンが歌番組やコンサートで撮影したアイドルのパフォーマンス動画(ファンカム)や、公式MVを初めて見ている様子を撮ったリアクション動画、ファンが作ったアイドルの紹介動画など、コミュニティコンテンツがたくさん見られます。ブランドにとって、コミュニティコンテンツに近いものが、UGCコンテンツでしょう。実際に自社製品を使ったことがある消費者からのレビューや使っている様子を撮ったUGC動画は、購買促進にとても効果があります。
2)マルチフォーマットコンテンツ
近年の動画コンテンツを見ると、短編動画から長編動画、2Dから3Dアニメーション、メタバースなど、いろいろな種類の媒体(マルチフォーマット)で溢れかえっており、動画を配信する手段もYouTube、インスタグラム、TikTokなど、たくさん存在します。そのためZ世代の消費者にリーチするための動画の媒体や手段は一つだけに限りません。
とくに、昨年YouTubeが短編動画機能の「Shorts(ショート)」を公開してから見られる傾向として、拡散力がある短編動画で長編動画の一部を投稿し、多くのユーザーに興味を持ってもらい、長編動画に誘導するクリエーターが増えています。YouTubeのレポートでは、59%のZ世代が、興味のある長編動画を短編動画アプリから探していることが分かっています[ii]。ブランドにとっても、ひとつの媒体や配信手段に拘らず、いろいろと挑戦し、成果を見てみるのが良いでしょう。
3)レスポンシブコンテンツ
レスポンシブコンテンツとは、リラクゼーションを促す音楽など、精神面のニーズに合わせて作られたコンテンツを意味します。YouTubeのレポートによると、リラックスするためにYouTube動画を見たことがある、と答えたZ世代は全体の83%を占めており、パンデミック前と比べて顕著に増えています[iii]。
このレスポンシブコンテンツの良い事例がASMRコンテンツです。ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略語で、「人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚」を意味します[iv]。ASMRコンテンツで人気なのは、料理や食べている最中の音を汲み取ったものです。例えば、以下の動画は野菜をカットしている様子を撮影しただけのものですが、カットしている音がASMR効果をもたらすとして、800万以上の視聴回数を誇るほどの人気動画になっています。料理コンテンツを投稿しているブランドは、ASMRを取り入れることによって、更なるエンゲージメント向上に繋がるかもしれません。
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