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インナーブランディングの重要性を考えたことはありますか? 今回は、外向きのブランディングではなく、内向き(つまり社内向けの)ブランディングの効果やメリットについて考えてみましょう。インナーブランディングを行うメリットと成功事例を解説します。
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インナーブランディングとは?
ブランディングと聞くと、顧客や取引先など、ターゲットに対して自分たちの企業価値や商品イメージを認知してもらうために行う取り組みを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
インナーブランディングは、会社の価値観、使命、文化を従業員に伝えることで、従業員自身の目標と会社の目標のベクトルを合わせていくプロセスに、非常に重要な役割を果たします。最近では前向きで積極的な従業員を生み出すための強力な方法として、ますます注目されてきています。従業員が会社の目標を、会社が従業員の目標を相互理解する環境を作ることは、優秀な人材を引きつけ、最も生産性の高いチームメンバーを維持するために不可欠なのです。
しかし、インナーブランディングで重要なことは、単に会社の戦略や方向性を従業員に伝えることだけではありません。このプロセスを辿れば、従業員が個人だけではなく全体の目標にも関心を持つことができ、さらに顧客のためだけの仕事ではなく、会社のための仕事をすることがいかに有益であるかを納得させることができるようになるでしょう。
インナーブランディングを成功させる3つのヒント
企業にとって従業員との関係は、顧客との関係以上に、常に最優先されるべきものです。極論を言えば、働き手がいなければ、ビジネスの成立が困難になります。さらに、離職率や従業員の不満が続くと、ビジネスの損失、生産性の低下、重要な人材の喪失につながることは確実です。
インナーブランディングの取り組みは、従業員とのエンゲージメントを高めることで、モチベーションや能力が向上し、仕事のパフォーマンスを向上させることに大きな役割を果たします。ひいては顧客サービスを改善することに繋がってゆくのです[1]。
インナーブランディングを成功させる上で、基本的な3つの考え方を紹介します。
1. CMOやマーケティングチームが主導権を握る必要はない 。
マーケティングは、商品やサービスの売り上げを向上させるために重要なパートで、このノウハウはインナーブランディングにも活用すべきです。CMOやマーケティングチームはターゲットに対して発信したいメッセージを従業員に向けても一貫して共有することを心がける必要があります。
もちろんそれは、CMOやマーケティングチームが主導権を握ることを意味するものではありません。CEOや経営層がリーダーシップをふるい、打ち出したい企業メッセージについて、社内に向けても広く発信することを検討する必要があります。自分たちが所属する企業は、今、どのようなメッセージを発信しているのか、社内外問わず考えを共有することが重要なのです。さて、皆さんの企業はいかがでしょうか?
2.メッセージを伝える最適なタイミングを見つける。
インナーブランディングを成功させるための重要なコツの2つ目は、適切なタイミングで従業員にメッセージを伝えることです。たとえば、リーダーや企業の方向性、ワークフローが大きく変わることが分かっているのであれば、そのタイミングで担当チームをブランディングのセッションに集めるのは良いアイデアです。変化する目的や今後の進め方を説明し、その変化に対する従業員の懸念を払拭することにつながります。
3. オンボーディングプロセスにインナーブランディングを取り入れる。
オンボーディングプロセスとは、新たに採用した人材が、業務に慣れるだけではなく組織の一員として定着し、戦力化してもらうための一連の体系化された受け入れアプローチのことを指します。
会社のビジョンや目標、さらに企業やブランドの戦略を理解できるようにすることは、従業員のモチベーションを中長期的に高めるために必要なことです。このような重要なメッセージや目標を従業員を始め、さまざまなステークホルダーと共有することで、会社全体に一体感が生まれ、後々、驚きや誤解が生じないようにすることができます。
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アメリカにおける成功事例紹介「ペッツマート」。
ペッツマートは、アメリカやカナダで人気のある大型ペット用品小売店で、北米最大級のチェーンです[2]。
ペッツマートのインナーブランディングの素晴らしさは、インナーブランディングとエクスターナルマーケティング、つまり従業員向けと顧客向け両方のマーケティング活動をほぼ一体化させたことにあります。
ペッツマートが打ち出しているメッセージは「ペッツマートの従業員はペット好き。」です。これは非常にシンプルなものですが、従業員にとっても顧客にとっても大きな意味を持ちます。なぜなら、従業員は生きている動物と長時間接するのでその気持ちがモチベーションにつながりますし、顧客にとっても将来的に自分の家のペットになる可能性がある動物たちであるため、どうせなら愛好家に世話してもらいたいという気持ちが強いからです。
このメッセージを伝える方法のひとつが、Instagramの@lifewithpetsmartなどのペッツマートのSNSアカウントです。このアカウントでは、日々の仕事に価値を持たせるため、ペットに関連するストーリーや日常の写真を公開し、従業員がどれだけ動物の世話をするのが好きかをお客様にアピールしています。
また、採用サイトも全面的に見直し、より応募者に優しいものにしました。このリニューアルでペッツマートは、「プロフェッショナル」だと思ってもらいたいがための旧来のウェブページの型にこだわるのではなく、応募者がより喜んで受けられるように画像や動画などで情報を表示することに注力しました。こうすることで、ペッツマートは、従来の体裁を整えることよりも、簡単かつ快適に応募できることを重視し、エンゲージメント率を60%増加させたと言われています[3]。
まとめ: 社内教育にも求められるブランディング戦略。
効果的なインナーブランディング戦略は、企業の将来的な目標と同じレベルで、従業員やそのニーズに焦点を当てます。従業員のニーズを聞き、それに対応しつつ、ブランディング戦略の背景にある思考プロセスを理解させることで、従業員と共にブランドの未来を創り上げていくことができます。従業員とのオープンなコミュニケーションは、リーダーと従業員の間に信頼関係を築き、生産、利益、パワーを向上させることにつながります。
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参照元
- https://www.cmoalliance.com/the-power-within-driving-employee-engagement-through-internal-branding/#:~:text=By%20communicating%20a%20company's%20values,branding%20is%20increased%20employee%20engagement.
- https://www.statista.com/statistics/253896/leading-north-american-pet-specialty-chains-by-number-of-stores/#:~:text=PetSmart%20was%20the%20largest%20pet,a%20total%20of%201%2C669%20stores.
- https://www.icims.com/community/success-stories/petsmart/
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