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SNSアカウントを運用する上で、ネガティブなコメントがくることは付きものだと思います。ネガティブコメントへの対応次第で、大きく炎上してしまう可能性もありますよね。そういったことを引き起こさないためには、ある種のテクニックがあり、文化によってそれは異なることがあります。消費者の感情をコントロールし、ソーシャルプレゼンスを維持することで、なるべくブランドイメージを傷つけないようにすることが重要ですが、アメリカの場合はどういった対応が考えられるか、ご紹介します。
ネガティブコメントへの対応を考えていますか?
自社アカウントの投稿にネガティブなコメントがついたら、まずどうすればいいのか、ワークフローを考えていますか?
SNSに投稿すると、誰かが意地悪なコメント、怒りのコメント、悪意のあるコメントといったネガティブなコメントを残されてしまうことがありますが、 SNSアカウントを運用する以上、これは宿命ともいえます。
重要なことは、このようなコメントにどう対処するかを決めておくことです。そしてそのルールは、消費者が置かれている環境や持っている文化的な価値観によって異なることを覚えておく必要があります。
では、アメリカにおけるネガティブコメントとその適切な対応、そして炎上を防ぐためにチームができる選択肢にはどういったものがあるのでしょうか。
消費者のコメントには、返すのが基本?
ネガティブコメントには、さまざまな種類があるため、まず、それがどのような要素を持ったコメントなのかを判断し、対応する必要があります。
・SNS上のコメントには、基本的に返した方が良い!
「常にコメントバックが必要」と考えることが、基本的には正しいジャッジです。質問、コメント、そしてクレームに対応することは、長期的に関係性を維持するために必要なステップであり、優れたカスタマーサービスは、他のブランドと差別化するためになるべく早いレスポンスを心がけていることだと考えられます。実際、多くのアメリカ人が優れたカスタマーサービスを提供してくれる企業やブランドに対して評価をしており、マーケティング会社playableが行った調査によると、あるブランドから競合他社に乗り換えた顧客の89%が、カスタマーサービスの質が理由と回答しています[1]。
また、SNSのような誰もがみえられる公の場でネガティブコメントにコメントバックすることは、企業として大切な姿勢です。製品の欠陥や購入時に困ったことに急いで対応する姿勢を見せることで、他のユーザーにもアピールできる、つまり、クレームこそお客様の信頼感を増幅させるチャンスなのです。
・返信をしない方がよい場合もある。
もちろん、コメントバッグをしないことが適切なケースもあります。それは内容が非常に不適切なもの、修正不可能な問題や無関係なことに及ぶ場合です。例えば、性差別、ヘイトスピーチ、公序良俗に反するような冒涜的なコメントなどがそれにあたります。
この場合は、できればコメントを投稿から削除したほうが良いでしょう。もしこのような内容のコメントが嫌がらせのように続く場合、SNSプラットフォームの運営会社に報告してください。最後の手段として、そのユーザーをブロックすることができます。
他にも、「この商品は美味しくない」「もう2度と買わない」といった、主観が強く企業側でどうしようもないことに対しても、あまりコメントバッグはおすすめできません。なぜなら、このようなコメントを残す人は、もともとブランドファンではないので、DMや返信で気持ちが変わる可能性が低いからです。
もっというと、ファンでないからこそ、無差別に書き込みを行い、面白半分にトラブルを起こそうとする人のネット上の“荒らし”である可能性もあります。荒らしの目的は、混乱を引き起こすことです。コメントに反応するとさらに被せてくるなど、何度もコメントする理由を与えてしまうので、混乱を助長する可能性があります。場合によっては、そこから“炎上”してしまうことでしょう。
アメリカでSNSの“炎上”するのを防ぐためのヒント
基本的にコメントバックする、といってもネガティブなコメントへの対応はとても難しいものであり、対応次第で状況を悪化させてしまう可能性もあります。SNSの炎上を防ぐためにはどうすれば良いか、以下のようなヒントをもとに考えてみましょう。
・DMでネガティブコメントに対応する
最もオーソドックスな方法は、対象者に直接DMを送ることです。ネガティブコメントに対して、DMでやりとりすることを公開リプライで必ず残し、その後、DMを送ると良いでしょう。そうすることで、SNS上のプレゼンスに十分配慮し、コメントに対応していることをアピールすることができます。
また、DMメッセージの通知を見逃された場合に備えて、エビデンスとして残す意味もあります。
・謝罪は慎重にする
コメントの中には、企業側が消費者に謝罪しないといけない内容もあります。この場合、共感を示すことは良いことですが、不必要に罪悪感を覚え、非を認めてしまわないように気をつけましょう。特にアメリカでは、企業が過ちを認めると賠償金などの見返りを要求してくることがあります。
大切なのは、謝罪する代わりに、お客様の気持ちを理解し感謝の気持ちを伝え、行動を起こすことです。Harvard Business Reviewに掲載された調査結果によると、アメリカ人は謝罪よりも問題解決に関心があることが分かっています[2]。起こっている問題に対する解決策を生み出すことに集中することで、信頼を回復することができるのです。
「ごめんなさい」の代わりに「ありがとう」と言い、その後に問題を解決するための行動をとるのがコツですね。
例)
×否定的なご経験をされたようで、申し訳ありません。
(言い換えると)
○ご経験をお聞かせいただき、ありがとうございます。このご報告は、解決のために適切な関係者にエスカレーションさせていただきました。
・ユーモアのある回答をする ※ただしレアな戦略
成功させるのは非常に難しいですが、ネガティブコメントに対して全く異なるアプローチをする方法もあります。大手スーパーマーケット「セインズベリーズ」の事例をご紹介しましょう。
ある日、Twitterに以下のような内容のネガティブコメントが投稿されました。
「セインズベリーズへ。私のサンドイッチのチキンは、ハルク・ホーガン(※)に殴り殺されたような味がするんですが。」
(※)アメリカのプロレスラー
特にセインズベリーズがタグ付けされていたわけではないため、この苦情が本物なのか、それともただのイタズラなのか、判断が難しいところでした。もし本当にクレームであれば、ブランド公式をタグ付けする可能性が高く、この場合はただ注目を集めたいだけ、とも捉えられます。
では、返信する価値はあるのでしょうか?
先にも述べたように、これは味が口に合うかどうか、主観的な要素が強く、これだけでは企業側で変えようがないことなので、返信しなくても良いものではあります。
ところが、セインズベリーのチームは、このネガティブなコメントに対して、ユーモアをもって対応することを選択しました。
「(コメントした対象アカウントの)メンション付きで)満足いくものではなかったとのこと、本当に申し訳ありません。すぐにハルク・ホーガン氏の代わりに、アルティメット・ウォリアー氏を生産ラインに入れます。」
別のプロレスラーの味に変更する、という主旨のジョークを投稿したのです。この選択はブランドにとって2つの効果をもたらしました。
ひとつは、ネガティブコメントをした人にこれ以上荒らすことが難しくさせ、炎上せずに終わったこと、もうひとつは、Twitter民たちがこの反応を楽しんで100以上のリツイートをされたことです。
もちろんこの方法は、ハイリスクハイリターンです。自分たちのブランドがどうみられているか、普段からユーザーと信頼関係を築けている企業のみが使える手段ですので、お気をつけください。
まとめ:アメリカ進出で心がけるべきは消費者理解
SNSのように誰の目にも止まる公の場で、顧客のネガティブコメントに対して適切にフィードバックすることは簡単ではありません。何が良くて何がダメなのか、文化的に深く理解する必要があります。
逆に言えば、細かな消費者心理を理解し、適切なコミュニケーションさえとれれば、たとえ不手際があったとしても、ブランドは消費者にとってより信頼のおける素敵なものになるはずでしょう。
アメリカ向けSNSマーケティングは、日本とは大きく異なります。
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