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クリーンビューティーを牽引するブランドBeautycounter(ビューティー・カウンター)は、80年以上変わっていない米国の化粧品規制を変えようとしています。いま美容業界の新たなスタンダードとなりつつある、クリーンビューティー。多くのブランドが人や地球に害のない化粧品を追求している中、Beautycounterはアメリカの法改定を促すロビー活動を通して、変革を訴え続けています。
コロナ禍で、売上を伸ばした米国のクリーンビューティーブランドのBeautycounter(ビューティー・カウンター)は、安全性が疑問視される1,800の成分を不使用とし、化粧品にまつわる環境や社会問題に積極的に取り組んできたクリーンビューティーの先駆者です。全国にいる60,000人の「ビューティーコンサルタント」と呼ばれる販売員の対面販売で成長してきたブランドでもあります。
このビューティーコンサルタントは単なる販売員ではありません。一人ひとりがアクティビスト(政治や社会的な活動家)なのです。ビューティーコンサルタントの一人、ジュード・ローリンズさんは数年前に突然、乳がんを宣告されました。乳がん家系でもなく、健康的な生活を送っていた彼女。その要因となり得ることについて、ひたすら調べると、身の回りの多くの化粧品には発がん性物質が含まれていることを知ります。たとえば、化粧品の防腐剤として使用されることが多いホルムアルデヒドや、着色剤に使用されるコールタール。日常的に使う製品にがんの発症リスクを高める成分が含まれていたのです。1
それもそのはず、アメリカでは化粧品に関する法律が1938年から今までほとんど改定されていないことが大きな問題となっています。EU(欧州連合)では約1,400の成分が法律上禁止されているのに、アメリカで禁止されているのはわずか30品目。1
そんな80年以上改定されていない法律に、近年希望の光が見えてきました。2019年12月にCosmetic Safety Enhancement Act 2019という法案が議会に提出されました。今後、この法案が連邦法として可決されれば、アメリカ全土で化粧品に含まれる成分に、より厳格な規制がかかることになります。2
参照元:Beautycounter
Beautycounterは、このような社会問題の改善に向けて、凄まじい行動力を示してきました。それは政治家たちに訴えかけた回数が物語っています。7年間で175,000通のメール、16,000件の電話会議、2,000回以上の議員との対面ミーティングを重ねてきているのです。3この驚きの行動力の源には、ローリンズさんのように、心の底から変革を求める人たちの想いがあるに違いありません。
参照元:Beautycounter
彼女たちの本気度は、成績優秀者向けのインセンティブにも表れています。同業他社では通常、売上トップ販売員に豪華クルーズや高級車がプレゼントされることがありますが、BeautycounterではワシントンD.C.でのロビー活動権利が与えられるのです。また、Beautycounterの自社アンケートでは、ビューティーコンサルタントの80%が、「世の中のすべての美容をクリーンにし、すべての人に安全な製品を届ける」というブランドミッションに惹かれていると答えています。1 Beautycounterは個人の強烈な想いが集結し、他のブランドが真似できないような行動力を生み、熱烈なファンを惹きつけているのです。
ミンテルレポートによると、米国のミレニアルとZ世代の61%が、自分が賛同する社会貢献活動を行っているブランドであれば、他のブランドから乗り換えても良いと答えています。4「品質が良い商品」や「機能が優れている商品」は今の時代、溢れるほどあります。そんな中、ブランドのミッションやビジョン、そしてそれに伴う行動力こそ、消費者がブランドに求めていることなのではないでしょうか。
これからアメリカの美容市場で戦う日本ブランドにとって、「クリーンビューティー」は重要なカギとなるでしょう。今後どのような成分がアメリカ連邦法で禁止となるのかも注目ポイントです。また、情報をアップデイトします!
1 How A Beauty Brand Raised An Army Of 30,000 Political Activists
2 Cosmetics reform bill passes first vote in legislative process
4 Cosmetics Business reveals 5 key trends shaping the rise of beauty activism
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