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TikTok(ティックトック)は、アプリ上で最も拡散性の高い食のコンテンツを活用し、ユーザーに食品を販売する計画です。トレンドになっているTikTokレシピを掲載し、自宅に直接配達するTikTok Kitchens(TikTokキッチン)は、2022年3月のローンチを予定しています。レシピのトレンドを生み出したクリエイターが、どのようにクレジットや報酬を得るかは、今のところ不明です。
多くの広告代理店やマーケティング担当者は、その時々にネット上で流行しているレシピのリサーチのため、常にTikTokに注目しています。動画共有アプリで見られるさまざまな種類のバイラルコンテンツの中でも、レシピは最も人気のあるものの1つで、2021年だけでも、大手テレビのニュースネットワークで紹介されるほど人気になったレシピがたくさんありました。フェタパスタ(プチトマトとフェタチーズを使った、混ぜるだけの簡単なパスタ)のTikTokレシピは、その年に最もGoogle検索されたレシピでした。
パンデミックによって多くの人がTikTokを利用するようになった後、以前よりも家にいる人の数が増え、より料理を作るようになりました。2021年5月に行われた調査では、アメリカの消費者の92%が、パンデミックが終わった後も、自宅で以前より多くの料理を作り続けたいと考えていることがわかりました。[1]
しかし、TikTokは、バイラルレシピやスナックをもっと簡単に楽しめるようにしたいと考え、新しいゴーストキッチン・サービスで、ネット上で流行している食事やレシピをユーザーに直接配送します。
ゴーストキッチンとは? ゴーストキッチンの仕組み。
ゴーストキッチンは、ビジネスを始めたいがダイニングスペースやキッチンスペースがない場合に最適です。通常、ゴーストキッチンは宅配専用の調理スペースで運営され、客席はありません。既存のレストランや、ゴーストキッチンのために作られた独立した施設などで運営されています。[2]
ゴーストキッチンは、レストランでの食事が安全でないとされたパンデミック時に特に人気となりました。デリバリーアプリとゴーストキッチンを活用することで、レストランは店舗に顧客を呼べない状況でも料理を提供し、ビジネスを継続することができるのです。
TikTokのゴーストキッチンを利用したユーザー取り込み計画
2022年3月にローンチ予定の計画では、TikTokは、ゴーストキッチンを専門とするVirtual Dining Concepts社と提携し、独自のキッチンを実現します。このサービスはデリバリー専用で、立ち上げ時には約300のレストランを予定しており、2022年末には、1000店舗以上にさせる計画です。現在は、四半期ごとにメニューを変更し、新しいトレンドを適宜反映させることを目標としています。[3]
現在、TikTokの食のサブカルチャー(#FoodTok)は、115億回以上再生されています。人々はすでに、レシピのインスピレーションを得るためにTikTokを利用することに慣れているため、オンデマンドで注文を満たすゴーストキッチンを用意することは、すでにアプリに時間を費やしている人々に対する市場を開拓する素晴らしい方法なのです。
キッチンのメニューは、その時々のネット上のトレンドや過去のトレンドに基づいたものになる予定です。例えば、焼きフェタパスタ(2021年にGoogle[グーグル]で最も検索された料理としてランクインした)は、メニューに加えるのに最適な一品でしょう。
Virtual Dining Conceptsが仮想のアイデアを実現するのは、今回が初めてではありません。有名なユーチューバーのMrBeastは、2020年12月に同社を通じて、自身のファストフード&デリバリー専用レストランを立ち上げました。「MrBeast Burger」 は現在、北米とヨーロッパで1,000店舗以上展開しています。[4]
素晴らしいアイディアであるTikTokキッチンが遭遇し得る問題とは
TikTokは、ユーザーが料理を簡単に購入できるようにすることで、大きな収益を上げると思われますが、今後、著作権などの問題に直面する可能性があります。
レシピは知的財産であり、もしTikTokがクリエイターの許可を得ずに(あるいは報酬を支払わずに)レシピを使用することになれば、この試みは大失敗に終わる可能性があります。現在、TikTokがレシピの所有権、レシピのクレジット、クリエイターとのコラボレーションをどのように扱う予定かは不明です。[5]しかし、TikTokは、このビジネスで得た資金を、プラットフォーム上のフードクリエイターに再投資したいと述べています。
クレジットが手数料に直結するようであれば、TikTokのユーザーはクレジットに固執する可能性があります。多くの人気のあるダンス・トレンドでは、動画の説明文にオリジナルの振付師やクリエイターへの称賛の言葉や、彼らのアカウントへのタグが表示されるようになっています。TikTokが適切にクレジットを共有しなければ、視聴者は彼らのキッチンからの購入に消極的になるかもしれません。
しかし、このビジネスモデルが失敗することはないでしょう。美味しい料理の動画を見て、「あれが食べたい」と思い、注文して、玄関に届くことほど簡単なことはありません。若くて衝動的なTikTokユーザーは、この機能を頻繁に利用するに違いありません。そして、TikTokの利用者の多くは若くて衝動的なため、大規模なスキャンダルがない限り、このビジネスを崩壊させることはないでしょう。
Ys and Partnersでは、SNS用にレシピ開発、調理、撮影、投稿まで、一貫したコンテンツ制作と運用を行っています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
参照元:
[1] https://www.supermarketnews.com/consumer-trends/study-most-us-consumers-stick-eating-home-post-pandemic
[2] https://en.wikipedia.org/wiki/Ghost_kitchen
[3] https://www.eatthis.com/news-tiktok-kitchens-launch/
[4] https://en.wikipedia.org/wiki/MrBeast_Burger
[5] https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-12-17/tiktok-viral-food-recipes-like-feta-pasta-available-in-virtual-restaurant-2022
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