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UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)とは、 企業側ではなく消費者であるユーザーによって制作・発信されるコンテンツを指します。マーケティングやその効果に関しては、どちらも長所と短所がありますが、ここ数年、UGCはより強力になり、注目が高まっています。そして、インフルエンサーコンテンツや企業のオリジナルコンテンツよりも、コンバージョンが大きくなることもあるほどです。これからのSNSコンテンツマーケティング戦略は、完全にUGCに重点を置くべきなのか、考えてみましょう。
オリジナルコンテンツとUGCの違い
まず、オリジナルコンテンツとUGC(ユーザー生成コンテンツ)という2つの用語を明確に定義しておきましょう。
オリジナルコンテンツとは、従来の形のコンテンツです。企業のマーケティング部門が作成し、ソーシャルメディアアカウントで公開するものは、すべてオリジナルコンテンツとみなされます。これは、画像、短編動画、長編動画、ブログ記事などです。これらのほとんどはプロフェッショナルの手によって作られており、平均的なソーシャルメディアの投稿よりも質が高い傾向があります。
一方でUGCとは、一般ユーザーが作成した製品やサービスに関するコンテンツです。画像、動画、レビューなどが含まれます。オリジナルのコンテンツとは異なり、プロフェッショナルなものには見えないものがほとんどで、投稿者のフォロワーも必ずしも多いわけでもありません。
オリジナルコンテンツの制作と運用には、多くの時間、労力、そしてお金がかかります。それにも関わらず、企業が公開したコンテンツではなく一般ユーザーが急いで作ってアップロードしたコンテンツを通じて製品やサービスがバイラルする可能性は常にあり、高い効果を発揮しています。
コストをかけずPR効果を得られるものだとしたら、企業のコンテンツ戦略は、UGCだけに重点を置くべきだと考えた方が良いのでしょうか。果たして、コストをかけてまでオリジナルコンテンツに多くの時間を投資する価値はあるのでしょうか。
オリジナルコンテンツとUGCの影響力に関する統計データ
eコマースが普及した現代において、SNSは新しいリードを獲得するために非常に重要かつ手軽に使えるツールです。ここでの成功がビジネスを急成長させることもあるでしょう。
アメリカにおいて、86%のマーケターは、すでにオリジナルコンテンツを作ることに加えて、UGCを戦略的に取り入れ始めています[1]。UGCは売り上げアップに貢献すると考えているからです。その理由として、最近のSNSユーザーは、UGCはオリジナルコンテンツやインフルエンサーのコンテンツよりも信頼していることがあげられます。
以下のグラフをご覧ください。SNSマーケティングの分析を行うStackla社の調査によると、UGC(グラフ内“consumer created content”と表記)は、インフルエンサーコンテンツよりも購買決定を促す効果が9.8倍高いことがわかりました[2]。
(参照データ) https://www.nosto.com/blog/report-consumer-marketing-perspectives-on-content-in-the-digital-age/
コンバージョンに影響するUGCの種類は?
コンバージョン率に大きな影響を与え得るUGCコンテンツは、レビュー、Q&A、SNSの画像とビデオの3種類です。
特に、eCommerceFastLaneというインフルエンサーのレポートによると、Q&Aセクションは、購買決定に最も影響を与えるUGCであるとされています。なおこれは、ブランドが顧客にいくつかの基本的な質問に対する答えを伝えるためにあるFAQページのことではありません。Q&Aセクションとは、顧客同士が特定の問題や質問について話し合う機会を提供するものを指します。
この好例はAmazonにあります。ユーザー同士で簡単に質問・回答ができるほか、最も有用な質問に投票することもできます。
※Amazon Echo DotのAmazon商品ページにあるQ&Aコーナー。顧客同士が質問したり回答したりできるほか、投票によって各質問の有用性をランク付けすることもできる。
eCommerceFastLaneの調査によると、ウェブサイトのQ&Aセクションと対話した人のコンバージョンが177%増加しています[3]。他にも評価やレビューがコンバージョン率を2倍にすることが分かっています。
以上のことからわかるように、顧客同士の交流を促し、製品の好きなところ・嫌いなところを話し合わせることは、顧客がストレスのない環境で購入の意思決定をすることに繋がります。
もちろん、お客さまがブランドに対して直接質問してきた場合は、ブランドのアカウントから迅速に回答することが大切です。しかし例えば、「○○の人はいますか」というような質問であれば、他のお客さまに任せて自然に会話が生まれるようにしましょう。
UGCの長所と短所 、 オリジナルコンテンツの長所と短所
では、UGCの生成にリソースを集中させるべきか、それとも面白いオリジナルコンテンツの作成に注力すべきか、これらの戦略には、どちらもメリットとデメリットがあります。
オリジナルコンテンツを作ることのメリットは明確です。ブランド名や商品名がついたすべてのコンテンツについて、完全にクリエイティブ・コントロールができるのに加え、戦略的に投稿するようにスケジュールを組めます。製品やサービスの良い部分に焦点を当て、あまり訴求したくない部分には焦点を当てないようにすることもできます。
(参考データ)https://www.nosto.com/blog/report-consumer-marketing-perspectives-on-content-in-the-digital-age/
しかしながら、オリジナルコンテンツに対する一般ユーザーと企業の考え方には少しずれが生じているかもしれません。
上記にあるように左側の赤いグラフを見ると、企業やブランドが本物として響くコンテンツを作っていると答えた消費者は51%に対し、青いグラフの方では92%のマーケターが、自社ブランドが作成したコンテンツのほとんど、またはすべてが消費者に本物として共感されると考えています。
もちろん、オリジナルコンテンツの制作にはお金と時間がかかる点も、デメリットとして捉えることができるでしょう。
一方でUGCの利点はたくさんあります。制作費がかからない、たくさんの一般ユーザーたちの手によって非常に早く作られることが多いなどです。
しかし、残念ながら、UGCにはデメリットもあります。あたりまえですが、クリエイティブ・コントロールすることができません。また、UGCによって顧客が製品をどう捉えるかについてもコントロールできません。UGCが原因でネガティブな理由でバイラルになったとしても、それについて企業ができることは何もないのです。
しかし、このデメリットをさしい引いても、UGCが購買決定に影響を与える可能性がある以上、マーケティング戦略の一環として見逃せません。うまく活用することが非常に重要と言えるでしょう。
UGCをうまく活用する3つのヒント
1.ユーザー同士で自然に会話が生まれるようにする
例えばSNS投稿では、フォロワーがコメント欄で他のフォロワーに製品やサービスについての質問をすることがあります。そのような時は、ブランド公式アカウントからすぐに返答するのではなく、他のお客さまが対応するかどうかを待つ時間を設けてみてください。お客様同士の信頼感やコミュニティが構築さる可能性があるからです。もちろん、12時間経っても誰も反応しない、あるいは会話が終わってしまった場合は、ブランドアカウントでコメントすることも忘れないでください。
2.レビューを残すことを奨励する
レビューが購買意欲を左右する大きな原動力であることは明白な事実でしょう。特に良いレビューは、新しいリード獲得において非常に重要な役割を果たします。
だからこそウェブサイトやSNSの投稿のいずれかにレビューを残せるような環境づくりは大切なことです。ユーザーに体験を共有してもらい、感想やお気に入りのもの、または変更して欲しい点などを書き込みたくなるようなシンプルなものが良いでしょう。
3.公式アカウントでUGCをシェアする
公式アカウントとしては、質の高いインフルエンサーのコンテンツだけシェアしているかもしれません。しかし一般ユーザーにコミュニティの一員であると感じてもらうためのためには、たとえプロフェッショナルではないように見えても、彼らのUGCをシェアすることが必要です。
Ben & Jerry’sやConverseのような多くのビッグブランドは、ユーザーに自社公式の画像を使って投稿しフォロワーに再共有することを奨励しています。公式からシェアしてもらえるかもしれないと思ったユーザーは、喜んで拡散しています。
企業としても、たくさん拡散されて認知度がアップすることに加え、消費者が製品に対してどのようにリアクションするかを知ることができるのです、
まとめ:コンテンツマーケティングは UGCにのみ注力すべきではない理由
UGCは今や強力なマーケティング手法ではありますが、だからと言ってオリジナルコンテンツに投資することを怠っては本末転倒です。
なぜならフォロワーが友人や家族、フォロワーに製品やサービスを“シェアしたい”と思わせるためには、当然ながらオリジナルコンテンツの存在が必要不可欠だからです。
UGCを促す質の良いオリジナルコンテンツの制作・運用と、UGCによるコンバージョンの相乗効果を利用してこそ、最大の成果を得ることができます。
つまり、これからのコンテンツマーケティングは、企業から一方的に情報を押し付けるのではなく、ユーザー同士で語り合わせることが、ますます重要になっていくでしょう。
コンテンツマーケティングは非常に重要な戦略の一つです。
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