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ゴミの排出量をできる限りゼロにする活動「ゼロウェイスト」。アメリカの化粧品業界では、セロウェイスト実現に向けて環境にやさしいパッケージに取り組む企業が続出しています。とあるスキンケアブランドは、競合他社と組んだ大胆なプロモーションを打ち出し、美容界に激震を走らせています。
競合と協業する? 海外化粧品ブランドのゼロウェイスト事例!
先日インスタグラムを眺めていたら、ひとつの投稿に目を引かれました。それは英国発のクリーンビューティーブランドREN Clean Skincare(レン・クリーン・スキンケア)の投稿でした。
その投稿にはREN Clean Skincareの商品ではなく、4社の競合他社の商品が掲載されていました。そしてヘッドラインは「これらのブランドは私たちの競合です。なぜ彼らの商品を買うべきか、お話しします。」と書かれています。
読み進めていくと、この5社は、2025年までに全商品を環境に優しいパッケージにすると宣言しています。REN Clean Skincareはこれまで何度もパッケージの改変を行い、再利用素材やリサイクル可能な素材を採用するなど、地球を汚さないパッケージ作りに力を注いできました。
しかし、いま地球が直面する危機的状況を一社で打破することは困難です。2018年時点で、アメリカではプラスティックパッケージの約70%がゴミとして埋立地に捨てられています。1 さらに、2050年には海洋中のプラスチックの重量が、魚の重量を上回るとも言われています。2
REN Clean Skincareは消費者に、「地球を汚す他者製品を買うくらいなら、ここに掲載されている環境に配慮している競合製品を買ってください」と訴えています。なぜなら、「環境を守ることにおいて、私たちは決して競合ではなく、仲間だからです」と締めくくっています。
参照元:REN Clean Skincare Website
社会に対するスタンスと、業界を巻き込む力とは?
この事例から学べることは、2つあります。一つは社会に対するあらゆる問題に対して、ブランドは明確なスタンスを示さなければならないと言う点です。そして、そのスタンスは「本物」でなければ、消費者の支持は得られません。
REN Clean Skincareは2021年中には完全にゼロウェイストになると宣言しています。それは、製造するすべての商品パッケージを、リサイクルされた素材、リサイクルできる素材、もしくは再利用できる形で製造することを意味しています。そのため、これまで何度もパッケージをつくり替え続けています。米国のリサイクル会社TerraCycle(テラサイクル)と組み、一部の商品パッケージを海に捨てられたプラスチックの破片でつくるなど、新しい取り組みにも挑戦しています。このような長年に渡る活動と信頼があったからこそ、今回のキャンペーンも支持されたのでしょう。
二つ目のポイントは、業界を巻き込む力です。REN Clean Skincareが望む「地球を汚さない世界」は、決して一社で実現できることではありません。業界全体が変わらなければならないのです。だからこそ、共通のビジョンを持つ競合を集め、協業する道を選択しました。
通常のマーケティングでは、他社製品と比べていかに自社製品が優れているかを訴求するところ、REN Clean Skincareは逆に競合製品を訴求。同じ信念を持つブランドは、たとえ化粧品市場の中で競合であっても、地球を守るという観点では「仲間」であるからです。このキャンペーンは、各ブランドのファンから称賛の声が上げられ、REN Clean Skincareは信念をもって業界をリードできる強いブランドであることを世に知らしめることになりました。
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