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日米のしごと 2024.02.07

【Winter Fancy Food Show 2024】ジャパンパビリオンも盛況!ラスベガスからの現地レポート

1月21日より3日間に渡り開催されたWinter Fancy Food Show 2024。1,000社を超える食品メーカーが最新の製品を展示し、何千人ものバイヤーが次のベストセラーを見つけるために訪れる、業界専門家が一堂に会する米国のトレードショーです。昨年の来場者数は1万3,000人を超え、今年はさらなる盛り上がりを期待されました。2022年より会場をサンフランシスコからラスベガスに移したWFFSですが、まずは彼らのユーモアにあふれるキャッチフレーズをご紹介しましょう。

「ラスベガスはギャンブルのメッカですが、私たちはWFFSへの出展が、常に勝てる賭けであることを知っています。」


日本がアジア初の「パートナーカントリー」に選出される

2024年のWFFSがいつも以上に私たちにとって特別なものになった大きな理由は、日本が今回のトレードショーのパートナーカントリーに選ばれたということです。展示会場の中心には約50社の日本企業が集う大型のジャパンパビリオンが設置され、各種媒体でも日本産食品が優先的に大きく取り上げられました。

さらに米国の著名シェフによる調理デモ「Taste It Live !」では、日本の高品質な海産物と米国シェフの自由な発想が融合した、見ごたえ・食べごたえのある試食の場を提供。今回Ys and Partnersはこれらの各種PRにおける全面的な支援をはじめ、バイヤーラウンジの運営、Taste It Live! イベントの進行という大役を担いました。前日準備から現地入りし、会場設営から展示会当日も含めた4日分のレポートをお届けします。

トレードショー会場へ

ラスベガスの中心部に位置するラスベガス・コンベンション・センター。屋内スペースの総面積は320万平方フィート(東京ドーム6.5個分だそうです)を誇る世界最大級のコンベンションセンターで、会場内を移動するだけで毎日軽く2万歩を超え、iPhoneのHealth機能を見るのが楽しみになったほどです。

そんな大きな会場のメインエントランスに掲げられた巨大なデジタルサイネージには、ジャパンパビリオンのPRサインが堂々と登場!ガラス張りのエントランス内部は信号待ちの車内からもクリアに確認でき、長距離ドライブの疲れを吹き飛ばしてくれました。これらのクリエイティブについてもYs and Partnersが一手に担っており、制作に携わったデザイナーをはじめ、スタッフ一同でひとしきり感動に浸りました。

会場では米国企業はもちろんのこと、日本の他にもイタリア、フランス、モロッコ、中国など各国のパビリオンが存在し、各社が続々と設営に取り掛かっていました。私たちも海外バイヤーに紹介するための商品の受け取りや、翌日からのシェフイベントの手配などで、忙しい準備日程を終えました。

ところで、イベントごとにハプニングはつきもの・・・落ち着いて対処するしかありませんね笑。

(え、シェフ今日来ないって?明日来て当日のライブイベントに間に合うわけがないでしょう!飛行機も取ってあるんですよ!?電話して!今日来てもらって、絶対!!)

Taste It Live!

ティモシー・ホリングスワースは、料理界のアカデミー賞とも呼ばれるジェームズ・ビアード・アワードの「Rising Star」を受賞したシェフであり、ロサンゼルスのOtium(ブロードミュージアムに隣接するレストラン)のオーナーです。フレンチ・ランドリーの卒業生で、アラン・デュカスやゴードン・ラムゼイなどの料理界の偉人のもとで働き、トーマス・ケラーのもとで料理長を務め、Netflix「ファイナル・テーブル」では優勝を飾りました。

この洗練されながらも冒険心に富むシェフ・ティムが、1日目のTaste It Live !の主役。日本の最高級のタイやブリを巧みに使いこなし、その素材の素晴らしさについて参加者と時間を共有しました。会場は常に、熱心にシェフのトークに聞き入るバイヤー、シェフの手元を何度も写真に収めるメディアなどで賑わいを見せました。

そして2日目のシェフは日系アメリカ人シェフのヒロオ・ナガハラ。彼は米国で「懐石マスター・シェフ」と呼ばれ、懐石料理の進歩と現代料理への適応性に深い敬意を抱き、ロサンゼルスでのモダンな懐石体験を探求してきました。彼のメニューは、ガイ・サヴォイ、神楽坂石かわ、NARISAWAなどのミシュランスターを獲得したレストランでの経験に基づいています。今回、ヒロオの手に掛かった日本の食材は「ホタテ」。厚みがあり、香り高い、これまた最高級の宮城産ホタテを、季節の野菜とともに見事な一皿へ仕上げていきました。

2日間のライブイベントが成功に終わった瞬間の、付きっきりで担当していたスタッフのほっとした笑顔と言ったら。企画から当日まで、お疲れさまでした。

ジャパンパビリオン

Jetroによるコンシェルジュデスクを中心に据え、約50社の企業が集うジャパンパビリオン。海産物、米、酒、調味料、フルーツ、柑橘類など品目は多岐に渡り、各ブースでは訪れたバイヤーとの商談が活発に行われていました。中でもまず目を引いたのは新鮮な海産物がズラリと並んだ輸出企業ブースでしょう。寿司店さながらの設えで来場者の注目を浴びており、実際にライブ提供されていた寿司は大変好評で、「鮮度が素晴らしい」「こんなにも高級志向のものが展示会で試食できるとは」と称賛の声が聞こえていました。

昨年に引き続き出展しているという企業も多く、今年はさらにコロナ禍明けを感じさせる、素晴らしい来場者規模だったようです。

また「全国醤油工業協同組合連合会」の合同ブースも、ダイナミックな設えでした。全国の醤油メーカー20社程がそれぞれの持ち味を生かしながら誇りをもって自社商品を並べあげ、大画面のディスプレイを使ったトークイベントも常時、行われていました。

その中の「木桶醤油プロジェクト」の出展も魅力的でした。皆さんは木桶醤油というものをご存じでしょうか?ステンレスのタンクではなく、昔ながらの木でできた桶で仕込む、伝統的な醤油づくりの手法です。これは単なる醤油づくりにとどまらない日本の物づくりの根幹とその将来を語れるような話であり、軽く一つの記事が書けてしまうくらい濃厚で素晴らしい取り組みであるためこの場では割愛しますが、ご存じない方はぜひ調べてみてください。

おわりに

昨今の様々な世界情勢から、政治障壁の少ない米国への進出は数多くの日本企業にとって急務であり、魅力的であり、重要なものになっています。Winter Fancy Food Showにおいてはさらに、その現場の熱量のようなものを感じてきました。

前段で触れた木桶醤油などもそうなのですが、国内の担い手不足により、失われてしまう可能性のある伝統的な物づくりが日本には数多くあります。温かい農村の風景を守りたいのであれば、そこで営まれてきた仕事を途絶えさせてはならないし、そのために新しい価値を創り出そうと、多くの方々が知恵を絞っています。そんな活動を後押しするべく、私たちはマーケティングの力をもって新しい道を切り拓いていきたいと強く願っているのです。

 

 

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