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日本においても、海外においても、戦略的に市場調査を利用することはとても重要です。ましてやコロナ禍でニューノーマルな時代を迎えている今、ターゲット市場の変化に関する情報をいち早く得ることは、企業にとっては生命線であり、必要不可欠であると言っても言い過ぎではありません。
市場調査から得られたデータは、ブランドや製品の方向性、製品開発やマーケティングに活かすことができます。もちろん、それだけではありません。新しいビジネスのタネを探している場合も、市場調査という手法を利用するのはとても有益です。また、市場調査で得られたデータは、コンテンツとして公に発表することもでき、その分野の権威としての信頼性を高めることにも役立つでしょう。
ここでは、市場調査の基本を説明し、企業がどのように市場調査を活用しているかをご紹介します。
貴社のビジネスの意思決定に際して、市場調査やそこから得られたデータを活用しきれてないということであれば、これを機に企業の成長に役立つ活用法を考えてみることをお勧めします。
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目次
1:市場調査とは?
2:市場調査の種類
(1) ブランド調査
(2) 競合調査
(3) 顧客セグメンテーション調査
(4) 消費者調査
(5) 製品開発調査
(6) ユーザビリティテスト
(7) マーケティングキャンペーン評価
(8) 受容性調査
(9) BTR(ビジネスのタネ)調査:
3:市場調査の実施方法
*(1) アンケート調査
*(2) フォーカスグループ
*(3) インデプスインタビュー
*(4) ホームユーステスト
*(5) CLT調査
4:市場調査は役に立つのか?
5:市場調査についてもっと知るには
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1:市場調査とは?
市場調査とは、自社のターゲット層についてのデータを収集し、効率よく、かつ効果的にマーケティングを行うための手段です。市場調査は、B2B、B2C、企業規模の大小に関わらず、ビジネス戦略上、重要な役割を果たします。企業が成長するために必要なデータを獲得し、それらのデータに基づいて意思決定を行うことで、成功する確率が飛躍的に高まります。
多くの企業は、一般論としての市場調査の重要性は認識してはいるものの、自社のビジネスを成功させるために市場調査がどれほど重要であるかまでは理解していないかもしれません。市場の動向が大きく変化している今だからこそ、市場をデータで把握すること。また、なかなか顧客に会えない今だからこそ、より深く理解する必要があります。
2:市場調査の種類
市場調査と一口に言っても、内容は多岐にわたります。実際には、具体的なビジネス目標を達成するために利用できる、さまざまな種類の調査があります。以下、市場調査の種類について簡単に説明します。
- ブランド調査:
ブランド調査とは、ブランドを創造したり、改良したり、若返らせたりするために、ブランドそのものに焦点を当てた調査です。認知度の推移、既顧客のブランドに対するロイヤリティ、そのブランド名を聞いてどんなことを想起するかなど、消費者とブランドとの関係性を調査することができます。 - 競合他社の調査:
競合調査は、競合他社の活動を調査します。具体的には、ブランドの評判、マーケティングキャンペーンやメッセージ、想定ターゲットなどを調べます。競合ブランドとの比較は、業界トレンドに乗り遅れないための方法でもあります。また、収益や販売量などの重要なデータを調べることで、競合他社の強みと弱みを知ることができます。 - 顧客セグメンテーション調査:
市場調査の中でも、特に新規事業にとって重要なのが、顧客セグメンテーションです。この調査では、消費者をいくつものグループやペルソナに分けて分析をします。この調査により、かなり具体的な消費者セグメントとニーズを特定することができ、それぞれのグループに合わせたユニークなメッセージをつくることができます。 - 消費者調査:
市場調査は、基本的に消費者に関するものがほとんどですが、消費者調査と呼ばれる調査は、消費者についてより深く理解するために必要であり、具体的には「購買行動」「習慣」「関心事」や「製品やコンセプトに対する意見」「購入意向」などを知りたい場合に最適だと言えます。 - 製品開発:
製品の開発工程では、まず市場調査を行い、顧客のニーズを分析し、新しい製品コンセプトに価値があるかどうかを確認し、時間をかけて製品を改良していきます。たとえば、食品企業で言えば、製品コンセプトと味覚に乖離がないか、味や風味の嗜好はどうか、ネーミングやボトルはどうか、などの消費者インサイトを探ります。 - ユーザビリティテスト:
製品を対象としたユーザビリティテストでは、消費者がどのように製品を使用するかについて調査します。たとえば、ウェブマガジンやモバイルアプリのベータ版について、ユーザーからのフィードバックを得て、UI・UXを改善したり、バグやその他の問題を発見したりすることができます。 - マーケティングキャンペーン評価:
市場調査の中には、マーケティングキャンペーンの効果に特化したものもあります。たとえば、オンライン広告やSNS、インフルエンサーの活動について評価することができます。このような調査結果を定期的にチームにフィードバックすることで消費者に効果的にアプローチし、顧客の獲得コストを抑えることができます。 - 受容性調査:
海外で自社の製品やサービスが受け入れられるか否かについて、その進出候補国の業界のプロに使用してもらい、使用感や好感度などについて意見を聞くワイズアンドパートナーズ独自のアンケート調査です。海外進出をすることは決めたが、どの国の消費者と親和性が高いかを知りたい際に有効な調査だと言えます。 - BTR(ビジネスのタネ)調査:
海外で(特にアメリカで)日本に応用できる新しいビジネスのタネを探されている企業に有効です。日本で成功している企業の多くは、アメリカの先進事例からヒントを得てつくりあげた製品やサービスが多いことは言うまでもありませんが、コロナ禍のアメリカで新しいビジネスのタネが雨後の筍のように出てきている今、調査を利用して定期的に情報を入手するのはとても価値があることです。
3:市場調査の実施方法
市場調査には様々な方法がありますが、まずは一次調査(フィールドリサーチ)と二次調査(デスク調査)の違いを理解しておくのが良いでしょう。
二次調査では、すでに現存しているデータを利用し、分析をします。たとえば、政府の国勢調査データ、業界レポート、市場動向に関する統計などがあります。この種の調査は、米国のような英語圏では多く、日本語圏では少ないのが特徴ですが、それらのデータを組み合わせることで、市場をより広く理解し、消費者トレンドや競合他社の傾向について知ることができます。
二次調査は、一次調査を行う前の準備段階となる傾向があり、企業内で行うこともできますが、一次調査については、市場調査の戦略を立て、それを実行できる社外のハイスキルな調査専門家に依頼するというやり方が主流です。様々な業界の調査実績を積み上げた外部の専門家に委託することで、正確な質問設計やモデレーション、分析が可能になります。また、調査自体のプロセスを効率化し、消費者のプライバシーに関するリスクを避けることもできます。
企業が消費者から情報を得るために行なう一次調査には、いくつかの方法があります。一般的な方法としては、以下のようなものがあります。
- アンケート調査:
アンケート調査では、消費者がすぐに答えられるように質問設計をします。アンケートの質問は、選択式のものもあれば、自由記述式のものもあります。アンケート調査は、対面、電話、郵送、オンラインで行うことができます。多くの人々にアンケートを実施し、フィードバックを得るための迅速かつシンプルな方法です。100人や1000人規模で量的に検証ができるため、定量調査と呼ばれます。 - フォーカスグループ:
通常は一名のモデレーターが、少人数(4人〜8人)の消費者グループに質問をしながら、インサイトを探っていきます。質問項目や質問する順序などは、予め用意周到に練られており、いくつものターゲットグループに対して同じインタビューを繰り返します。コロナ禍では、調査会場に集まるのではなく、ZOOMなどを利用してグループインタビューを行ってきましたが、近頃はオンサイトでやる調査も復活してきました。 - インデプスインタビュー:
フォーカスグループと似ていますが、対象者はさらに少なくなります。一対一のインタビュー形式で、一人の顧客や消費者から詳細な情報や貴重なインサイトを得ることができます。フォーカスグループと同じく、質的に探索ができるため、定性調査と呼ばれています。 - ホームユーステスト:
製品を複数の対象者に送り、実際に生活のなかで使用してもらい、その使用の仕方を観察する調査です。昨今は、対象者にオンライン上のプラットフォームにログインもらい、SNSのような会話のやり取りを通じて、意見を聞いたり、あるいはスマホで写真や動画をアップロードしてもらったり、というように自社製品の使用実態の観察が可能になりました。 - CLT調査:
セントラル・ロケーション・テストの略で、たとえばショッピングセンターなどのリアル店舗のなかに調査会場を設け、そのお店で買物をしている消費者をリクルートし、そこで商品パッケージや味覚や広告視聴調査などを行ないます。
4:市場調査は役に立つのか?
私たちが日米双方の市場で20年以上に渡って多くの市場調査の経験を積み上げてきた結果として、市場調査はビジネスを成功させるための重要な手段であり、投資する価値があるものだと判断しています。もちろん市場調査だけでビジネスが成功するわけではありませんが、企業を成功に導く意思決定に必要な情報を得ることができる、有益なツールだと断言することができます。
市場調査を行わなければ、成長の機会を逃し、誤ったビジネス上の意思決定を行うというリスクが伴います。もし競合他社が市場調査を行っていれば、今まさに自社の顧客を奪われるリスクがあると言えるでしょう。
5:市場調査についてもっと知るには
市場調査は、企業が成功するために必要不可欠です。ワイズアンドパートナーズでは、製品やサービスの受容性調査をはじめ、日本はもちろん海外(特に米国)においても様々な調査を実施しています。
アメリカ市場調査:2022年3つのマーケティングトレンド
アメリカの市場調査レポートによると、2022年、最も重要なマーケティングトレンドは、企業と顧客の間に、より人間的なつながりを生み出すことが、最も重要なマーケティングトレンドになる、という市場調査レポートがあります。顧客は […]
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