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米国マーケティングトレンド研究会 2021.10.06

アメリカのホリデー商戦マーケティング。今年のアメリカ人はハロウィーングッズにさらにお金を使う?

アメリカにおけるハロウィーンに関する支出の予測は、これまで以上に高くなっています。2019年(パンデミック前)にアメリカ人がハロウィーンに費やした金額は約90億ドルでしたが、2021年には100億ドル以上になると予測されています。これは、ソーシャルメディアの存在感と影響力が増したこと、新型コロナウィルスに対する疲弊感により、人々が安全対策を無視して「普通」の生活に戻ったこと、小売店がハロウィーン商品を例年よりも早く販売したことなどの要因が重なったためと考えられます。

昨年は、新型コロナウィルスの流行により、多くのアメリカ人がお気に入りのホリデーデコレーションやグッズに費やす金額が減少しました。しかし、今年のアメリカ人のハロウィーン関連商品への平均支出額は、パンデミック前の水準を上回ると予測されています。

アメリカ人はハロウィーンにどのくらいのお金を使うのか?

アメリカで最も人気のある商業的な祝日はクリスマスで、ハロウィーンはそれに次ぐ人気を誇っています。毎年、9月から10月にかけて、ハロウィーンの装飾やコスチュームを専門に扱う店がオープンし、通年営業の店の場合は、早ければ8月下旬にはハロウィーングッズを展開します。

ハロウィーンにお金を使う人は、トリック・オア・トリート(ハロウィンに子供たちがキャンディやお菓子を貰うために近隣のお家のドアをノックする行事)用のお菓子、衣装(自分用、子供用、あるいはペット用)、そして飾り付けなど、いくつかのカテゴリーにお金を使います。

ローンやクレジットカードなどの金銭的なアドバイスを行っているウェブサイト「LendEDU」が毎年行っている調査では、2019年のハロウィーンでのアメリカ人の平均予想支出額が約162ドルで、内訳としては装飾品への平均予想支出額は約47ドル、お菓子への支出は約55ドル、衣装への支出は約60ドルと予測されていました。[1]今年の平均支出額は低いと思われていましたが、2021年のハロウィーンには、人々はこれまで以上に消費活動をすると予測されています。

アメリカの2021年ハロウィーンにおける消費予測は、パンデミック前の水準よりも良好

The National Retail Federation(全米小売業協会)によると、2019年、69%のアメリカ人がハロウィーンを祝う予定でした。そのうちの約半数が家のデコレーションを行う予定で、コスチュームを着る予定の人はそれよりわずかに少ない規模と報告されていました。一方で、ハロウィーンを祝う方法として最も人気があったのは、トリック・オア・トリートの行事でお菓子を配ることで、2019年のハロウィーンは、合計で88億円が費やされると予測されました。

そこで、購入の意思決定を大きく左右したのはソーシャルメディアでした。

全米小売業協会のマシュー・シェイ会長は、平均的な支出額はソーシャルメディアの影響を受けないかもしれないが、購入される製品は影響を受けると述べています。Facebook(フェイスブック)、Pinterest(ピンタレスト)、YouTube(ユーチューブ)、Instagram(インスタグラム)などでアイデアを得た後、人々は外に出て、ハロウィーン関連の買い物をするのです。[2]

2021年のハロウィーンは、パンデミック以降、初めての「普通の」ハロウィーンとなります。この一年で人々のソーシャルメディアの利用が増えたことで、ソーシャルメディアが消費者の購買意思決定に影響を与える機会がさらに増えることになります。ワクチンのおかげでトリック・オア・トリートやパーティを安全に行えるという気持ちの高まりも相まって、アメリカ人は、2021年のハロウィーンにこれまで以上にお金を使うでしょう。

実際、現在の予測では、アメリカ人はハロウィーングッズ(お菓子、装飾品、コスチューム)に100億ドル以上を費やすことになると言われています。今年のハロウィーンを祝う予定の人は65%しかいないにもかかわらず(2019年は68%、2020年は58%)、2019年に比べて10億ドル以上も多くのお金を使うことになります 。[3]

なぜ2021年のハロウィーン支出の予測額はこれほどまでに高いのか?

支出予測が増加する社会的な理由としては、ワクチン接種を完了した人が増えたことや、新型コロナウィルスに関する安全対策が全般的に緩和されていることが挙げられます。全米の感染率は依然として驚異的に高いものの、新型コロナウィルスの安全対策に対して人々は既に疲労を感じており、危険を顧みず通常の生活に戻ろうとしているのです。[4]

また、小売店が今年は早くからハロウィーン商品を出し始めたことも理由の一つでしょう。一般的に、2021年は例年よりも早く秋物が販売されていました。[5]スターバックスが毎年発売しているパンプキンスパイスラテも、今年は8月下旬に発売されました。顧客アンケートで「8月末までに秋物が買えると嬉しい」という意見があり、スターバックスもそれに応えて秋メニューを早めに発売しました。

ワクチンにより自由になった気分と伝統を祝うために、今年は例年にも増して、アメリカ人の商業的な休日に対する消費活動が高まりそうです。

 


参照元:

[1] https://lendedu.com/blog/how-much-does-the-average-american-spend-on-halloween/

[2] https://www.usatoday.com/story/money/2019/09/25/halloween-spending-how-much-you-spend-candy/2441754001/

[3] https://www.usatoday.com/story/money/shopping/2021/09/22/halloween-costumes-2021-candy-decorations-spending-record/5816767001/

[4] https://www.theledger.com/story/lifestyle/2021/08/29/im-so-over-covid/5600968001/

[5] https://www.hometextilestoday.com/business-news/halloween-spending-expected-to-reach-an-all-time-high/

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